損害保険業界ノススメ

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カテゴリ: 財務会計

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  今日のテーマは 東京海上のERM経営 です
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東京海上の「ERM経営」についてです。

東京海上グループは、商品・サービスや業務プロセスに関する品質の向上
を起点とした持続的な成長の実現を目指し、期経営計画「変革と実行2011」
の達成に向けて積極的に事業を展開しています。

損害保険事業の成長性・収益性の回復ならびに国内生命保険事業および
海外保険事業の経営の主軸に置き、グローバルに競争力を発揮できる経営・
管理態勢を構築するため、資本とリスクのバランスを適切にコントロール
して財務の健全性を維持しつつ収益性を向上させる「リスクベース経営
(ERM)」の高度化に向けた取り組みの強化が同社の特徴のひとつだと
考えています。

このリスクベース経営は、他の損保会社も同様のコンセプトを取り入れた
経営をしているとは思われますが、経営戦略等で明記しているのは、同社
のみです。今回は、このリスクベース経営について着目してみます。


早速ですが、このERM経営のベネフィット、ならびに運用上の難度について
教科書的なものですが、お伝えいたします。


●ERM経営のベネフィットとは・・・

 ・組織横断的なリスクの理解・競争優位性に対する理解

 ・危機に対するセーフガード・低頻度重大リスク対応能力

 ・内部資源管理のコスト節約・より有効な資本配賦

 ・リスク集計・相殺を識別する能力

 ・ヘッジ・保険コスト節約

 ・より良い規制遵守・リスク調整リターンに基づく経営能力


●ERM採用における困難性とは・・・

 ・統合リスクを計測する困難

 ・リスクマネジメントと現行の企画プロセスの間の調整不足

 ・リスクを分析、監視、コントロールするシステムの不完全性

 ・明確に定義した役割、説明責任、情報フローの欠如

 ・文化的対立内部ベニフィットの認識不足

 ・操業的戦略的リスクを移転する市場の不足

 ・リスクサービスを完全な範囲で提供できる外部提供者の不足

 ・投資社会内でベネフィットの認識不足


MBAの授業では上記のベネフィットおよび採用難度を踏まえ、ケーススタディの
中で、ERM経営の是非が論じられます。

たとえば、東京海上ホールディングスを例にしてみると・・・こんな感じでしょうか。


同社は、中核業務である国内損害保険事業の成長性の限界を認識するなか、国内
保険事業においては業務革新プロジェクトをベースに生損保一体となった取り組み
などにより、販売基盤の強化や市場の開拓を進めつつあります。

今後の収益源である、東京海上日動あんしんは、主要チャネルで増収し、収益性の
改善に向けた商品改定を実施しつつも、足元の保険業績は好調。業務効率化の推進
により、収益性も改善に向かうことが期待されています。

また、買収した欧米損害保険会社の成長力・収益力を背景に、海外保険事業の利益
貢献が高まっているため、グループの収益多様化・リスク分散を図ってきています。
グローバル・スタンダードに合致したリスクベース経営管理体制の強化が図られ、
同社が志向しているリスクベースプライシングの実行に向けた施策が注目されて
います。

一方、東京海上日動などの収益力に裏づけられた良好なキャッシュフロー・バランス
に加え、十分な資本基盤、財務上の柔軟性を有していますが、震災による保険金支払
や株式市況の動向について、一定のストレスを含めたシナリオを勘案すると、従来の
グループ全体の信用力の維持が困難となる可能性があると考えられています。

東京海上日動は、保険持株会社の中核会社であり、同社の評価が持株会社の評価に
直結しています。直近の決算内容では、損害率や事業費率の高止まりにより抜本的
な収益性の改善には至っていないものの、料率改定の効果が一定程度見込まれ、
業務改革プロジェクトにかかわるシステム投資のピークは過ぎているため、当該
プロジェクトによるITインフラの強化などの成果が表れつつある傾向です。

今後の価格戦略のあり方に加え、コスト削減効果の顕現などを通じ、抜本的な収益性
の改善に結びつくか勝負の分かれ目だと考えられています。また、国内損害保険事業
の収益性が圧迫される中、海外事業の利益貢献が相応の水準となっています。

政策株式の売却を積極的に進めているようですが、依然として株式保有が多く、
株価の変動に収益や自己資本が影響を受けやすい状態になるのは否めません。
震災による保険金支払や株式市況の動向について、一定のストレスシナリオ下では、
リスク耐久力が一定程度低下することが想定されますので、資本政策について、
ERM経営の観点から、抜本的な舵取りが必要と考えられる・・・。


若干抽象的ではありますが、MBAのケーススタディでは、このような分析結果を
ベースに、あとは、上述した内容を定量的データで裏づけし、論拠を明示しながら、
第三者の納得感を醸成することになります。

国内の損保会社の中では、利益率、利益額などの収益性ではダントツのトップですから、
上記コメントは少し辛口かもしれませんが、参考程度に受け止めていただけると幸いです。


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  今日のテーマは 東京海上日動あんしん生命のEV です
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東京海上日動あんしん生命のEVについてです。

損保系生保のエンベディッド・バリューが以下のとおり開示されました。

東京海上日動あんしん生命:4,398億円(前年度比+492億円)
三井住友海上きらめき生命:2,089億円(前年度比+90億円)
あいおい生命      :1,174億円(前年度比+143億円)
損保ジャパンひまわり生命:3,456億円(前年度比+524億円)
日本興亜生命      :1,014億円(前年度比+73億円)


やはり、あんしん生命が損保系生保ではダントツトップの実績です。
MS&ADとしては3,263億円、NKSJは4,470億円となりますので、
グループではNKSJに軍配が上がりますが、単体で4,000億円超のEVを
保有するのはさすが東京海上の力ですね。

これは、東京海上日動社の販売力である代理店の営業力の賜物でしょう。
また、その代理店が売りやすい保険商品を作る保険会社のマーケティング力や
資産運用用力も一因かもしれません。

ところで、このEV(エンベディッド・バリュー)について説明を省略していました
ので、概要について以下のとおりご説明します。損保社員もしっかり把握する必要
があります。

エンベディッド・バリューは、英語では Embedded Valueと書きます。
そこで、今後は「EV」と略します。

このEVは、生命保険事業の価値評価・業績評価手法の1つで、日本でも10社を
超える生命保険会社が平成21年度末のEVを公表しており、「純資産価値+保有
契約価値」として計算されるものです。

「純資産価値」は、貸借対照表の「純資産の部」に、純資産に加算することが妥当
と考えられる危険準備金および価格変動準備金(いずれも税引後の額)を加えて計算
しています。

一方、「保有契約価値」は保有契約から生じることが見込まれる将来の「(税引後)
当期純利益」を基礎に、一定のソルベンシー・マージン比率を維持するために内部
留保する必要のある額を控除した配当可能な株主利益を、リスク・プレミアムを
勘案した割引率(リスク割引率)で割り引いて計算した現在価値の金額となります。

※東京海上グループは、リスク割引率として、無リスク金利(20年国債利回り)
に6%のリスク・プレミアムを上乗せした数値に基づき設定しています。
(MBAのファイナンスで習う分野なので、参考までに憶えておくと良いかも
 しれません)

少し専門的な説明になりましたが、少し分りやすくいうと、EVのイメージは、
「現時点で保有している契約から得られる将来の利益」と「株主資本に実質的な資本
とみなせる負債の一部等を加えた資産価値」を合計したものです。

一般的に、生命保険の契約は10年、20年、または一生涯、というように非常に長期
に渡るため、収益と費用の発生の認識に時間的なズレが生じます。通常は契約の初期
に販売手数料などの費用の大部分が発生する一方で、保険料は毎年少しずつ入って
くるため、時間の経過に伴い収益が発生し、長期間で収益をあげる仕組みとなっています。

