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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の配当政策 です
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東京海上の配当政策についてです。

東京海上グループの取締役会において、第12 期(平成25 年4 月1 日
から平成26 年3 月31 日まで)の中間配当金は、1株につき30 円で
決定しました。これは昨年度の27.5円から2.5円増配となっています。


「配当政策」とは、配当金を株主に還元する方針と定められています。

配当政策で重要なポイントとしては、必ずしも配当が多いほど株主のためになる
とは限らないという点です。

企業の総価値から負債を引いたものが株主の持ち分だという前提に立てば、
配当として支払われずに企業に残る内部留保もまた株主のものです。配当として
直ちに現金を株主に還元するのがいいのか、内部留保として将来の投資に回し、
株価を上げることを狙うのがいいのかは、簡単に判断できるものではありません。


実際に、優良企業であっても、創業期に無配の企業は少なくありません。

たとえば、ソフトウエアメーカーのマイクロソフト社は1975年の創業以来、2003年
まで一貫して無配当政策を維持していました。この間、同社はコンピュータ市場の
発達にも支えられ目覚ましい成長を遂げ、投資機会にも恵まれました。

同社の株価は事業の成長に伴って急上昇し、キャピタル・ゲインだけで株主を満足
させるに十分であったという見方ができます。アップル社も株価上昇を理由に、配当を
最近まで実施していませんでした。


完全市場(税金がなく、また、市場参加者が瞬時に同じ情報を共有し、ノーコスト
で自由に資金を移動でき、市場の不均衡が瞬時に解消されるという理想的な市場)
のもとでは、株主にいくら配当するかという配当政策は、株主にとっての企業価値、
すなわち株価に影響を与えないことが証明されています。

これを、この理論の提唱者であるF・モジリアニとM・ミラーの頭文字をとって「MM理論」
といい、MBAのファイナンス理論では、必ず学ぶものです。


しかし、実際の世界では、税金や諸コストの存在、あるいはシグナリング効果などから、
配当政策は株価に影響を与えます。したがって、経営者はこれらの問題を総合的に
考慮した上で配当政策を決定する必要があるとされています。


なお、当期利益のうち、配当の支払いに当てられた比率を配当性向といっています。
毎年の配当性向をほぼ一定のレンジに収めるようにしている企業も少なくなく、
東京海上HDも40〜50%の範囲で配当性向を収めているという事実があります。



東京海上の場合、同社配当方針(※)に基づき、2008年度のリーマンショック
による大幅減益のときでも、配当金は前年据え置きとするなど、これまで一貫して
減配することなく、配当金額を引き上げています。


(※)配当方針
安定的な利益還元を基本方針とし、平均的な修正利益(除くEV)に
対する配当性向を40〜50%を目処に配当を実施。


配当金の推移は次のとおりです。

2007年度48円
2008年度48円
2009年度50円
2010年度50円
2011年度50円
2012年度55円
2013年度60円


過去の配当利回り(%)は以下のとおりです。

2007年度 1.30
2008年度 2.00
2009年度 1.90
2010年度 2.25
2011年度 2.20
2012年度 2.08


損保会社は、東京海上のように、配当性向を40〜50%を確保していますが、
東京海上より収益性が劣るにもかかわらず、東京海上対抗として、同水準の
配当を実施しているのは、無理があるかもしれません。
本来、配当に回さずに、事業投資に利用する選択肢もあるわけですが、
個人投資家などの離反を回避するためには、同業他社を横にらみした政策が
必要です。


経営者の意思が色濃く反映しているのが配当政策ですので、MS&ADや
NKSJの配当政策も比較しながら、今後の損保経営の動向をウォッチする
のも一興かもしれません。



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