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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上HDの「リスクベース経営」 です
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東京海上HDの「リスクベース経営」についてです。

http://ir.tokiomarinehd.com/ja/CorporateStrategy.html

東京海上HDは、「リスクベース経営」を標榜し、「収益の拡大」と「資本効率の向上」
という二つの大きな前輪後輪を回し始めています。


収益額の拡大と資本効率の向上について・・・次のように説明されています。

<収益額の拡大>
・各事業での持続的な収益成長を目指します。
・特に、グループの中核事業である国内損害保険事業において、コンバインドレシオの
改善を図ります。
・国内生命保険事業や海外保険事業においては、引き続き、持続的成長と収益拡大を図ります。
・また、グループ総合力、シナジー発揮による国内外での収益成長実現に向けた取り組みについても、引き続き、積極的に展開していきます。


<資本効率の向上>
・各事業の収益拡大や政策株式の削減継続等によって創出された資本・資金を成長分野
への再投資や株主還元に振り向けること等により、グループ全体の資本効率の向上
を図っていきます。
・同時に、前中期経営計画において、グループ経営の基本的な考え方として導入し、
発展させてきたリスクベース経営(ERM)を定着させ、「持続的収益成長」、「ROE向上」、
「財務の健全性確保」の3つを同時にバランスよく達成することを目指します。


東京海上は、上記のコンセプトをもとに、各事業会社にコンバインドレシオ改善に向けた経営戦略を策定させ、経営課題の潰し込みを徹底させているようです。この背景には、ERMという経営用語がバックボーンにあるのではないでしょうか。


「ERM」とは、全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)といいます。つまり、危機管理(リスクマネジメント)の手法のひとつで、企業の運営上起こり得るあらゆるリスクに対し、組織全体で管理しようとする体制のことをさしたりします。

また、別の観点で言うと、リスクを全社的視点で認識・評価し優先順位を明確にした上で、残存リスクの最小化を図るために、重要リスクに対する統制へリソースを優先的に配分し、継続的にリスク管理体制を強化していく一連のプロセスともいえます。


従来のリスクマネジメント手法では、リスクの種類に応じて個別の部署がリスク管理を
担当する形式が主流となっていました。

例えば財務に関するリスクがあるとすれば、そのリスク管理はもっぱら財務関連部署
のみ関与していたという風に。

これに対してERMでは、全社を挙げてリスクの把握や評価・管理を行う点に特徴が
あります。

経営者から従業員までを含めて総合的にリスクを評価することで、リスクの性質や
リスク間の関係をより正しく把握し、より最適な対処策をとることが可能になります。


経済のグローバル化や社会環境の急速な変化により、損保会社はさまざまなリスクに
さらされています。

契約者、代理店、株主などのステークホルダーに対する責任を果たし、持続的な成長を
遂げるため、全社的に適切なリスク管理を行う必要があります。


では、全社的なリスク管理とはどのようなことでしょうか。
この点について概要をご説明します。

まず、全社的リスク評価が重要です。

全社的リスク評価では、事業計画の達成を阻害する重要なビジネスリスクを、一定の
事業戦略を前提に組織全体の視点に立って、評価します。全社的リスクは、多岐多様
にわたるため、重要性と優先順位を見極める事が必要になります。


次に、全社的リスク評価を行うためには、第一段階として、プロジェクト計画の検討
を行います。計画段階での主な検討事項は以下の通りです。

○プロジェクト推進体制の検討
○スケジュールの検討
○プロジェクト目的の明確化


第二段階ではリスクの認識・評価を行います。リスクの認識・評価の手順は以下のような手順で実施します。


○リスクを認識する
○リスクの分類・分析を行う
○リスクの評価を行う


リスクの認識・評価で重要な点は、軽微なリスクが複数結合して重要なリスクを形成
している場合があるため、リスクの認識・分類・分析は慎重に行い、リスク認識の
網羅性を確保する必要があるというところです。


そして最後に、リスク管理態勢評価です。

リスク管理は、PDCAサイクルにもとづき、継続的に全社的なリスクマネジメントの
レベルを向上させていく仕組みともいえます。

リスク評価で対応が必要と判断されたリスクに対し、優先順位をつけたうえで計画の
作成(Plan)、対応の実施(Do)、モニタリング(Check)、問題点の改善(Action)を
行います。

計画作成のポイントはリスクが具現化した場合の影響の大きさや重要性を正確に
見極めたうえで優先順位を決定することです。

実施において、対応部署および責任者を明確にする事が重要となります。

これらを明確にすることで、日常の統制活動を円滑に行うことができます。

そして、モニタリングでは、統制活動が確実に行われていることをチェックします。
ここでは、リスクに対して統制活動が有効に機能しているか検討することが重要です。

問題点の改善では、問題点の質的・金額的重要性を十分に検討し優先順位をつけて
対応します。


東京海上HDは、自社のグループ企業一社ずつ、上記のプロセスから、課題を抽出した上で、「収益額の拡大」と「資本効率の向上」に資する戦略や戦術を策定し、それらをPDCAサイクルで回しているのではないでしょうか。


とても理路整然としており、グループ経営の在り方についてとても参考になります。
また、ERMについては、以下URLで参考になる資料がありましたのご紹介します。
何かの気づきがあれば幸いです。
http://www.fsa.go.jp/frtc/kenkyu/ousyuu/16.pdf#search='%EF%BC%A5%EF%BC%B2%EF%BC%AD%E3%81%A8%E3%81%AF'

http://www.sjnk-rm.co.jp/publications/pdf/r10.pdf#search='%EF%BC%A5%EF%BC%B2%EF%BC%AD%E3%81%A8%E3%81%AF'


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