この生保会社の収益と費用の認識のズレを考慮して、生命保険会社の企業価値を図る
方法がEVなのです。ヨーロッパを中心とする海外の生命保険会社は、EVをベース
とした株価評価が行われていますので、日本の生命保険会社もこの方法を昨今取り入れ
始めました。


このEVにおいて、損保系生保では、東京海上日動あんしん生命がダントツのトップ
なのですが、損保系生保は1996年に同時にスタートして、約15年が経過しました。
この15年間で、三井住友海上きらめき生命の2倍以上の資産価値を有する企業体に
なったというのは、規模の経済性のすごさと、と東京海上グループの戦略性が優れて
いることを立証しているのではないでしょうか。

投下資本(資本金、物件費、従業員数など)の多寡もありますが、15年間で、
4000億円超の企業体が出来上がるのは、ベンチャー企業としても類まれではない
でしょうか。(やはり生命保険が儲かる業態であることを伺えます)

たとえば、明治安田生命のEVは2兆2,382億円ですから、あんしん生命の5倍
です。この差は歴然としていますが、創業は1881年で、130年の歴史がある企業
です。また、総資産は約27兆円、保有契約高約210兆円の大企業です。

それが、創業15年の東京海上日動あんしん生命は企業年齢で言えば、明治安田生命の
1/9です。この短期間で急成長したことが相対比較をすることでより如実になります。

今後のEVを増加させるべく、企業努力を続けるのでしょうが、1兆円クラスに達する
のもそう遠くはないのではないでしょうか。朝日生命を買収しようとしたように、
国内生保の買収などにより、企業価値増大を虎視眈々と狙っているのではないでしょうか。

今後のあんしん生命の飛躍に期待したいと思います。


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  今日のテーマは 東京海上の2010年度決算 です
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東京海上の2010年度決算についてです。

2010年度東京海上HDの決算は、純利益は719億円(昨年度比▲44%)でした。
他の2メガにくらべ、利益額では大幅に上回っているものの、昨年度比で約570億円も
利益が減りました。

円高の進行や株価の低迷がみられたものの、政府の経済政策による景気押し上げ効果等に
より回復基調となりましたが、他方、東日本大震災やニュージーランド地震等の大規模な
自然災害が世界各地で発生し、東京海上HDの保険会社は、これらの自然災害について
多額の保険金を支払う予定です。再保険契約によるリスク負担の軽減や責任準備金の積み
立てに加え、積極的な海外展開による収益・リスクの分散を図っているものの、先行きの
不透明感は拭えません。

先行き不透明とはいえ、この不確実性を、限りなく精緻な統計・分析結果により、確実な
ものとし、グループ収益の試算およびその試算(目標値)の達成が、隅社長の使命であり、
その使命を全うさせるために、グループの全社員が、例えば自動車でいえば、一つ一つの
部品として機能することで走行できるように、個々の任務を全うすることで、グループの
目標を達成させる必要があります。

東京海上グループは、2011年度のグループ全体の業績を示す経営指標として、
「修正利益」と「修正ROE」を挙げています。

具体的に「修正利益」は1,280億円、「修正ROE」は4.4%を予想しています。

また、この目標を遂行するための原点としては、グループの方針があります。
行動の羅針盤です。


東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に
高めていきます。」という経営方針を掲げています。

その都度、お伝えしていますが、具体的には、以下4つを標榜しています。

1.お客様に最高品質の商品・サービスを提供し、安心と安全をひろげます。
2.株主の負託に応え、収益性・成長性・健全性を備えた事業をグローバルに展開します。
3.社員一人ひとりが創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築きます。
4.良き企業市民として公正な経営を貫き、広く社会の発展に貢献します。


そして、中長期的な経営戦略および対処すべき課題として、同グループが認識している
ことは・・・

●厳しい事業環境の中でも持続的な成長を実現していくためには、これまで以上に競争
 優位性を発揮した成長戦略を推進していく。

●保険業界の会計基準やリスク管理基準など、各種基準・規制も今後一層のグローバル
 スタンダード化の進展が見込まれていることを視野に入れた、国際的な潮流に対応した
 グローバルベースの経営・管理態勢の強化。


こうした認識の下、東京海上グループは以下に掲げた3点を戦略骨子として「企業価値の
最大化に言及しています。他の2メガと比較して、株価および時価総額が高い理由は、
このような明確な戦略を策定しているからでしょうか・・・。


1.品質の向上を起点とする持続可能な収益成長
  東京海上グループが持続的に成長するためは、グループの全ての会社が「品質の向上」
  を起点とする「拡大成長サイクル」を実現することが必要であり、この循環を通して
  全てのステークホルダーの価値を持続的に増加させる。

2.最適な事業ポートフォリオの構築
  「品質の向上」を起点とする「拡大成長サイクル」を実現できる事業分野に、経営資源
  を積極的に投入。こうした「選択と集中」の強化により、成長性と収益性のバランスが
  取れた最適な事業ポートフォリオを構築する。

3.グローバルベースの経営・管理態勢の強化
  国や地域に関係なく、全てのステークホルダーに高い価値提供を行い、さらにその実現
  のためにグループ内の経営資源をボーダレスに活用できる経営・管理態勢の構築・強化。


最後の3点目は、この数年で会計基準や保険会社の監督規制等が大きく変わろうとしている
ことを踏まえ、「リスクベース経営(ERM 態勢)」に必要なインフラの構築に注力するよう
ですが、規模が大きい企業こそ、足元の盤石性が求められている時代においては、とても
大切なことです。

1280億円の利益達成に向けた、各種策を講じて、世界を代表する企業グループとしての
発展を期待したいところです。


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  今日のテーマは 東京海上の企業価値 です
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東京海上の「企業価値」についてです。

東京海上ホールディングスの企業価値について「時価総額」の観点で見てみます。


         期末株価     時価総額
2002年度末  1472円    13630億円
2003年度末  3240円    28966億円
2004年度末  3120円    26832億円
2005年度末  4660円    39308億円
2006年度末  4360円    35949億円
2007年度末  3680円    29606億円
2008年度末  2395円    19268億円
2009年度末  3633円    21183億円
2010年度末  2224円    17893億円


2011年度も東京海上ホールディングの株価は、マーケットの低調と連動し、
2000円を割っているため、時価総額は15000億円程度となっています。


過去は約4兆円企業であったわけですが、時価総額が一番高い年度と一番低い年度で、
収益性を比較しています。


2005年度末(一番高い)と2010年度末(一番低い)の比較

期末株価   4660円    ⇔ 2224円
時価総額   39308億円  ⇔ 17893億円
経常収益   33999億円  ⇔ 32866億円
当期純利益  899億円    ⇔ 719億円
修正利益   1387億円   ⇔ 720億円


上記のとおり、2ヵ年度の間において、株価と時価総額は2倍以上の開きがありますが、
修正利益を除き、経常収益(保険料収入)、当期純利益については若干の差しかありません。


また、2010年度末では、企業戦略上、超保険の販売進捗や抜本改革による企業品質向上、
海外損保の買収などの面で、他損保に比較して、相当優位性があるにもかかわらず、日経平均
の低迷に引きずられる形で、企業価値を落としています。
(東京海上ホールディングだけではなく、他損保や他業種の会社も同様に株価低迷により、
 時価総額を落としているので、当社特有の事柄ではありませんが・・・)


そこで、「時価総額」の定義について確認しています。


時価総額とは、ある上場企業の「株価」に「発行済株式数」をかけたものであり、企業価値を
評価する際の指標とされています(MBAのファイナンスで学ぶ基礎事項です)。


時価総額が大きいということは、業績だけではなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味し、
(時価総額は企業尺度や企業の実力の一面にしかすぎませんが)市場の期待値を反映した尺度の一つ
として用いられ、理論上、企業の利益や資産が大きいほど時価総額も高くなります。
つまり、有利子負債額の多寡にもよるため一概には言えませんが、時価総額が大きければ大きいほど、
その会社の規模や資金調達能力が高いことを意味し、また企業買収における買収総額の目安としても
着目される指標となっています。


