■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
「日経4誌の損保関連ニュースをMBA的思考で斬る!」(サンプル)
「東京海上」解体新書 (サンプル)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

__________________________
  今日のテーマは 東京海上の「SRIインデックス」 です
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


東京海上は、ESG(環境・社会・ガバナンス)分野における取り組みの向上に努め、
世界各国のSRI評価機関から高い評価を得ています。


最近ではマスコミにも取り上げられていますが、社会の持続可能性の観点から、
企業のESGリスクや企業倫理を評価するSRI(Socially Responsible Investment:
社会的責任投資)が注目されています。


東京海上は、ESG情報について透明性ある情報を開示し、多くのグローバル・SRI
インデックスから評価を受けています。


たとえば、同社は下記SRIインデックスの構成銘柄等に選定されています。
(英語サイトですのでご容赦ください)

http://www.ftse.com/products/indices/FTSE4Good
http://www.sustainability-index.com/
http://www.vigeo.com/csr-rating-agency/
http://forumethibel.org/content/home_ja.html
http://www.oekom-research.com/



SRI(社会的責任投資)についてご存知でない方もいらっしゃると思いますので、
今回はSRIについて解説したいと思います。


SRI(社会的責任投資・Socially responsible investment)とは、「企業に対し、社会的な
責任を果たすよう要求する投資行動全般」を言い、企業と投資家にとって社会的に健全な資金
の流れを誘導することで、持続可能な社会の構築に貢献することを目的としています。


日本でSRIの推進にかかわるリーダー組織「NPO法人社会的責任投資フォーラム(SIF-JAPAN)」
のホームページでは、SRIを以下のように定義しています。

(以下、抜粋)
「SRIとは社会的責任投資(Socially Responsible Investment)を示し、一般的には、
企業への株式投資の際に、財務的分析に加えて、企業の環境対応や社会的活動などの
評価、つまり企業の社会的責任の評価を加味して投資先企業を決定し、かつ責任ある
株主として行動する投資手法」。
 

歴史を振り返ると、欧米では20世紀の初頭から現在までキリスト教やイスラム教などの
宗教団体が投資を行う際に、教団の教義にそぐわないと考えられる企業や業種を投資先から
排除する動きが続いていたようです。


宗教団体は、伝統的に軍需産業、たばこ産業、酒類製造業、アダルト産業などを投資先から
外していたそうです。

投資先を排除するという意味でこれらの評価手法を「ネガティブスクリーニング」と呼ばれ
ています。

これに対し、1990年代の後半から欧米で起こってきた企業の社会的責任(CSR:Corporate
Social Responsibility)の社会運動は、日本でもなじみがありますし、損保業界においても
市民権を得ていますが、投資の世界にも大きく影響することとなり、投資において「経済的
リターンのみならず、社会的リターンもあげる」とする社会的責任投資(SRI)の流れが
にわかに台頭してきました。


現在のSRIはCSRの優れた会社に積極的に投資することや、良い会社、良い行動を積極的に
評価するという意味で「ポジティブスクリーニング」と言われています。


また、東京海上グループが標榜しているCSR経営ですが、これは、産業革命以降の
企業経営が、もっぱら自社の経済的利益の増大を目指してきた結果、環境破壊や人権問題、
失業問題、資源枯渇、企業不祥事の多発等に至ったとの反省から、「企業経営の全プロセス
の中に環境的配慮、並びに社会的配慮を取り入れなくてはもはや経営は立ち行かない」とする
「経営モデル」の転換としてとらえられています。


他方で、SRIは、投資先を選定する際、企業の経済的項目のみならず、環境的項目、
社会的項目についても企業をスクリーニング(評価)してCSR評価の高い企業に
投資しようとする新しい「投資モデル」であるといえます。



SRIの運用規模としては、少し古くなりますが、SIF-JAPAN(社会的責任投資フォーラム)
の2007年の調査によると、米国の市場規模は227兆円でトップ。

2位のイギリスは、106兆円。
以下、オランダの36兆円、スウェーデンの32兆円、ベルギー31兆円、ノルウェー23兆円
と続き、EU諸国の市場規模は、急速に拡大しているようです。


日本はなんと7千億円という微々たる規模にすぎません。

日本よりGDP(国内総生産)ではるかに小さいヨーロッパ各国が日本の何十倍のSRI運用
をしていますが、どうしてこんなことになっているのでしょうか。


その理由は、SRIインデックス組入れ銘柄選定のプロセスにあるといわれています。


SRIインデックスを提供する会社は、SRIインデックスを組むにあたっては、
そのSRIインデックスの運営理念に基づき、専門の調査会社またはNPO・NGOなどの
調査機関に企業調査を依頼しています。

調査会社または調査機関は対象企業の社会的責任活動が適切に行われているかを
正しく評価するためのアンケート票を作成します。
その質問項目は、少ないところで40〜50問、多いところで100問程度になり、
経済性指標、環境性指標、社会性指標の3分野を網羅しています。


ここで注意したいのは経済性指標です。

通常の投資で経済性指標と言えば、ROI(投資資本利益率)、ROE(株主資本利益率)、
ROA(総資産利益率)など財務的指標を想像すると思いますが、

SRIの場合の経済的指標は、少し異なります。

その会社が適切に利益をうみ出し、ステークホルダーの信頼をもとに持続的に
発展してゆくための仕組みや実績を問うものとなっています。


具体的には、コーポレートガバナンス(企業統治体制)の適否、リスクマネジメントの
仕組みと実績、行動規範やコンプライアンス条項の内容、顧客対応の仕組みと実績、
研究開発の有効性・効率性、会社の起こした不祥事(事件や事故)とそれへの対応
などです。

参考までに、日本では老舗格で最も権威のあるSRIインデックスと言われる
MS-SRI(モーニングスター・サステナビリティー・インデックス)の作成プロセスは
以下のとおりです。


≪作成の理念≫
・社会を構成する市民として社会創造の役割を担う。
・既存のSRIインデックスの選定基準は、主に倫理や社会的責任の面から
策定された基準であるが、MS-SRIでは、企業の能動的な姿勢、つまり
「創造」的な基準を重視する。


≪評価基準(クライテリア)≫
・ガバナンス/アカウンタビリティ
・マーケット(消費/顧客対応、調達先対応)
・雇用
・社会貢献
・環境


≪スクリーニング方法(評価方法)≫
・NPO法人パブリックリソースセンターがインデックスの評価基準に沿った
アンケートを作成して、上場公開企業約3,600社へ調査 を実施。
・調査結果に基づき300社に絞り込む。
・組入対象候補企業群の構築(当初200社目標)。
・定量的スクリーニング(SRI評点等)を加えて、最終的にSRIインデックス組入れ
銘柄を決定(150社)する。
・毎年、定期、不定期に銘柄を入れ替え、新たに選定した銘柄150社を投資家に周知する。



以上のようなプロセスで、SRI投資インデックスに組み入れられる会社が選定される
わけですが、東京海上は、海外の複数のインデックスから、選定されていますので、
やはり、損保業界の枠を超え、日本を代表する会社であることが、確認できますね。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

「日経4誌の損保関連ニュースをMBA的思考で斬る!」では、損保会社特集が終了したこととに伴い、今週から1週間分の業界ニュースをピックアップした「まるごと損保業界ニュース」をはじめました。
多忙を極めて新聞・雑誌等を読む時間のない方にオススメします。