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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「顧客満足度」です
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東京海上日動の「顧客満足度」についてです。


損保会社の旗艦商品は、自動車保険です。
この自動車保険の売れ行きにより、会社業績は大きく異なります。
自動車保険は年々保険料を引き上げていますので、この自動車保険の全体に
占める割合が大きい損保は増収率も高くなります。一方、自動車保険は損害
率が高い商品でもあるので、会社全体の損害率が高くなるというマイナス面
もあわせて持っています。


そこで、この自動車保険の売れ行きが会社の浮沈に繋がるわけですが、東京
海上日動では、自動車保険の顧客アンケート結果をHP上で開示しています。

(他の損保会社も同様の取り組みをしていると思うのですが、各社HPの
 トップ画面に案内がないので見つけられませんでした・・・)

東京海上日動は、

「お客様が『万が一』の事態に遭遇されたときこそ、保険会社としての真価
が問われる瞬間だと考えています。その『万が一』の事態に備え、東京海上
日動では、現在、お客様に提供する商品・サービスに関して、欠かすことの
できない具体的な品質基準を「安心品質」として定め、代理店と一体になって
「安心品質」の実現に徹底して取り組んでいます。

損害サービスにおいても、お客様から幅広くご意見をいただき、それをもとに、
実施・検証・改善を繰り返しながら、たゆまぬ品質向上に取り組んでいます。
その一つとして、事故に遭われたお客様に、保険金をお支払いした後ご協力
いただいているアンケートの結果をご紹介いたします。幸いにして事故に遭
われたご経験がないお客様におかれましても、弊社の損害サービスがどのよう
に評価されているか、ご参考にしていただければと思います」

というフレーズで、自動車事故を起こし、同社から保険金を受け取った契約者
を対象とした自動車保険アンケートを実施し、その結果を広くフィードバック
しています(↓)。


http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/songai/enquete.html



アンケート結果の概況(HPからの転載)

●損害サービス全般に関する満足度

約94.6%のお客様から「大変満足〜やや満足」と評価。
また、約48.8%のお客様からは「大変満足」という回答。
一方で、約2.8%は不満足の表明をしている。



●担当者のマナーについて
担当者のマナーに対して92.4%が「適切だった」という評価。



●お客様の保険継続意思
損害サービスを経験された顧客の大半が「継続する(予定)」という回答。



この自動車保険アンケート結果は、概ね、東京海上日動を支持する内容になって
いるため、やや不審な点がありますが、自動車保険を選ぶ際の一つの参考になる
ものと思われます。


また、東京海上日動は費用をかけて大々的にアンケート結果をしていますので、
コスト効果を最大限追求するために、回答結果(統計結果)のみならず、顧客
一人ひとりの声(定性的な情報)にも目を向ける必要があります。


MBAでは「データマイニング」ということを学びますが、データマイニングとは、
統計学、パターン認識、人工知能等のデータ解析の技法を大量のデータに網羅的に
適用することで知識を取り出す技術をさします。


データマイニングは単なる統計による仮説検証ではなく、データから顧客や市場を
把握することが期待される帰納的・発見的な情報処理です。
パソコンの情報処理技術・情報保存技術の発達やインターネットの普及によって、
細かなデータ分析が手軽に行えるようになったことで、マーケティングにおいても
大いに活用できます。


このデータマイニングで、埋もれた顧客ニーズを洗い出すのが重要です。


たとえば、他業界では、小売店の販売データやICカードの利用履歴、電話の通話履歴、
クレジットカードの利用履歴など、企業に大量に蓄積されるデータがデータマイニング
に利用される主なデータです。


こうした取引で発生する生データと呼ばれるデータは、経理処理に必要なだけで
マーケティングに活用されていませんでしたが、情報技術の向上により、大量の
データを解析し、その中に潜む項目間の相関関係やパターンなどを探し出すことで、
潜在的な顧客ニーズを採掘(mining)することができるようになったというわけです。
最近流行の「ビックデータ」という概念もここに通じるものがありますね。


よく使われるデータマイニングの事例としてよく使われるものに、ビールと紙オムツ
があります。小売店の販売データから、ビールと紙オムツの併売傾向が見られた
というものです。

ビールと紙オムツの併売傾向は純粋な仮説としては極めて想起しにくい組み合わせ
であるので、統計ではなくデータマイニングを行うことで初めて発見された象徴的
な事例として語られることが多いです。


このような掘り起こした知識から顧客の購買行動パターンを見出すことができます。


ビールと紙オムツの併売傾向を解釈する一例として、
  
・小さな子供のいる家庭  
・紙オムツはかさばるため、父親が荷物持ちをする
・買い物に付き合ったご褒美として、ビールを買う
・ビールと紙オムツが併売される
 

というストーリーが出来上がるそうです。
 
他には、
  

・小さな子供がいる家庭
・気軽に外食へ行くことができない
・宅飲みで夫婦の時間を作るためにビールを買う
・ビールと紙オムツが併売される
 
などであるようです。



データマイニングに取り組む際に注意すべきなのは法則を見つけ出すのは分析者
自身であるということだといわれています。データマイニングを行うことで得られた
結果から、顧客ニーズや購買機会を見出し、活用できるかどうかは、分析者次第
という意味です。


そして、データマイニングの代表的な手法を挙げておきます。


●頻出パターンの抽出
 
データ集合の中から、高頻度で発生する特徴的なパターンを見つける方法で、
頻繁に同時に生起する事象同士を相関の強い事象として抽出する技術です。
 
具体事例としては、商品の併売傾向を測るマーケットバスケット分析が有名です。



●クラスタリング
 
データの集合を外的基準なしに機械的に分類する方法で、代表的な手法として、
K平均法(K-means法)があります。
たとえば、Webの視聴パターンを、類似したクラスタでまとめることにより、
視聴傾向が類似する利用者のグループを発見することなどが可能となります。



●クラス分類
 
与えられたデータに対応するカテゴリを予測するものです。
代表的な手法として、決定木分析(ディシジョンツリー)があります。マーケ
ティングの分野では、顧客特性や傾向を分析する際に使われています。



今後もデータマイニングは益々重要になっていくことが予想されますが、テキスト
マイニングによって得られる情報や、脳科学・人間工学の分野で得られる生態データ
など、分析対象となるデータが増えることで、様々な発見が期待されることでしょう。


自動車保険で事故を起こす人の特徴点も様々な分析を重ねることで発見できるので
はないでしょうか。アンダーライティングにも生かせますし、また自動車保険料の
基礎にも生かせるのではないでしょうか。


東京海上日動の「ちょいのり保険」は、顧客アンケートで獲得した様々な情報の
データマイニングにより顧客ニーズを発見、または再確認できたことで、商品開発
に至ったかもしれませんね。




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