他方、株価は時に過大(過小)評価される場合があり、単純には比較できないとも言われています
ので、上記のように、年度ごとの単純比較において、年度別に優劣をつけるのは少し無理があるの
かもしれません。


参考までに過去の世界の上場企業の時価総額の合計(1ドル80円で換算した場合)は・・・


2007年12月末で60兆8700億ドル(約4850兆円)
2008年12月末で32兆5500億ドル(約2520兆円)
2009年12月末で47兆7800億ドル(約3800兆円)


となっていますので、たとえば、2009年で世界における東京海上の時価総額シェアは、
0.05%程度となってしまいます・・・。



次いでとなりますが、参考までに、東京海上ホールディングの上場来最高の株価はいくらかというと。

2007年6月11日のリーマンショック前につけた「5450円」です。

ほかにも、イベントごとの株価は・・・。

ホールディングとして初上場した2002年4月2日は「2000円」。
東日本大震災直後の2011年3月14日は「2200円」。
今(2011年9月1日)は「2094円」・・・。

なんと、瞬間風速で比較すると、最高値と最低値で2.5倍以上の開きがあります。


しかし、初上場時の株価を100として指数化した場合、同社の株価は、2003年7月以降
TOPIXを上回って推移していますので、企業集団の中では優秀な部類に入るのでしょう。


今後の日本経済の復活と東京海上の株価向上に期待したいと思います。


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  今日のテーマは、東京海上日動の財布の中身です
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東京海上日動社の09年度末損益計算書を見てます。

利益に目を向けると、以下のとおり利益が出ていることが確認できます。

税引き前利益が約1,333億円
税引き後利益が約944億円(当期純利益)

この利益が生まれるまでには、保険料収入、保険料の運用収益、保険以外の
事業による収入がある一方で、支払保険金、代理店手数料、損害調査費、
資産運用にかかる費用などのお金を生み出す上で必要な経費が発生しています。

そして、法人ですので、社会に利益を還元するために法人税等を支払い、
その結果残る利益が「当期純利益」となります。

では、上記利益を別の観点から見てみます。

資産運用収益は約1,362億円です。
税引き前利益相当の金額となっていますが、この資産運用収益の主な内訳は・・・

・利息・配当金収入として  約1,084億円
・株式売却益として       約722億円
・デリバティブの利益として   約114億円

単純合計は約1,900億円ですが、積立保険料等運用益振替という科目で
▲約637億円がありますので、その他の収益(約100億円)を足した結果、
約1,362億円となります。

(参考)時価利回り
・預貯金・・・運用額約452億円に対して運用益は約21億円、利回りは約4.7%
・公社債・・・運用額約2兆6千億円に対して運用益は約360億円、利回りは約1.4%
・株式 ・・・運用額約2兆2千億円に対して運用益は約6700億円、利回りは約31%


これだけ見ると、少し乱暴な表現にはなりますが、東京海上日動社という日本を
代表する損害保険事業会社は、本業である損保事業による収入では黒字を確保できず、
副業である資産運用によって黒字を確保しているといえるのではないでしょうか。

これは、「損害保険業界ノススメ」ブログでも一般論としてお伝えしてきましたが、
決算書を具体的に見ていくと如実に表れています。

また上記ロジックを補完するために、09年度末の種目別の儲けを見てみます。

火災・・・損害率42.4%、事業費率47.6%で合計90%
海上・・・損害率66.1%、事業費率25.0%で合計91.1%
傷害・・・損害率58.6%、事業費率44.6%で合計103.2%
自保・・・損害率69.8%、事業費率33.1%で合計102.9%
自賠・・・損害率110%、事業費率23.3%で合計133.8%
賠責・・・損害率46.8%、事業費率26.9%で合計73.7%

以上の通り、傷害と自保、自賠は合計(コンバインドレシオ)が100%を超えていますので、
儲からない商品となっています。この儲からない商品群の構成比率は、全体の約70%です。
内訳は以下のとおりです。

自保・・・48.7%
自賠・・・12.2%
傷害・・・ 8.4%

残り約30%の火災や海上、新種保険等で、保険事業の赤字を埋めているのが現状です。
東京海上日動社といえども、このような台所事情ですから、他の損保も言わずもがなの状況
といえるのでしょうが、これは損保事業の構造的問題と結論付けても良いかもしれません。

そこで、この不況事業の解決策の一つが、保険料の値上げです。
したがって、昨今話題になった、なっている傷害保険料や自動車保険料の値上げについては
各社の決算状況からすると理にかなったものともいえます。

また、話しは少し脱線しますが、保険料を引き上げたとしても、1,2%が関の山ですし、
損害率が改善しない限りは収益が劇的に伸びることもありません。
それでは、どのような戦略をとればいいのか。

「儲かる商品群をたくさん売る」ことにつきます。
儲かる商品を売るためには、商品性の強化と当該商品を販売する代理店チャネルの政策強化が
必要となります。

前者で言えば、火災保険料の補償アップまたは保険料引き下げによる商品競争力の強化。
後者で言えば、銀行窓販を主流の銀行代理店や不動産チャネルの取引拡大。

こんなことも見えてきます。

一個人の財布の中身(所得状況)からも、その人の生活レベルや生活するための工夫、
そして、何を切り詰め、何に贅沢をしているのか。また、可処分所得を増やすための
生活の知恵絞りをどの程度しているのかなどが分るように、企業においても決算書を
見ていくことで、色々なことが推察できます。

ぜひ、損害保険会社の決算書の中身は毎年一回確認するようにしたいところです。


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日本企業が好業績を背景に、目標とするROEの引上げを
しています。

欧米は、20〜30%のROEのところ、日本企業の場合、
10%に満たないのが現状です。

日本損害保険会社の場合、各社7%を標榜しています。
この先10%以上を目指していくことになると思います。

損害保険は、収支相当の原則があります。

もうけすぎは、保険料設定に問題がある(もうけすぎている)
という風評を生むかもしれません。

他方、現在、日本の損保会社の株主は、40%以上が
外国人投資家です。

直接日本で損害保険を購入している当事者ではないことから
保険料が高いことへの不満はなく、投資先である損保会社に
儲かってもらいたいという要望のみあるだけです。


また、数十パーセントは、大企業などとの株式の持ち合い
ですから、損保会社が儲けることへの批判はでません。

株主は、純粋に投資の参考指標である、ROE等に興味が
あるため、損保の経営陣も、その指標の上昇を責務として
経営に携わります。


この結果、顧客不在の経営に陥るのかもしれません。

ステイクホルダーは、契約者、保険代理店、投資家、従業員
等様々です。


どのように優先順位をつけていくかが、経営のかじ取りには
重要です。営利企業として、引き続き高いROEを求めなくて
ないけない義務と、契約者に対し、保険料引き下げ・サービ
ス向上を誓わなくてはいけない責任、二つ両立するための
かじ取りは、とても難しいのではないでしょうか。



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日経平均が急上昇したことで、MS&ADやNKJSの株式評価損の戻しいれ
として、500億円〜600億円が発生するそうです。


損害保険会社も金融機関であるため、保険料を運用して、一定の利差益を出す
ことを宿命ではありますが、顧客企業との関係性を強めるための政策的な株式
保有により決算に影響が出てしまうのは、損害保険会社の経営としてどうなの
でしょうか。


日経平均の動向如何で、決算に関して一喜一憂する保険会社は、果して健全
なのでしょうか・・・。


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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上グループの「個人投資家説明会」です
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東京海上グループの「個人投資家説明会」についてです。


