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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上グループの「中国戦略」です
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東京海上グループの「中国戦略」についてです。


東京海上ホールディングスは、東京海上日動を通じて、中国の保険グループ最大手
の中国人民保険集団控股有限公司(PICC)へ約40億円出資することを決定しました。


また同社はPICCの戦略パートナーとして業務提携を行い、今後、中国現地法人である
東京海上日動火災保険(中国)有限公司が展開する支店網に加え、PICC傘下の損保の
営業拠点・ネットワークを活用し、中国全土においてより充実したサービスを提供
するようです。

(詳細はこちら)
http://ir.tokiomarinehd.com/ja/Topics/Topics7446339394082387863/TopLink/TopLinkDocument/20121126.pdf


中国市場への進出といえば、損害保険ジャパンや三井住友海上も活発な動きを見せて
いますが、実は、中国保険市場に先鞭をつけたのは東京海上でした。

2005年、東京海上は、中国保険監督管理委員会から正式認可を取得し、中国損保市場で
収入保険料第5位の大手損害保険会社である「天安保険股份有限公司」に単独で24.9%
の出資をしたと同時に役員を派遣し、戦略パートナーとして同社の経営にも参画したという
歴史があります。

http://ir.tokiomarinehd.com/ja/Topics/Topics2880935066832283671/TopLink/RedirectFile/051209.pdf


これは日本の損害保険会社として、中国の保険会社に出資した初めてのケースでしたが、
その後、各損保が様々な形で中国市場に進出し、中国市場における躍進の足場を固めて
きましたが、ここにきて、東京海上も一歩抜きん出た行動に出ました。


最近、新聞記事における扱いなど、中国保険市場における投資行動については、やや
トーンダウンしているような感じもしてきましたが、なぜ、中国市場は常に保険会社に
とって、戦略的マーケットとして扱われているのでしょうか。


いわずもがな、中国経済は1992 年の市場経済導入以降20 年間で平均年率10.5%の高い
実質成長率を達成し2、2010年にはGDP で日本を追い抜き世界第2 位になりました。


IMF の世界経済見通しによると、中国の2011 年の実質成長率は9.2%であり、2012 年は
8.2%、2013 年は8.8%と今後も高い成長率が予測されています。


GDP成長率と同様に、中国の保険市場も成長を続けています。2010 年には保険料規模で
世界第6 位、損害保険料規模で世界第7位となりました。中国をはじめとする新興国の
保険料は今後も増加を続けるとみられており、中国は10年後には米国に次ぐ世界第2 位
の保険市場になるといわれているのも事実です。


また、中国の損害保険市場は高い経済成長に伴い拡大を続け、2010 年に保険料規模で
世界第7 位となり、2011 年の元受収入保険料は前年比18.7%増の4,779 億元(約5 兆
8,300 億円1)に達しました。特に、自動車保険が中心的な種目となっており、元受収入
保険料の74.6%を占めています(2010 年実績)。


なお、中国に進出する外資損害保険会社の元受収入保険料は、市場の拡大に伴い増加を
続けているものの、マーケットシェアは1.1%と低水準で推移しています。

東京海上はじめ、外資の損保会社は、主に外資系企業に対して企業財産保険、貨物保険
といった企業分野商品を中心に保険販売を行っているため、元受収入保険料に占める
自動車保険の割合は9.7%と低いことから、中国保険市場での伸びシロがまだまだ存在
するという認識を持っているはずです。


中国の自動車保険は日本と同様に強制保険と任意保険から構成されています。


従来、外資損害保険会社に認められていなかった強制保険の販売が、2012年5 月に開放
されることとなりました。この強制保険の開放は外資損保会社にとっては大変意義深い
ものであり、これを機に自動車保険に参入するとの声が多く聞かれる一方で、強制保険
の開放による中国系保険会社への影響は限定的との見方も多いのが現状です。


また、任意保険においては約款・保険料の自由化の動きがみられており、むしろこの動き
の方が外資損保会社にとって注目されているようです。


日本では規制緩和後にリスク細分型通販型自動車保険で外資損保が業績を伸ばしたように、
中国保険市場においても、任意保険の自由化が高い保険技術を持つ外資損保に活躍の機会
をもたらすのではないかと考えられています。


だから、「歴史は繰り返す」という定説のもと、各損保会社が中国市場にこぞって参入して
いるわけですが、東京海上の大網をかけるような戦略・手法は、ガリバー東京海上ならではの
やり方ですね。


以上、東京海上の中国戦略を踏まえて中国市場の展望について触れてみましたが、ネット上
に散在している中国保険市場に関する研究論文を集めてみました。シンクタンクの研究結果
や大学院の研究生の研究論文などリソースは多様ですが、中国市場について勉強するうえで
申し分ない資料だと思いますので、ご参考まで、ぜひご一読してみてはいかがでしょうか。



「中国保険業の対外開放の現状、 問題点および政策提案」
http://www.nomurafoundation.or.jp/data/CCMR-3-2_SU2009_06.pdf


「中国保険市場のさらなる開放の方向と戦略」
http://www.nomurafoundation.or.jp/data/CCMR-3-4_WIN2010_06.pdf


「中国の金融体制改革と保険会社」
http://www.jili.or.jp/research/search/pdf/C_116_4.pdf


「中国保険業における対外開放政策の展開 - アジア政経学会」
http://www.jaas.or.jp/pdf/56-12/56.pdf

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