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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の「IR活動」です
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東京海上の「IR活動」についてです。


先日、損害保険会社各社の2012年度第三四半期決算が発表されました。
異常危険準備金の取り崩し、そして株価高などを主因として、各社とも利益を
確保した形になりました。

利益額ではMS&ADが一番でしたが、年度末決算ではどうなるでしょうか。
1200億円の修正利益を見込んでいる東京海上HDが質量ともに一番になると
推測されます。


さて、東京海上HDは四半期決算ごとに、決算IR電話会議や半期開催のIR説明会、
自社主催の個人投資家説明会などのIRイベントを実施しています。


(2012年度第三四半期の電話会議資料はこちら)
http://ir.tokiomarinehd.com/ja/IRPresentation/index/IndexContent/05/IndexContent/IndexLink/pdf1/Overview%20of%203Q%20FY2012%20Results.pdf



他の損保、また金融機関でここまで投資家を意識した行動をとっている会社は
珍しいと思われます。

損保会社毎の個人投資家比率を確認したことはないのですが、ここまで情報量
優れているのであれば、他社比で個人投資家比率は高いものと推察されます。

個人投資家は機関投資家と違って、比較的、長期に安定したステイクホルダー
ですので、他損保比で、相対的に株価の安定が望めるのではないでしょうか。


そもそもIRとは、企業が資本市場に対し、投資判断に必要な企業にかかわる情報
を自発的に提供する活動のことをいいます。またIR活動には、社外への視点と
社内への視点からそれぞれ目的があげられます。


○社外に対しては・・・

適切な企業情報を開示することにより、投資家の理解を促し、適正な企業評価
に近づけ、企業価値の向上に貢献することが目的といわれています。


○社内に対しては・・・

IR活動を実施し、社外のアナリストや機関投資家を含めたステークホルダーの
意見を聞き、そうした外部の視点や意見を社内にフィードバックすることで、
経営に役立て企業価値を向上させるための取組みを行うことも目的といわれて
います。


なお、基本的にIR活動の目的は、株価をつりあげることではないという考えも
あります。企業の等身大の姿を社外へ伝え、適正に評価されることが企業価値
向上に繋がると考えるのがベースにあります。

(したがって、企業価値が向上することにより、その結果として株価があがる
 ことは考えられます)


またIR活動を実施することで、企業価値が正しく評価され、その結果として株価
が決まり、資源の最適配分できることも期待できますし、企業に対して次の効果
をもたらすことがあるとも言われています。


〃弍張肇奪彈らが事業戦略・経営目標を示すことで、株主や投資家の信頼を
 高めることが期待できる。


▲優ティブな情報であっても投資判断に必要であればリスク情報として開示する、
 また業績の良し悪しに関わらず継続的に情報を開示することにより市場の信頼獲得
 に繋がる。


3主・投資家の意見を可能な範囲で経営に反映させることで、経営が独善的に
 なることを防ぐことできる。


ご覿箸過大・過小に評価されることが少なくなる。つまり、IR活動により、社外
 とのコミュニケーションを通して、市場での安定した評価を確立することが期待
 できる。


とはいうものの、一般的には、現在のIR活動には課題・問題点があるとされていますが
実は東京海上の場合、次に挙げる課題がほとんど解決できているという状況です。


○企業の視点で見た問題点

 ・個人投資家向けIR活動の充実
 ・財務情報に表れにくい企業価値の説明
 ・ウェブサイトによる開示の充実


○個人投資家の視点でみた問題点

 ・形式的な情報開示が多い
 ・リスク情報の開示が不十分
 ・情報開示のタイミングが遅い


東京海上に唯一求められそうなのは「財務情報に表れにくい企業価値の説明」でしょうか。


損保はリスクをとって、保険料を稼ぐ。その歩留まりが保険引受利益を生み、また、
その保険料の運用によって、運用益を発生させます。ただ、これらの利益を生み出すのは
組織のあり方や社員力、そして商品力など多岐にわたりますが、これらが他社比でどの程度
優れているのかを定性・定量的に明示していくことが暗黙値化された企業価値の説明に
つながるのではないでしょうか。

今後の展開に期待したいと思います。



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