今月19日、東京海上グループは個人投資家向け説明会を実施しました。
そのときの様子は以下のURLでご確認ください。


(隅社長によるプレゼンテーション)
http://www.irtimes.com/104ka/d13868.html

(プレゼン資料)
http://www.irtimes.com/data/8766/pdf/movie_876613868.pdf


様々な観点で収益性、成長性などについて投資家向けに説明しているわけですが、
とりわけ印象的だったのは次の3点です。


●正味収入保険料の増収率は年平均2.2%を目標。
●国内損保事業で、2014年度までに約700億円増収。
●海外保険事業で、2014年度までに約3300億円増収。


特に、海外事業で2012年度〜2014年度の3年間で約3300億円を増やす
というのは、円安に触れることによる自然増以外に、更なる海外保険会社の買収を
視野に入れたものではないか?という憶測が出てきます。


東京海上は投資家向けに懇切丁寧にプレゼンテーションを実施していますので、
ぜひ、同社の経営戦略を確認する手段として、上記URLにアクセスしてみては
いかがでしょうか。


さて、このような個人投資家向けのプレゼンテーションは、通称「IR」と呼んで
いますが、他の2メガ損保はIRは実施しているものの、個人投資家向けであったり、
このような情報サイトは設けていないのが現状です。


そこで、東京海上グループはなぜ、お金をかけてまでこのような活動を実施している
のでしょうか。考えてみたいと思います。



個人投資家及び国内の機関投資家をはじめ、海外の機関投資家向けのIR、その他の
IR全般を上場間もない企業から東証1部上場企業まで幅広く行っているのが現状です。


もともとIRは、市場にとって存在意義の大きかったプロの投資家を対象としていました。
特に、東京海上は個人投資家へのIRを確立していますが、その主なコンセプトとして
考えられるのは、「IRは上場企業と、既存株主、潜在的投資家との双方向のコミュニ
ケーションが基本にある」という考え方ではないでしょうか。

企業と投資家の情報交流は重要で、それを具現化しているのが、個人投資家向け説明会
だと考えられます。つまり、投資家に対する企業情報の提供です。

上場企業にとっては、個人投資家とのダイレクトコミュニケーションの場である個人投資家
向け説明会に参加してもらい、また、その模様をインターネットで動画配信して、誰でも
視聴できる機会を作ることの意義はとても深いと思います。


特に、IRに力を入れることは「経営者の姿勢」にもつながります。


業績に関わらず、きちんとIRを続けるという姿勢を経営者が持っているという印象を与える
のではないでしょうか。

良いときも悪いときも常に自らの言葉で情報発信する経営者の姿勢は、投資家の信頼を
得られます。IRというのはすぐに効果があがるものではありませんが。個人投資家が
重視する投資へのモチベーションは、その企業に期待して長く見守る「応援投資」です。

その効果は、経営者自らが投資家と対話することによって、少しずつ現れていくものなのでは
ないでしょうか。IRが成功するためには、経営者の姿勢が最も重要な要素となります。


また、IR活動の成果が出ている企業に共通しているのは、市場が企業をどう見ているか、
という投資家の声に、きちんと耳を傾けていることだと考えられます。


東京海上は、(多分)「IRはコミュニケーションである」というコンセプトのもと、
個人投資家の声を収集していると思われますが、同社に限らずIR活動に成功している企業
の多くは、その声を投資家向けIR活動の改善に活かしながらPDCAサイクルを回すことが
できていると言われています。ものの本によると、個人投資家向けのIRの結果として、
株主数が当初の3倍以上に伸びている企業も多数あるとのことです。


上場しているからには、IR活動は企業にとってのいわば義務といっても過言ではありません。


IR戦略をきちんと確立して、それを投資家向けにコミットすることが上場会社として
本来の姿といえるのではないでしょうか。そうした企業は必ず明確な成果が現れていくと
思います。

株式発行数や元々持ち合わせていた資産や過去からの積み上げである収益性に違いが
あることが主因ではありますが、3メガ損保の株価は東京海上の2000円、NKSJの
1500円、MS&ADの1400円と、各社の株価にも開きがあります。


因果関係を証明することは難しいですが、個人投資家向け説明会を継続して開催している
ことも上記株価の乖離を生んでいる一要因なのではないでしょうか。


東京海上の一連の取り組みは、上場企業として、損害保険会社として、会社を取り巻く
ステイクホルダーに対する義務をしっかり果たすことの重要性を痛感させてくれる取組だと
思います。


読者のみなさんはどうお考えでしょうか・・・。



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<本日の対象記事(日経新聞11/19「損保大手6社、収入保険料2.7%減 4〜9月期」>


 東京海上ホールディングスなど損害保険大手6社は19日、2009年4〜9月期決算を発表した。
景気低迷で自動車保険や火災保険の不振が続き、売上高に相当する正味収入保険料の合計額は3兆4403億円と前年同期比2.7%減少した。世界的な金融危機の収束に加え、自然災害による保険金支払いが少なかったことなどで損益は全社で改善したものの、保険販売の不振という厳しい状況が続いている。
 正味収入保険料は6社中5社が減収となった。全体のほぼ半分を占める自動車保険の収入保険料は合計で1兆6182億円で1.4%減少。ニッセイ同和損害保険を除く5社が減収となった。大半の大手損保は自動車保険の保険料を昨春以降、値上げしている。しかし、保有台数の減少や自動車の小型化による保険料単価の下落が著しく、「値上げしても(減収ピッチに)追いつかない」。


大手損害保険会社の中間決算が発表されました。
リーマンショックの影響も多少癒え、マクロ環境の影響で正味収入保険料は減ったものの、台風などの自然災害が少なかった結果、各社増益した模様です。
しかしながら、記憶に新しい10月以降の台風災害の影響は下期決算に必ず影響してくるはずですから、予断は許さない状況なのではないでしょうか。


ところで、大手6社の09年度中間決算を見比べて、特筆すべきは以下の点でしょうか。


1.ニッセイ同和社の正味保険料の増収率は▲0.5%ですが、その他の会社は▲5%〜▲6%。

2.損保ジャパンは正味保険金額が急増(前期比約13%増)で、正味損害率も唯一70%台。 (これには特殊要因がありそうです)

3.正味事業費率では、各社が前期比1%前後のアップに対して、東京海上日動社は▲2%。その結果、コンバインドレシオでも大手社で唯一、東海日動社のみ100%を切る。

4.一方、コンバインドレシオでは、損害率が急騰した損保ジャパンが108.8%と突出。その他の会社も100%越え。

5.保険引受利益(保険の本業での利益)は、ニッセイ同和社を除いて黒字を確保。

6.中間純利益では、三井住友海上のみ前期比減となるが、そのほかは増益。特に、東海日動社は約360億円増加。

各社の決算資料のURLを以下に掲載しますので是非、一読してみてください。

■東京海上ホールディングス 平成22年3月期第2四半期決算発表
http://ir.tokiomarinehd.com/ja/TmhdStockAnnounce.html

■三井住友海上グループホールディングス 2009年度 第2四半期決算発表
http://www.msig.com/ir/library/earnings/index.html

■損保ジャパン 平成22年3月期 第2四半期決算短信について
http://www.sompo-japan.co.jp/news/20091119.html

■あいおい損保 平成22年3月期 第2四半期決算短信
http://www.ioi-sonpo.co.jp/corporate/news/pdf/2009/20091119.pdf

■日本興亜損保 平成22年3月期 第2四半期決算短信
http://www.nipponkoa.co.jp/c_profile/Profile/2009/2009_2q_tanshin.pdf

