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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「システム障害」 です
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東京海上日動の「システム障害」についてです。


東京海上日動は、4月10日、午前6時頃〜午前10時50分頃まで、システムトラブルにより、
同社ホームページの以下サービスが利用できない状態となっていました。


<利用できなかったサービス>
・代理店の紹介
・海外旅行保険インターネット契約サービス
(インターネット保険契約サービス実施代理店検索)
・自動車保険インターネット見積サービス
・資料請求
・401k資料請求
・ご相談・お問い合わせ
・メールサービス

金融機関のシステム障害では、「みずほ銀行」などの事例が記憶に新しいです。
東京海上日動が、軽度でもシステムトラブルを起こしたケースは、まれなのではないでしょうか。


しかしながら、多くのユーザーが報道などで知ることになるシステム障害は氷山の一角で、
実際には数えきれないほどの障害があちこちで発生しているというのが実態です。

多くのシステム障害は、「ギリギリのITリソースにしてサービス提供したい」という企業の
投資効率への思いと、「障害を避けるために十分なITリソースを投入すべき」という
ITベンダーの思い、この両者のせめぎ合いの結果から生まれるといわれています。



アメリカの調査会社の調査結果によると、日本企業の50%が、過去1年間にデータ損失
またはシステム・ダウン(もしくは両方)を経験したと答え、データ損失とシステム・ダウンの
主原因のひとつとしてハードウェア障害が55%にも達するとの調査結果を発表しています。


また、この調査は、システムの復旧やダウンタイムからのデータ復旧について完全な自信はないと
回答した企業は全体の89%に上ったと報告しています。


市販書によると、これらのシステム・ダウンの原因は以下の4区分されています。


1.ソフトウェアの不具合
2.性能・容量不足
3.設定・操作ミス
4.不慮の事故


システム障害が起きる具体的な理由としては、上記をより具体的に考えてみると、

○人為的ミス
○システムの構成設計ミス
○システムのサイジングのミス

の3つに分けることができるそうです。


/涌拇ミスとは・・・
最適なシステム設計、最適なシステムサイズであっても人為的な操作ミスや設定ミスなどで
システム障害は発生してしまいます。

人為的ミスを防止するには、2人で確認しながらオペレーションすることが望ましいとのこと。
しかしながら、多くの現場では緊急時や人的リソースの問題から難しいのが実情で、人が
オペレーションする以上、ミスはつきものなのでシステム的な防止策というのは難しい
といわれています。


▲轡好謄爐旅柔設計ミス・・・
システムの構成設計ミスはエンジニアとしては完全に対処することは困難なのではないでしょうか。

機器構成における根本的なミスはコンピュータ自身が異常であることを知らせてくれるので大丈夫
ですが、各種サーバやネットワーク機器、負荷分散方法、バックアップ方法、障害時の対応方法は
エンジニアの経験やノウハウに依存してしまうといいます。そのため、完全にミスを排除すること
は難しいというのが実態です。


システムのサイジングミスとは・・・
システムのサイジングは、サイジングをするエンジニアの経験やノウハウに依存しています。
適切なサイジングを行うには、同時接続数やCPUの使用率、ネットワークのスループット、
データベース・アクセスなど、システムにかかる負荷の平均値や最大値を適切に見積盛る必要が
あるようです。

しかしながら、負荷の最大値(ピーク)がシステムの適切なサイズになるが、障害リスクを
勘案してリスクヘッジするため、必要以上に大きなサイジングをしてしまう傾向がある。


大きすぎるサーバ、多すぎるサーバ数が提案され、提案価格が顧客の予算と合わない場合、
営業担当者がエンジニアに「もっと少ないサーバ数でサイジングできないか」と相談しても、
エンジニアの「安定稼働の保証できませんよ」という言葉に、何も言い返せなくなってしまうそうです。
もちろん、ベンダー努力によって顧客予算に見合ったサイジングの機器提案ができればいいのでしょうが。

多くの場合は顧客の予算に合わせるため、顧客と交渉してギリギリのサイジングをすることになります。
結果的にこのような顧客とベンダーの取引がシステム・サイジングのミスを誘発する結果となります。


上記3つの障害発生理由のうち、,鉢△蓮∨瓢澆垢觧伝箸澆呂覆い箸い錣譴討い泙后
他方、仕組みで防止できるのは、のサイジングミスです。


サイジングミスが発生する本質的理由は、潤沢な予算がある企業や、
予算について無頓着な企業では、システム障害はほとんど発生しません。

障害発生の可能性があるのは、IT投資を最小限にして効率的な投資をする企業です。
特に損害保険会社は、コンバインドレシオを下げるために、経費節減に努めていますので、
ITへの設備投資へのコストカットは相当なのではないでしょうか。

企業がITシステムを開発・構築する際に気にかけるポイントは、なるべく低予算で
システム構築を行い、ビジネスの目的を達成することです。

これは企業としては当たり前のことですが、実はITシステム投資では、投資効率の最大化は
簡単ではありません。

障害を避けたい場合、潤沢な予算でシステム構築をする必要があります。

しかし、潤沢な予算でシステム構築をすると無駄な投資が増えてしまう。
このトレードオフを解消しない限り、システム障害を根本的に防止することは難しいのです。


このトレードオフを解決して、最適な投資規模でビジネスの目的を達成するために、米国で
注目されているのが、パフォーマンス・マネジメントとキャパシティ・マネジメントです。


パフォーマンス・マネジメントとは、ビジネスの性能(ビジネス目標の達成具合や達成能力)と、
ITシステム全体の性能を統合してマネジメントすることです。

キャパシティ・マネジメントとは、パフォーマンス・マネジメントを支えるITリソース
(CPU、メモリ、ディスク容量など)のキャパシティ(容量)をマネジメントすることです。

ビジネス・パフォーマンスとITキャパシティをバランスよく両立させるマネジメントツール
を使えば、システム障害を防止することができるという理論です。

理論はわかりますが、それを実践するのが難しいのだと、わかっているけどできないジレンマ
と企業は戦う必要がります。

少し専門的なテーマとなってしまいましたが、システム社会においては、今後、
システムエラーを起こさない、品質管理が求められるのではないでしょうか。


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