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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上グループの国内生保事業の再編 です
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東京海上グループの国内生保事業の再編についてです。


東京海上日動あんしん生命と東京海上日動フィナンシャル生命が合併します。

東京海上HDは、関係当局の認可を前提に、東京海上日動あんしん生命と東京海上
日動フィナンシャルについて、2014 年10 月1 日を予定として合併することを取締役会
で決議しました。

この合併の効果としては、あんしん生命とフィナンシャル生命がこれまで培ってきた強みや
ノウハウを1 社に結集し、「お客様本位の生命保険事業」をより一層推進し、経営の
効率化や保有契約の万全な管理、財務の健全性の維持により、国内生保事業の持続的
な成長を目指すというものです。


たしかに、メットライフアリコ生命は、一つの会社で、生命保険(死亡保険、医療保険)と
変額年金という金融商品を販売しています。営業部隊は、銀行窓販部隊、通販部隊、
代理店営業部隊と複数に分けていますが、この事業を管理する本社部門は、ひとつですから、
間接コストは抑えられるのだと思います。


したがって、あんしん生命とフィナンシャル生命の合併も、一義的には、間接コストが抑えられる
ため、より高い収益性が実現できるものではないでしょうか。


この、収益性は、「事業の経済性分析」という観点で、学術的に整理されています。


事業の運営において経済性の分析は欠かせません。
そして事業の経済性を高めるものとして、主に範囲の経済性、規模の経済性、密度の経済性の
3つがあります。


これらの3つの経済性については、その効果を発揮できる前提条件があります。


1.共有コスト(範囲または規模または密度が増えてもあまり変化しない費目)がある。

2.その共有コストが原価の中に占める割合が大きい。

3.コスト共有効果や売上増を帳消しにする追加コストが発生しない。

これらの条件を満たす場合に、これらの経済性が効くという表現をします。



範囲の経済性とは、企業が複数の事業を展開することにより、より経済的に事業運営
をしていくことが可能になることをいいます。複数の事業で企業の経営資源を共有化
することにより、経済性を高める効果がある状態のことを「範囲の経済が効く」と表現します。
(あんしん生命とフィナンシャルの合併はこの点でメリットがあります)


しかし、経営資源の共有化によるメリットよりも、複数事業を持つことのデメリットには
注意が必要になります。例えば、核となる事業とは全く異なる分野に事業を展開した場合、
長期的にマイナスになるケースもあります。そのため、最近では「選択と集中」の名のもと、
かつてコングロマリットとして名を馳せた企業も事業再編で足かせとなる事業を売却する傾向
にあるようです。


つぎに、規模の経済性とは、事業規模の大きさによって低コストを実現することにより、
経済的に事業運営することが可能になることをいいます。

コストは、商品の生産量には関係ない固定費と、生産量に比例する変動費に分けられます。
商品の生産量が増えれば、単位商品当たりの変動費はあまり変化しませんが、単位商品
当たりの固定費を下げることができます。

つまり、生産量を増やす(規模を大きくする)ことによって低コストを実現することができるよう
になるわけです。


また、生産規模が大きくなれば変動費にも規模の経済性が働くことがあります。
生産量が増えれば、原料の仕入れ先にも規模の経済性が働き、原料の仕入原価が下がるため、
自社のコストを削減することができます。保険会社の場合、商品パンフレットや約款などの印刷物
が該当するかもしれません。


一般的に製品あたり、あるいは事業ユニットあたりの共通コストが個別コストに比べて大きい事業
には規模の経済性が働きますが、その逆だと全く規模の経済性が働かないないどころか逆に規模が
大きくなってコスト高になる場合もあります。


最後に、密度の経済性とは、ある一定エリアに集中して事業を展開することで生じる経済効果
のことです。

密度の経済性を生かしている代表例がコンビニ事業です。
コンビニはある一定エリアの中に集中的に店を出店することで物流コストや広告宣伝のコストの
共有化を図ることができます。したがって、日本のコンビニチェーンの中を見ると、ある特定地域
だけシェアが高いというチェーンを多数見ることができます。

こうした経済性の特徴があるため、日本一のコンビニチェーンであるセブンイレブンは、出店している
エリアには多数の店舗がある一方で、まだ進出していないエリアも多数あるというわけです。


東京海上グループは、この3つの経済性をうまく機能させることで、国内生保事業で、最大限の
利益創出を企図しているのではないでしょうか。

また、ライバル会社であるMS&AD傘下の三井住友海上あいおい生命と三井住友海上プライマ
リー生命の合併もあるのでしょうか。今後の動向に注目したいと思います。


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