■ニッセイ同和損保 平成22年3月期 第2四半期決算短信
http://www.nissaydowa.co.jp/stockholder/cs0002.html


今回のメルマガでは時期的にも旬な話題である会計の重要性をお伝えしたいと思います。


今や「プロの経営者の時代」といわれています。これは中小企業経営だけではなく、
損害保険会社のような大企業も同様です。
損保で言えば、損保経営のプロとプロがぶつかり合い、熾烈な企業間競争を繰り広げ、その競合に負けた方が倒産や経営危機に陥ったり、経営統合で吸収される立場に追い込まれます。

これは避けて通れない競争の中で、いかなる相手と戦っても、必ず勝つ力を奪い、それを維持する努力を企業は続けなければなりません。保険自由化が始まって以来、大変な時代に対応する経営は、改善と変革の創造の努力なくしては、到底競合に勝ち抜くことは至難です。
そして、経営者頼みだけでもダメで、社員もその大変さに気付き、危機感を共有する必要があります。

そのためには、まず、己れをしっかりと知ることから始めるべきで、それが財務諸表を読むことであり、それを読み解くために財務会計の知識を習得する必要があります。


「経営」とは何か、を考えると、その先には「経営者の理念」や「その考え方」が見えてくると言われています。

※「決算」とは何か、を考えると、それは「経営の結果であり、次へのスタートである」という ことを言っていたMBAの教授がいました。

「決算書」とは何か・・・自社の通信簿であり、自社の予言書である。
なぜならば、決算書の数字は「経営者の考え方(経営方針)に則った行動の結果」だからとMBAの教授は言っていました。
もっと青臭く表現すると、決算書は「経営者の一年間のドラマ」とも言えるそうです。

決算書の中には、経営の課題と解決への方策と次なる目標が経営者の経営能力を信じて記されているとも言われています。このあたりは現に、保険代理店経営をしている方であれば、想像しやすいのではないでしょうか。


それでは、「経営者(企業)のドラマ」とは何でしょうか。


管理人は「成功と失敗に至るプロセス」と捉えています。

保険商品の開発に成功、海外事業におけるM&Aの成功、統合・合併の成功、売上増加による利益増加、等々。成功にはそれなりの経営努力が必要です。また、成功するということは、経営の指揮をとった経営者の考え方が正しかったことを証明することになります。一方で、失敗にもそれなりの理由があります。そこで、損害保険会社の経営において失敗に至らない為には、少なくとも

・元受保険料の増減に注目し、各施策の成否検証を実行する
・経費支出の増大の原因を分析し、改善策を講じる
・保険引受利益の増減の原因を究明し、減要因を探り対策を講じる
・投資は結果だけではなくプロセスにも着目し、常に問題がないか探る


過去に破綻した損害保険会社のケースを基に考えてみましたが、これらを素人なりにも、平社員時代から自分なりに分析することが肝要なのだと考えています。

昔から「商売は才覚と算用」といって、知恵と数字が尊重されてきましたが、これは損害保険会社の商売においても一緒です。


「会計・英語・コンピューターはビジネスパースンに必須のスキルである」


こう言われるようになってから十数年が経過しました。
しかし会計を学ぶのはあくまで手段であって目的ではありません。
会計自体を学ぶことに意味はなく、会計を使って何かを学ぶことに意味があると考えています。
「会計・決算書から何が読み取れるのか」については、実際に企業の決算書を用いつつ、企業戦略がどう数字に反映されるかについて分析しながら学ぶことが大切です。
まずは、自社や他社の決算書を斜め読みし、その後に、会計関係の本を片手に、じっくり読み直して見ると、力が付くと思います。損保講座などで開講している「損保会計」も勉強ツールの一つですね。

営業や損害調査一辺倒ではなく、少し視野を広げるには会計を学ぶことをオススメします。


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<本日の対象記事(日経新聞10/23「ニッセイ同和損保、有価証券評価損34億円」>

ニッセイ同和損害保険は23日、2009年4〜9月期で有価証券評価損34億円を計上すると発表した。
4〜6月期の評価損は1億円だったが、一部の保有株式の価格が下落したため、評価損が拡大した。
保有有価証券全体の含み益は増加したもようだ。業績予想の修正については未定。



ニッセイ同和損保は今年3月末時点で日航株の1.58%を保有し、信託口などを除けば実質的に第3位
株主だそうです。7〜9月期の有価証券評価損の公表総額は32億円なので、損失の大半を日航株で
占めることになります。10年3月期の経常利益は110億円と予想していますので、「業績修正が必要
となる場合は速やかに公表する」と説明していますが、下期の株価動向次第では早期にこの辺の説明を
せざるを得ない状況に追い込まれるのでしょうか。

読売新聞によると、日航の上位株主には、東京海上日動火災保険、みずほコーポレート銀行、三菱東京
UFJ銀行なども名を連ねています。日航社の株価は、景気悪化による航空需要の減少などを背景に、
186円(6月)から132円(9月)へと大幅に下落しています。株主にとっては、取得原価から上期末
時点の株価が値下がりしていれば、差額を評価損失として計上することになりますので、ニッセイ同和の
ほかの企業も今後大きな評価損を発表するのではないでしょうか。


金融危機に端を発する世界的な株価暴落で、企業の投資有価証券評価損が膨らんでのが08年度決算でした。
東証1部上場企業が平成20年期に計上した評価損は数兆円億円規模であったため、景気低迷に伴う本業
の落ち込みに加えこの「株安」が企業業績に直撃しましたので、有価証券の評価損の痛さは保険会社だけ
ではなく、ほかの企業も十二分に認識しているはずです。

この「株安」による「評価損」は企業の収益にマイナスに働きます。

投資有価証券評価損は、

「短期的な売買目的を除く株式などの有価証券保有分について、期末時点の価格が取得価格から50%以上
下落した場合に強制的に計上される損失。下落率が30%以上50%未満であっても、個別企業の判断で
評価損として計上する場合もある。」と物の本には解説がされています。

困ったことに、昨今の企業は計上する評価損の背景として、

「05年後半から敵対的買収への対抗策として、企業同士で株式を持ち合う傾向が強まった影響も大きい」と
指摘されています。株式持ち合いで損失が膨らんだ企業には有効性の十分な説明が投資家から問われべきですが
特に保険会社は、営業政策上、政策株式への投資をしたり、機関投資家として純投資を活発にしていますので
その説明責任が一層求められるのは自明の理かもしれません。


ニッセイ同和が計上したこの34億円の評価損のインパクトはどの程度あるのでしょうか。
東京海上ホールディングスの08年度決算時は、最終利益で約231億円でした。保有株式などの価格下落に
備えて積み立てていた準備金を取り崩し、黒字を確保したという数字のマジックによる決算でしたが、
ニッセイ同和は東京海上ホールディングスの十分の一程度の企業規模にして、1企業の投資結果として
「34億円」の評価損を余儀なくされています。保有有価証券全体の含み益は増加してるとはいうものの、
経営への影響は計り知れないものがあるのではないでしょうか。

JALは、航空機保険などの管財物件を共同保険にて各損害保険会社に引受させていますので、ニッセイ同和
だけではなく、東京海上日動以下、他の損害保険会社にも大なり小なりの影響があると思っています。


企業営業分野では付き物の「政策投資」ですが、これは金融機関、特に保険会社の「悪しき文化」ではない
でしょうか。顧客から預かった資産をコツコツ運用して、利差益を出し、保険契約上の配当収入を増やす努力
や経営努力の賜物である株式の配当を増配しようとするにも、この政策投資の負の影響により、全ての努力が
水の泡に帰します。市場環境がよければ、より一層のプラスに働くことは確かではありますが、不確定な要素
や急激に変化する株式環境の特長を勘案すると、政策投資をバックボーンにした営業スタイルは時代遅れだと
思います。また、損害保険会社の企業営業(コマーシャル部門)に所属している営業社員はこのあたりの感覚
を持たずして、自分自身を選ばれし精鋭と勘違いしている節があるように思えてなりません。
日本発祥のバブル崩壊や100年に一度の金融危機によって倒産してしまった損保、生保が多くいました。
その原因は、純投資や政策投資の失敗によるものです。内的要因以外に、外的要因もありコントロール不能な
部分もありますが、コントロール不能な不確実リスクを常に抱えていることを企業営業分門の社員が認識
することで、政策投資に頼らない営業スタイルが確立するのだと思います。
これが企業文化になるのでしょうか。

