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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上グループの「新中期経営計画」です
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東京海上グループの「新中期経営計画」についてです。


東京海上グループは、昨今の不透明かつ変化が著しい事業環境においても
「お客様に品質で選ばれ、成長し続けるグローバル保険グループ」を経営の
ビジョンとして掲げ、2012年度からの3ヵ年の新中期経営計画「変革と実行2014」
をスタートさせました。


詳細はこちらです。


http://ir.tokiomarinehd.com/ja/AnnualReports/IRFilingDataDownPar/0/IRFilingDownPar/016/PDFile/AR12_J_TopMessage(P9-30).pdf


とてもよくまとまっており、さらにロジカルな展開で、流れるように読み込めます。
ただ、実際のところ、実現性があるかないかは定かではありませんが・・・。



新中期経営計画「変革と実行2014」の全体像としては次のような感じです。


★収益額の拡大
 ●国内損害保険事業のコンバインドレシオの改善
 ●国内生命保険事業や海外保険事業の持続的成長
 ●新規事業投資による新たな成長機会の確保


★資本効率の向上
 ●政策株式リスク削減の継続
 ●資本効率の高い事業への投資
 ●グローバルなリスク分散効果の向上
 ●配当や機動的な自己株式取得による適正資本水準への調整

★中長期ビジョン
  お客様に品質で選ばれ、成長し続ける「グローバル保険グループ」



「収益額の拡大」については、グループの中核事業である国内損害保険事業において、
商品・料率の改定や事業費率の改善を通じて収益性を改善するとともに、顧客に優れた
品質の商品・サービスを提供することで業界ナンバーワンの成長を目指すというものです。


「資本効率の向上」については、グループ全体のリスクに占める割合が大きい政策株式
の削減を継続取り組みする。また、政策株式の売却を通じて創出された資金・資本を
再活用し、資本効率が高く、リスクの分散効果が高い事業への投資や株主還元を進めて
いくというものです。


そして、上記の取り組みをグループ全体として好循環させることで、グループの企業価値
を一層向上させ、成長し続ける「グローバル保険グループ」を目指すという論理展開に
なっています。


このようなロジカルな経営戦略はリーディングカンパニーならではないでしょうか。


これは、フィリップ・コトラー氏が提唱した「競争地位戦略(Competitive Positions)」の
「リーダー」に該当するように思われます。競争地位戦略とは、1980年に同氏が提唱した
競争戦略の理論で、量的経営資源と質的経営資源から企業を4つに類型化し、業界内での
ポジションに応じて企業が取るべき戦略目標を提示したものです。


詳しくは次のとおりです。


●リーダー(Leader)
 
リーダーは、業界内のマーケットシェアトップの企業で、業界を牽引する主導的立場
にある企業をさします。潤沢な資本、優れた製品開発力、強力な流通体系によって
業界の他社を凌駕する。

リーダーの取るべき戦略は、市場全体の規模を拡大させることにある。市場シェアが
最も高いリーダーは、市場規模拡大の恩恵を最も大きく受けるため、市場が拡大すれば
するほど高い利益を得ることができるというもの。
 
よって、トップシェアを維持することと、市場全体をカバーするフルライン戦略に
よって周辺需要を拡大させることが戦略目標となる。また、同質化対応、非価格対応
などの施策も行われる。

同質化対応とは、他社が優れた技術や製品を開発し展開した場合に、すぐさま同様の
技術や製品を展開することで、業界シェアや利益を奪われないようにする戦略。
販売力、ブランド力、技術生産力の優位性により、下位企業に負ける事は滅多にない。

非価格対応とは、業界全体の利益が低下しないように、価格競争をしないこと。価格
競争が起こると業界全体の収益が縮小してしまい、最も利益が縮小するのはリーダー
となるので、他社からの値下げやチャネルの圧力に対抗する為にも、ブランディング、
付加価値作り、新製品投入など価格以外の競争点を作る必要があるというものです。


上記は教科書の内容の抜粋ですが、正しく東京海上グループの戦略を表現した内容に
なっているように感じられます。ほか3つについても以下のとおりご紹介します。



●チャレンジャー(Challenger)
 
チャレンジャーは、業界上位のシェアを持ちながらもトップシェアでは無い企業です。

チャレンジャーの戦略は、何よりも業界内におけるシェア拡大、トップシェアの獲得
を目指すことにある。シェアを拡大する方法として、リーダーがまだ強化していない
エリアや製品分野に注力してリーダーのシェアを奪う戦略と、自社よりもシェアの
小さい企業を攻撃して業界内のシェアを拡大する方法がある。

リーダーとの競争では、量的な真っ向勝負ではなかなか勝てないため、製品や流通体系
などをリーダーと差別化させることによってマーケットにアピールすることが重要。




●ニッチャー(Nicher)
 
ニッチャーは、業界全体のシェアは小さいものの、独自の技術、ブランド、仕組み等
を獲得することによって、特定市場におけるシェアを獲得している企業です。

特殊な技術や製品、価格帯、販売チャネルを活用することで、大企業との競争を回避し、
特定市場のニーズに適した製品を提供する。

ニッチャーの戦略は、リーダーやチャレンジャーが参入してこない、すきま(ニッチ)
セグメントを発見または創造し、そこに経営資源を集中することで、専門性や独自性
を高めて参入障壁を形成し、特定市場の独占的地位を維持していくこと。




●フォロワー(Follower)
 
フォロワーは、チャレンジャーのようにトップシェアを狙う位置にもなく、ニッチャー
のように特定市場での際立った独自性も有していない企業です。
 
独自に多大な投資をすることが難しいため、上位企業の模倣によってプロセスをできる
限り効率化することを目指す。

上位企業からの報復を招かない様に事業展開し、市場で生き残るための利潤を確保する
ことが目標。



損害保険会社の中でも、商品開発や経営戦略を見ていると、明確に、上記4つに分類
できるのではないでしょうか。東京海上の戦略を下支えするきめ細かいロジックは
事業戦略策定者にとっては非常に参考・勉強になるのではないでしょうか。


上記URLをアクセスして、新中期経営計画を読み込んでみてはいかがでしょうか。


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