■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
「日経4誌の損保関連ニュースをMBA的思考で斬る!」(サンプル)
「東京海上」解体新書 (サンプル)

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

__________________________
  今日のテーマは 東京海上日動の「東京海上メザニン」 です
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

東京海上日動の「東京海上メザニン」についてです。


東京海上日動は、メザニン投資を専門に行う「東京海上メザニン」を100%子会社として
新設しました。

東京海上メザニンは、年金基金等の国内機関投資家から資金を募り、国内企業を投資対象
としたメザニンファンドの組成を開始するようです。また、東京海上日動は本メザニン
ファンドに100 億円の出資を行う予定です。


このような取り組みの背景には、東京海上日動は、国内でバイアウトファンドが投資活動
を開始した1990 年代後半よりメザニンを中心とした買収ファイナンスを供給しており、
メザニン投資のパイオニアとしての実績・評価を確立してきたことがあるようです。

これまでに、国内最古参のメザニン投資家として多数のメザニン案件に投資を実行し、
良好な投資パフォーマンスを残しているとのことです。

東京海上メザニンは、東京海上日動でメザニン投融資業務に従事していた社員にて運営し、
東京海上日動で培った投資哲学や戦略、ネットワークを継承するようです。


さて、「メザニン」というキーワードは耳慣れないものですが、金融の世界では、よく知られた
企業の資金調達手段の一つです。


メザニンファイナンスとは、ローンや普通社債等による「デットファイナンス」と、株式等
による「エクイティファイナンス」の中間に位置するファイナンス手法をさします。

その種類には、劣後ローンやハイブリッド証券(劣後債、永久債、優先出資証券、優先株等)
などがありますが、従来より金融機関が取り組んできたシニアファイナンスより投資リスクが
高い資金となっています。


一般に企業にとっては、デットとエクイティの双方の特色を活かした多様な資金調達が可能
となる一方で、投資家にとっては、比較的信用力が高い企業への投資においても、通常の社債
投資よりも高いリターンが見込まれるといったメリットがあるようです。

また、リスク度合いから見た場合、社債投資がローリスク・ローリターン、株式投資が
ハイリスク・ハイリターンなのに対して、メザニン投資はミドルリスク・ミドルリターンという
ことが特徴です。

現在、メザニンファイナンスは、米国など幅広い投資家層を抱えるマーケットにおいて
多様な資金供給手段(資金調達手段)の一つとして重要な役割を果た、メザニンファイナンス
を専門とする投資銀行やメザニン投資を専門とするファンドなどが多数存在しています。


つまり、東京海上日動は、日本においてそのパイオニアということです。


<メザニンファイナンスの主なメリット>

 ・既存株主の議決権希薄化を回避
 ・経済的利益における普通株主の希薄化を回避・軽減
 ・シニアローン等では対応困難なリスクマネーを供給
 ・償還スケジュールを相当程度弾力的かつ柔軟に設定可能



日本の産業金融では、銀行融資、社債(ローリスク、ローリターン)と出資(ハイリスク、
ハイリターン)が主要な資金調達手段となっています。

一方、欧米諸国では、劣後ローン、劣後債、優先株式等のいわゆるメザニン・ファイナンス
(ミドルリスク、ミドルリターン)が普及しています。


また、プロジェクトや企業のリスク・リターン特性に応じた多様な資金調達手法が発達しています。

日本においても、メザニン・ファイナンスの層を厚くすることで、資金調達手法の多様化を
進める必要があるといわれています。

具体的には、メザニン・ファイナンスを普及させることは、「新規の資金供給」と「既存の
供給資金の転換」の両面からリスクマネー供給の拡大に寄与するそうです。

「新規の資金供給」の面では、「融資で調達するにはリスクが高いが、出資を募るには
リターンが低い」といったミドルリスク、ミドルリターンの新規事業や新規設備投資に
対する資金供給が円滑になる点が挙げられます。


「既存の供給資金の転換」の面では、事業再生に取り組む企業に対して、既存の銀行融資や
社債を一時的に劣後ローン・劣後債や優先株式にリファイナンスし、通常の融資より資本性の
高い資金で企業の再生を中長期的に支えることが可能になるという点です。


金融機関(銀行、機関投資家等)にとっても、メザニン・ファイナンスの普及によって
ミドルリターンの投資商品が増加することは、金融機関の収益性の向上や投資機会の対象拡大
に資するという意義があります。

メザニンファイナンスに関して、三菱総研がまとめたレポートがありますので、興味がある方は
ご一読ください。

http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2013fy/E002426.pdf


それにしても東京海上日動は、他の損保会社が行わないことを、地道に行う会社なのですね。
頭が下がります。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

「日経4誌の損保関連ニュースをMBA的思考で斬る!」では、損保会社特集が終了したこととに伴い、今週から1週間分の業界ニュースをピックアップした「まるごと損保業界ニュース」をはじめました。
多忙を極めて新聞・雑誌等を読む時間のない方にオススメします。