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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「失敗」です
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東京海上日動の「失敗」についてです。


東京海上日動では、保険料控除証明書および年末調整資料で、一部の契約者の控除
対象保険料の記載が誤っていることが判明しました。
誤りの内容は次のとおりです。


<超保険>
地震保険を中途付帯した超保険(新総合保険)において、平成22年11月から平成24年11月
までに発行した「超保険 地震保険証券 兼 新総合保険変更手続き完了のお知らせ」に
添付の「地震保険料控除証明書」に記載されている控除対象保険料が誤っていた。
対象契約件数は2,068件。



<介護費用保険>
介護費用保険の団体扱契約のうち、保険料払込方法が月払かつ保険料払込期間の最終
年度最終回目の保険料請求月が、平成20年10月-11月、平成21年10月-11月、平成22年
10月-11月、平成23年10月-11月、平成24年10月-11月のいずれかに該当する契約の
一部において、「生命保険料控除証明書」もしくは「年末調整資料」に記載されている
控除対象保険料が誤っていた。対象契約件数は345件。


保険料控除証明書は、契約者の確定申告に使用するものなので誤りは絶対許されない
ものだと思われますが、なぜこのようなミスが起きたのでしょうか。



企業品質が売りの東京海上日動社において、このようなミスは致命的な問題となり
かねません。商品パンフレットなどの誤植とはわけがちがうので、ミスの根源を
しっかり追究する必要があります。追究するにあたり、「失敗学」が参考になります
ので、ご紹介します。


失敗学 とは、「起こってしまった失敗に対し、責任追及のみに終始せず、(物理的・
個人的な) 直接原因と (背景的・組織的な) 根幹原因を究明」する学問のことです。


失敗に学び、同じ愚を繰り返さないようにするにはどうすればいいかを考える。
さらに、こうして得られた知識を社会に広め、ほかでも似たような失敗を起こさない
ように考える。


つまり、以下の3点が失敗学の核となるといわれています。


○原因究明 (CA: Cause Analysis)

○失敗防止 (FP: Failure Prevention)

○知識配布 (KD: Knowledge Distribution)


失敗学は安全工学などとも関係しますが、経営学などを網羅的に含んだ概念でもあります。

提唱者は『失敗学のすすめ』の著者・畑村洋太郎さんですので、同著を是非読んでもらい
たいです。


『失敗学のすすめ』では、失敗の種類は大きく3つに分けています。

1.織り込み済みの失敗 →ある程度の損害やデメリットは承知の上での失敗


2.結果としての失敗  →果敢なトライアルの結果としての失敗


3.回避可能であった失敗→ヒューマンエラーでの失敗



上記1と2の失敗は、「失敗は成功の元」となり得る失敗です。
また、この2つの失敗については、状況・結果などがある程度予測できたり、経験からくる
的確な判断で対処したりすることができます。


他方、上記3の失敗は、失敗からさらなる悪循環が生まれる失敗です。
予想しておけば回避可能であったにも関わらず、予想をしていなかったために
パニックに陥り、ますます、状況を悪くしてしまうものです。


東京海上日動の保険料控除証明書および年末調整資料における誤植の発生原因について
言及はありませんでしたが、多分、印字プログラムのミスなのではないでしょうか。


まずは売れ筋商品である「超保険」のミスが発覚し、他にも同様のミスがないかを確認
したところ、介護費用保険というニッチな商品にも不備が見つかったという流れでは
ないでしょうか。


印字プログラムの設計時、担当者による入念なクロスチェックやトリプルチェック。
はたまたミスが発生しない仕組みつくりに注力していれば、このようなミスは回避可能
だったのではないでしょうか。

今回のミスは糧に、各種プログラムを今一度見直すことも重要です。


また、他の保険会社も対岸の火事とせず、ミスが起きない態勢つくりに努める必要が
あるのではないでしょうか。特に、SJNK社やMS&ADの中核損保社は、合併や
統合(再編)が控えていますので、ミスが起こりやすい環境下にあるのでなお更です。


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