また、プロ代理店やブローカーにとっては、保険会社の「評価損」がマスコミ各紙で取り上げられ、損保各社
が政策投資をやめることで、ビジネスチャンスが広がってくるはずです。この絶好のチャンスを手中に収める
べく、日々の情報収集からはじまり、各種提案活動は大切になってきますね。釈迦に説法かもしれませんが。。。

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  今日のテーマは 東京海上の「連結決算」です
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東京海上の「連結決算」についてです。

こちらは、先日公表された東京海上ホールディングスの連結決算資料です。
http://ir.tokiomarinehd.com/ja/TmhdStockAnnounce/TMAnnounceDataDownPar/00/TMAnnounceDownPar/02/PDFImage1/IREvent_img_pdf.png


損害保険会社の決算書を読んだことがある方はお分かりだと思いますが、
最近数年の間に、損害保険会社は保険持株会社に移行しているため、グループ
会社が増えています。また、十数年前と比べると事業の多角化も進んでいます
ので、生命保険会社、変額保険会社、通販損保などの事業会社も連結対象と
なっています。

東京海上ホールディングの場合、次の会社が連結対象となっています。

東京海上日動
日新火災
イーデザイン損保
東京海上日動あんしん生命
東京海上日動フィナンシャル生命個社


そして、上記URLではこれらの会社のP/L(損益計算書)およびB/S(貸借
対照表)等が、連結の決算短信もしくは決算記者会見資料で確認できます。


東京海上ホールディングに限らず生保、損保の大手社は、持株会社を作り、
東京海上ホールディング同様に、多数の連結関連子会社を保有していますので、
保険会社側(作り手側)からすると、決算書を作成するロードがかかります。

他方、投資家にとっては情報量が多すぎて、無難な判断、または重要な情報を
見落としてしまうことで大損を被るリスクもあります。

そこで今回は、決算書の読み方に触れると時間と紙面がいくらあっても足りま
せんので、お一人でも決算書が見れるよう「連結財務諸表」に関する初歩的な
ことをお伝えします。



早速本題に入りますが、「連結財務諸表」とは何でしょうか。


それは、グループ化した企業をひとつの企業のように見なして作成した財務諸表
のことを指しています。

単体の財務諸表の場合、財務諸表の公開義務のある会社が販売不振の際、子会社
などに在庫を売り付けて、あたかも真っ当に利益を出しているかのように見せる
ことが可能になります。

しかし、連結財務諸表の場合、こうした利益調整をしようと思っても、グループ
内の取引は全て相殺されるので、より透明性が高くなり、グループとしての実態
がより明確に見えてきます。


連結決算の考え方は、アメリカなどで先駆けて導入されていて、日本でも2000年
3月期の決算から、連結財務諸表で表すことが主流になっています。



●連結決算の対象は・・・

 連結決算の対象としてグループ会社を含める方法には次の2通りあります。


<連結法>
 連結法とは、親会社が直接(あるいは、子会社を通じて間接的に)50%を超える
 株式を保有している子会社(連結会社)に適用される方法です。

 連結法では、貸借対照表と損益計算書は全て合算して計算します。この際、親会
 社と子会社の間の取引は全て相殺されます。

 なお、持ち株比率が40〜50%の場合であっても、親会社が子会社を実質的に支配
 しているような状況の場合(役員の過半数を派遣、会社の重要方針を決める契約
 があるなど)ですと連結法の対象会社となり、これを支配力基準と呼ぶことに
 なります。


<持分法>
 持分法とは、親会社が直接(あるいは、子会社を通じて間接的に)20〜50%の
 株式を保有している子会社(関連会社)、もしくは規模が小さくて連結の対象
 から外した子会社(非連結子会社)に適用される方法です。

 持分法では、子会社の利益を親会社の持株割合に応じて損益計算書の営業外収益
 の項目に「持分法による投資損益」として記載します。

 また、その利益は、親会社の個別貸借対照表にある「投資その他の資産」の中の
 「関係会社株式」の項目に加えられます。(持分法による投資利益がマイナス
 ならば、その分を減らします)


 なお、持株比率が15〜20%であっても、親会社がグループ会社に対してかなりの
 影響力を及ぼしている場合には、持分法の対象会社となります。これを影響力
 基準と呼んでいます。



また、連結財務諸表には、普段は目に付かない固有の科目があります。 

具体的には、連結財務諸表には単体の財務諸表には見られない科目があります。
ただし、通常はいずれも額が小さいものなので、大まかな経営・財務分析では気
にする必要のない科目といえます。


●連結貸借対照表の固有科目とは・・・

 ※為替換算調整勘定を指します。
  為替換算調整勘定は、海外の子会社の決算書を円にする際に生じる差額を
  バランスシート上に資産または負債と計上したもの。


 ※連結調整勘定
  連結調整勘定とは、企業買収をした際に生じるもので、親会社の投資勘定と
  子会社の資本勘定を相殺するときに出る差額で、バランスシートの資産また
  は負債に記載されます。連結調整勘定は、20年以内で均等償却します。

 
 ※少数株主持分
  少数株主持分とは、第三者が持っている連結対象の会社(子会社)の株の
  ことで、資産や負債とは独立してバランスシートに記載されるものです。
 


●連結損益計算書の固有科目とは・・・

 ※税引等調整前当期純損益
  税引等調整前当期純損益とは、単体の損益計算書にある税引前当期利益に
  相当するものです。

 
 ※少数株主損益
  少数株主損益とは、連結ベースで計上された当期損益のなかで、少数株主
  持分に配分される損益のことです。

 
 ※連結調整勘定償却額
  連結調整勘定償却額とは、その期における連結調整勘定の償却費です。



財務諸表を読み解くための「ノウハウ・情報」の伝達的なメルマガになりましたが、
毎年この時期は、3月末決算の会社業績が開示されます。


ぜひ、些細な疑問を払拭してから、東京海上ホールディングの決算資料とライバル
会社であるNKSJやMS&ADとの比較をし、あらゆる面で浮き彫りになる「差」
を追求すると東京海上のガリバーたる所以が自ずと分かってくるのではないでしょうか。


ぜひ、決算書は一度でいいので損保各社のものに、目を通してみてください。
まずは、各社グループ会社の中核損保会社、生保会社の「利益」に注目してみるのが
良いのではないでしょうか。



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「日経4誌の損保関連ニュースをMBA的思考で斬る!」では、損保会社特集が終了したこととに伴い、今週から1週間分の業界ニュースをピックアップした「まるごと損保業界ニュース」をはじめました。
多忙を極めて新聞・雑誌等を読む時間のない方にオススメします。

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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の「業績ハイライト」です
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東京海上の「業績ハイライト」についてです。

こちらでは、東京海上グループ全体の2002年度から2011年度までの10年度分の
業績に関する数値が確認できます。
http://ir.tokiomarinehd.com/ja/TmhdBusinessHighlights/mainColumnParagraphs/03/excelFile/FY2011%20TokioMarineHD.financialhighlights(j).xls


それでは2011年度の決算概況について振り返ってみます。

2011年度の損保事業の正味収入保険料は、東京海上日動や日新火災において
自賠責保険や自動車保険が増収したことに加え、海外事業における再保険
事業の引受拡大や中国における新規支店開設効果により、前年度対比+2.3%
増収の2兆3,244億円でした。


