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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「商品開発力」です
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東京海上日動の「商品開発力」についてです。


東京海上日動は、自動車保険のTAP(人身傷害、等級プロテクト)、超保険、
ちょいのり保険など、画期的な新商品をリリースしてきました。

超保険やちょういのり保険は、商品インフラに莫大な投資がかかるため、他社
は追随できていませんが、常に他社よりも先を行っています。


これは東京海上日動の企画力やアイディア力などが原動力になっていると思わ
れます。


今回は、このアイディア力について説明します。


アイディア力を評価する際の基本コンセプトは、
「顧客ニーズへの柔軟な対応がなされているか」です。

アイディア力を評価する機能を分解すると、『検討プロセス』『部門連携』
『情報活用』『知恵・ノウハウの蓄積・活用』という4つのマネジメントの仕組み
が確立できているかです。


それぞれの評価内容について説明します。



『検討プロセス』:

顧客ニーズへの柔軟な対応を最も具体化したものが商品づくりです。
顧客ニーズを活かし開発、そしてコンセプト化→商品化→市場導入→ヒット商品化
orロングセラー化など検討プロセスが重要です。

事業の立ち上げ段階では、個人の力量に頼った開発が行われることが多いようですが、
事業の成長とともに、個人の開発力でなく組織としての開発力を育成することが求
められます。その第一歩が、検討プロセスを明確に決めることです。

しかし、プロセスが曖昧で、プロセス毎のGo,Stopが曖昧なまま検討されるケースが
よくあるといわれています。

開発テーマ検討段階から市場参入後の検証段階まで、商品づくりに限定せず、
マーケットへの浸透を想定したプロセスを描き、プロセス毎で検討すべき内容や
タイミングを決めておくことが重要です。また、検討プロセス毎に事前に準備
すべき情報(インプット)と結論(アウトプット)、どういう基準で判断するのかを
明確にしておくことも必要です。

また、検討プロセスが望ましい形で進んでいるか検証する評価指標を決めておくこと
により、顧客や代理店ニーズへの柔軟な対応がどの程度図られているかを確認できます。



『部門連携』:

商品づくりの検討プロセスが明確になっても、一部の部門だけで検討され、複数部門
が関わっていても部門間の意思疎通ができていないと組織としてのアイデア力は
高まりません。

市場情報が関係部門間で共有されていない、関連部門間のキャッチボールがうまく
できていないなど、部門連携に関わる問題には事欠きません。そのような状況を
打破するため行うべきことは、検討プロセスを機能させるため、部門連携の目的・
目標・成果を明確にし、各部門 の認識を一致させることです。

その上で、各部門の役割、責任を明確にする必要があります。
さらに、部門毎の役割、責任を発揮させるには、十分な権限、裁量を与えることです。
このような点を曖昧にしておくと「論じて決せず」検討になってしまいます。

以上の点を組織的なルールとして設定すると同時に、実践レベルを検証することです。
部門により実践度がばらついていないか、その場合、どこに要因があるのかをモニタ
リングしながら、習慣化するレベルまで昇華できると、その組織は強くなるといわれ
ています。そのためにも、経営陣の関わりが重要なサポートになります。


『情報活用』:

組織的にアイデア力を強化するため、どのような情報を集め、どう活用すればよいか。
顧客ニーズに柔軟に対応するため部門連携により検討プロセスを明確にし、良い成果
をだすため、関係者のアイデア発想に拡がりをもたせる刺激を与える場づくりが必要
です。

例えば、商品研究、料率検証、企画、営業といった部門スタッフが集まって検討を
行うベースとなる情報がそれぞれの部門の日々の仕事からの発想に偏っていては
いいアイデアは浮かびません。

やはり、自社の顧客と直接接点を持つことにより、発想を拡げることが必要です。
企業によっては、「全ての役員・従業員は月の時間の15%−20%は直接顧客と接点
を持つこと」など顧客との接点活動を義務づけている会社もあるようです。


ですが、保険業界のように、競争の激しい市場で勝ち残っていくためには、自社の
顧客との接点だけでは完全ではありません。

競合他社や自社に関わりのない顧客に近いところでビジネスをしている代理店との
接点を持つ、関係性を強めることも重要です。

また、官公庁、他業界や大学、調査機関など外部機関との接触もアイデア発想の
拡がりをもたせる上で、色々な刺激を得られると思います。


このような活動を通じ得られた情報が個人レベルの活用に終わっているようでは、
『?』です。ヒット商品づくりプロセスの中で活用されるよう 制度化することが
重要だといわれています。それにより、はじめて、組織としてのアイデア力向上
が図られるそうです。



『知恵・ノウハウの蓄積・活用』:

アイデア力向上の最後の要素は、色々な取組みを通じ経験した事例を活用しやすい
ように残すことです。顧客ニーズに柔軟対応するため検討プロセスで得られた教訓
をデータベースにしてもそれが活かされなければ宝の持ち腐れです。

また、教訓が単なる報告書となっているのでは、役に立ちません。
なぜ上手くいったのか(いかなかったのか)、を他の人が見て利用できるように
まとめておかないと組織として『知識化』にはなりません。多くの取組み事例をみると、
結果と対策だけが書かれ、どういう経過でどのようなアクションを取った(取らなかった)
のかが欠落しています。

そのため、なぜこのような結果になったのかの(原因)を推測できず、本来、
どういうアクションを取るべきかを検討できないのです。

その後のヒット商品づくりのプロセスや部門連携での活用しやすさを考え、
テーマや事象等により検索しやすく分類管理することも重要です。



以上、アイディア力を強化し、またそれを企画、商品化に移す「ヒットの構造」に
ついて説明しましたが、これと似たようなプロセスや機能を持ち合わせているのが
東京海上日動なのではないでしょうか。

今後、どのような新商品が開発されるか楽しみです。


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