一方、生命保険料は、あんしん生命にて保有契約の順調な拡大により増収
となったものの、フィナンシャル生命において大幅な減収となったことに
より、前年度対比▲15.0%減収の3,445億円でした。


さらに具体的に見てみると・・・


保険引受収益2 兆9,781 億円、資産運用収益3,729 億円などを合計した
経常収益は、前年度に比べて1,273 億円増加し、3 兆4,159 億円。


一方、保険引受費用2 兆6,983 億円、資産運用費用381 億円、営業費及び
一般管理費5,155 億円などを合計した経常費用は、3 兆2,556 億円で
前年度に比べて936 億円増加しました。


この結果、経常利益は1,603 億円で、前年度に比べて337 億円増加しました。


当期純利益は(東京海上に限ったことではありませんが、)国内損保事業・
海外事業ともに自然災害の影響を大きく受けましたが、東京海上日動の
「異常危険準備金の取崩益」が発生したことで、経常利益は増益となった
一方で、法人税率引下げによる繰延税金資産取崩しの影響を大きく受けた
結果、当期純利益は前年度対比▲91.7%減益の60億円となりました。


そして、東京海上グループ独自の経営指標である「修正利益」は・・・


東京海上グループ合計の2011年度修正利益は前年度対比▲915億円となり、
▲195億円でした。


※利益およびROEについては、企業価値を的確に把握し、その拡大に
 努めるためにこの「修正利益」をベースに定めています。詳細は↓です。

http://ir.tokiomarinehd.com/ja/NewsRelease/NewsRelease737959259496666296/TopLink/TopLinkDocument/appendixpdf.pdf



2012年度は、第2四半期が終わりましたが、第一四半期の好調さ引き続き
維持しています。

外部環境として、米国経済が緩やかながらも自律的な景気回復を
辿る一方、欧州では政府債務問題が深刻化するなかで景気悪化局面が続き、
これまで世界経済を牽引してきた中国においても輸出・生産が鈍化するなど、
景気減速懸念が高まりつつあります。

また、日本経済においては復興需要のほか、自動車販売等の個人消費が
増加するなど国内需要が堅調に推移していますので、予断は許しませんが
ライバル他社比で良好な決算が望めるのではないでしょうか・・・。


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  今日のテーマは 東京海上の2011年度決算IR電話会議 です
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東京海上の「2011年度決算IR電話会議」についてです。


今月中旬、損保各社の決算が発表されました。
保険引受利益は各社赤字でしたが、東京海上HDのみ最終利益の黒字をわずかながら確保して
います。


黒字化に向けては、年度末の株価好転による有価証券の売却益が大きく貢献したようですが、
保有有価証券の原価が低ければ低いほど、どんな株価市況でも、株式を売却すれば含み益を
出すことができますので、ライバル社の赤字決算が濃厚な中、あらゆる手段を尽くして、黒字
を確保することは、市場や投資家、顧客、保険代理店などのステイクホルダーに対するパフォ
ーマンスとしては大変重要なことだと考えられます。


隅社長の経営者としての維持が感じ取れる決算だったと感じます。


さて、東京海上HDの2011年度決算概要及び2012年度通期業績予想についてはすでに確認された
でしょうか。業界のガリバーの先行き・見通しを知っておくことは、ライバル会社の社員のみな
らず、損保代理店の経営者や業界関係者にとって重要なことです。


といっても、決算関係の資料は情報量が多く、また、損保会計は特殊で、また、ややわかりづら
いということもあり、じっくり本資料を読み込むことはないと思います。


そんな方にとって有益なのが、音声による決算説明です。
東京海上HDのHPでは、同社の経営企画部部長兼広報IRグループリーダー 武田氏による電話
会議の音声が配信されていますので、視聴すると良いと思います。

http://www.c-hotline.net/?module=Viewer&codeAcc=TMHDd04cde5b0d34b06af9306eef70e80cea


本IRの説明では、2012年度の東京海上日動の正味保険料の増収は、3.6%とされています。
2011年度実績同様、高い増収率を見込んでいます。


取り上げられている主な増減要因は次のとおりです。

火災 ・・・昨年度より伸び率は低下するものの増収を維持する見込み
海上 ・・・物流の回復などによる増収を見込む
傷害 ・・・明治安田生命との提携効果などによる増収を見込む
自動車・・・料率改定効果や明治安田生命との提携効果などによる増収を見込む
その他・・・前期の大口契約における減収の反動などにより増収を見込む


特に自動車は、4・2%増収を見込んでいますが、2011年度に続き、2012年度も好調のようです。


また、海外事業においても、デルファイの買収に伴う増収に加え、フィラデルフィア、キルン、
再保険事業など既存各事業の内部成長により、全体では前年増減率34%の増収を見込んでいます。
国内事業と海外事業のバランスがとれた成長スパイラルなのではないでしょうか。


フィラデルフィア・・・収益重視の引受を継続すると共に、新商品の販売等を強化
キルン     ・・・カバーホルダー関連ビジネスの拡大や欧州・アジアにおける事業拡大等
アジア事業   ・・・成長分野であるパーソナル自動車保険の拡販と日系企業対応の強化による増収
再保険事業   ・・・カジュアルティ分野の拡大や豪州・スイス支店の引受拡大
生保事業    ・・・アジアにおける販売チャネルの拡充や新商品投入による拡販


長年かけて海外の成長領域に投資してきた努力がここにきて実り始めています。


MS&ADやNKSJは、傘下子会社のシステム統合や合併などの内向きな業務に追われる一方で、
東京海上HDは、一足先に、更なる成長に向けた舵取りを実施していくのではないでしょうか。


これ以外にも同社の戦略を確認できますので、詳細は決算資料をご参照ください。

http://www.c-hotline.net/docs/html/TMHD2253/dl/tmhd120518_1.pdf


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  今日のテーマは 東京海上HDの 繰延税金資産の取り崩し です
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東京海上HDの「繰延税金資産の取り崩し」についてです。

東京海上HDが先般公表した平成24年3月期の業績予想では、当期純利益が
前回発表の900億円→100億円に減っていました。


http://ir.tokiomarinehd.com/ja/NewsRelease/NewsRelease6089850442945393194/TopLink/TopLinkDocument/111205.pdf


この当期純利益の修正は、法人税率引下げに関連する法律が公布されたこと
に伴い、「繰延税金資産の取り崩し」を見込んだことによるものです。


保険業界では、昨日、T&Dホールディングスも、法人税率の引き下げに伴う
繰り延べ税金資産の取り崩しにより、平成24年3月期連結業績予想について、
純利益を120億円(従来予想360億円)に下方修正すると発表しました。


また、マスコミ各紙でも、「繰延税金資産の取り崩しによる赤字決算が多発
する」旨の記事をよく目にするようになりました。


損保ジャパンと日本興亜の合併は、2期連続赤字の見通しが濃厚となった結果
を踏まえた、経営トップの責任追及ということが理由の一つとしてあげられて
いますが、この赤字も「タイ洪水」と「繰延税金資産の取り崩し」によるもの
とされています。

この「繰延税金資産の取り崩し」はあまり目立ちませんが、実は、少し古い話
ではありますが、GMが大赤字となった一番の原因もこの「繰延税金資産」の
取り崩しによるものでした。


「繰延税金資産」は企業の赤字決算を増幅させる主犯格なのです。



繰延税金資産を正確に説明しようとすると、非常に長く、かつ難解な文章に
なってしまいますのでここでは割愛させていただきますが、簡単に言えば、
「将来支払うべき税金を現時点で前払いしている金額」を意味します。
それだけ将来支払うべき税金が少なく済みますので、これを資産として認めて
いるというものです。

そして、繰延税金資産を資産として計上すると同時に、利益が同額だけ増加
します。利益が増加するということは、純資産(株主資本)も増加します。


さて、この「繰延税金資産」、実は資産といっても、その資産性は非常に
心もとないものなのです。

繰延税金資産として計上されている金額は、すでに税金を前払いしている
ために、将来支払う税金が少なくなると見込まれる金額です。

ところが、将来支払う税金が少なくなるという恩恵を企業が受けるためには、
繰延税金資産に計上されている金額に見合っただけの税務上の所得(=税金
計算上の利益)を将来得ることが必要となります。


いくら将来の税金を減らす効果があるといっても、それは実際に、将来十分
な所得をあげて税金が生じないと意味がありません。仮に将来赤字でそもそも
税金が発生しないとなれば、「税金を減らす」こと自体が不可能になります。

そうなれば、繰延税金資産をそのまま計上している意味がなくなり、取り崩し
により今度は利益の減少(または赤字の拡大)を招くことになるわけです。

前述の説明にあるように、繰延税金資産を計上するとそれだけ利益が増加
(または赤字が減少)しますので、東京海上はじめとし、他の損保会社、
ひいては他業界の企業も、多少無理してでも強気の業績予測をたてて、
「将来、支払う税金が少なくなる恩恵を受けるだけの十分な利益を確保できる」
という前提で繰延税金資産を計上しているのです。そうすれば、見かけ上、
決算を良く見せることができるからです。


しかし、業績が悪化して、その前提が崩れてしまったとしたら・・・業績の悪化
による利益の減少や赤字の発生のみならず、計上していた繰延税金資産を取り崩
すことによる費用の増加も加わり、GMのように多額の赤字決算を余儀なく
されてしまいます。


日本でも、古くは、2003年にりそな銀行が繰延税金資産の取り崩しによる自己資本
比率の低下から公的資金注入を余儀なくされましたし、JALの2007年3月期決算
では544億円もの繰延税金資産取り崩しの影響で、従来の30億円の黒字予測が一転
して162億円の最終赤字になってしまったというのも記憶に新しいと思います。


「繰延税金資産」という時限爆弾をいつまでも抱えることなく、黒字確保しつつも
その爆弾を放出できる決算を果たせたという、東京海上HDの財務状況と、経営者
の判断は秀でたものがあります。


金融機関では、メガバンクを差し置いて、先んじて、修正決算を発表しています。
憶測ですが、「繰延税金資産」の取り崩しのために、当該金額を算定したいの
でしょうが、これがとても複雑で難しいということを聞いたことがあります。


東京海上HDは、そういう意味でも、この複雑な金額の算出を入念に準備して
いたと思うと、脱帽ですね。


生損保業界において、この時限爆弾を放出される時期はいつなのでしょうか。


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各社の中間決算発表がありました。
何処の会社も正直ぱっとしません。

メーカーは、円高という逆風の中、コスト削減を注力した結果利益を確保しています。過去最高益を出している企業も数多くいる中、損保業界においては、株式の売却益による増益であったり、合併コスト計上による減益であったりと、諸要因はあるものの、今後の明るい見通しが立つような経営戦略・経営実態が見えてきません。

損害保険会社のコストは大きく3つに分けられるのでしょうか。

1.人件費

2.物件費

3.販売費


人件費は、社員の給料や福利厚生費などです。
物件費は、ビルの賃貸料、什器備品、システム開発費などです。
販売費は、販売にかかる費用(代理店手数料など)です。


人件費を下げるには、「成果主義」を導入し、メリハリの利いた給与体系にすることで、合理的に全体支出を下げるのが効果的でしょうか。リストラという手段もありますが、日本企業においてこの荒治療を行なうことによるデメリット(モチベーションダウン)が大きいため、拙速にリストラに走ることは難しいと思います。

物件費を下げるには、支店、支社の統廃合が1番でしょうか。
損害保険会社のビジネスモデル上、全国津々浦々に支店・支社を配置しています。
その先には保険代理店がいます。この支店・支社を合理的に統廃合することで、物件費を圧縮することができますが、この「合理的に」というのが肝です。
損害保険会社各社が頭を悩ませているところでしょうか。

販売費を下げるには、代理店手数料制度の改革でしょうか。
「保険代理店」は損害保険会社のビジネスパートナーであることから、「改革」といっても難しいのでしょうが、「最適配分」という考えのもと、「保険代理店」の優先順位付けをし、どのような保険代理店に対して適切な手数料を支払うべきか、真摯に考える必要があるのではないでしょうか。本来しっかり支払う保険代理店に対しては、高い手数料を、支払う先でない保険代理店には市場からのご退場を願うことを徹底し、全体支出を下げるのが重要でしょうか。


リーマンショック後、アジア経済の活況、欧米経済の停滞、それらに起因した為替問題、(ミクロな話ですが)スマートフォン等のITツールの出現など、事業会社を取り巻く環境は刻一刻と変化している中、主要なメーカーは、過酷な筋力トレーニングで体質改善を行い、脂肪を落とし、筋肉質な身体を作り上げていますが、その一方で、損害保険会社は「ダイエット食品」の摂取をしたり、健康器具で楽に脂肪を落とそうとするようなことに努力しているように思えてならないのは気のせいでしょうか・・・。


(以下、フジサンケイビジネスアイからの転載)
 
損害保険大手3グループが19日発表した2010年9月中間連結決算は、合併費用計上などの影響で、MS&ADインシュアランスグループホールディングスとNKSJホールディングスが最終利益で減益となった。下期の売り上げはエコカー補助金の終了に伴って自動車保険を中心に下ぶれする見通しで、コスト削減や海外展開が明暗を分けそうだ。

 MS&ADは、合併関連費用として235億円を計上したことが影響した。NKSJは前年同期に約150億円の特別利益を計上していた上、円高により外債の利息収入や為替の差損益が悪化したことが減益要因となった。東京海上ホールディングスは、株式売却益の増加により増益を確保した。

 東京海上は、海外子会社が最終利益の3割を上げた。海外展開についてはNKSJも「いくつかの案件について同時並行で検討している」(山口裕之常務)といい、MS&ADも「2013年までに300億円の利益を海外で上げたい」(梅村孝義常務)とした。

 売上高に当たる正味収入保険料は、円高によって円ベースで目減りした東京海上を除く2グループが増収。東京海上も現地通貨ベースでは伸びた。

 ただ、国内事業の今後の見通しについては各社、慎重な姿勢だ。下期は「補助金が終わり、新車販売は落ち込む」と東京海上日動火災保険の玉井孝明専務。主力事業の自動車保険と自動車損害賠償責任保険には、下ぶれ圧力がかかることになる。

 長期的に国内の損保市場が縮小傾向にあるなか、下期はより海外子会社の重要性が高まりそうだ。MS&ADとNKSJは、統合のシナジー(相乗)効果をどのように発揮するか、改めて問われることになる。

                   ◇

 ■大手損保3グループの2010年9月中間連結決算

            正味収入保険料      最終利益

 MS&AD   13005( 2.0) 400(▲48.3)

  三井住友海上  6234( 2.5) 273(▲44.1)

  あいおい    4073( 2.4)  70(▲58.1)

  ニッセイ同和  1509(▲2.6) ▲13(  −  )

 東京海上    11749(▲0.7) 952( 33.7)

 NKSJ     9878( 0.5) 241(▲50.0)

  損保ジャパン  6436( 0.3) 183(▲40.4)

  日本興亜    3165(▲1.0) 131(▲28.9)

 (注)単位は億円。カッコ内は前年同期比増減率%。▲は赤字またはマイナス。−は比較できず。あいおいニッセイ同和は、合併前の2社の決算。MS&ADとNKSJは経営統合前の合算値と比較した。

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