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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「広告戦略」です
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東京海上日動の「広告戦略」についてです。


東京海上日動は、テレビCMを放映していますが、主に3つの観点から広告つくり
をしています。


この3点とは「企業広告」「環境広告」「商品広告」です。


企業広告は、企業イメージの向上、ブランド醸成がその主な目的です。
環境広告は、環境への配慮、環境取り組みのPRを目的としつつ、これも上記
同様に、企業イメージ向上も視野に入れているはずです。
商品広告は、「超保険」「ちょういのり保険」など、売上高を押し上げるために
商品PRを実施することが目的です。

また、上記以外にも保険代理店の活動を前面に出した代理店ブランドの醸成を
企図した広告・CMも製作していますので、幅広いコンセプトで目的を持った
広告戦略を実践しています。


参考までに東京海上日動の広告を一部ご紹介します。

1.企業広告

東京海上日動が1989年から継続して行なっている公益財団法人日本水泳連盟への
支援をテーマにしたCMです。日々の練習や「全国JOCジュニアオリンピックカップ
水泳競技大会」におけるジュニアスイマーたちの真剣な表情や、かつてのジュニア
スイマーである入江陵介選手*の姿を通して、長年ジュニアスイマーを応援してい
る思いが伝わります。
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/cm/cm11/cm11_tv.html



2.企業(代理店)広告
「顔見知りの代理店の存在」を「携帯電話に名前を登録している人」という近しい
距離感で表現し「代理店で保険にご加入いただくことの安心感」を訴求しています。
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/cm/cm10/cm10_2_tv.html




3.環境広告
「あの、マングローブの森をとりもどそう。」
1999年より取り組んできたマングローブ植林活動に対する想いや、この活動を
100年継続していくことを目標に掲げた「100年宣言」を、10年前に植林した
ベトナム・ティエンランの現在の映像で伝えています。
http://movie.tokiomarine-nichido.co.jp/100nen_sengen/100nen_sengen.html




4.商品広告
業界初の自動車保険「ちょいのり保険」の商品特徴を伝えています。
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/cm/cmradio18/40sec.html



以上、東京海上日動社の広告戦略(概略)をご紹介しましたが、これらのCMは
消費者、社会への訴求以外にも副次的効果があると思います。それは、社員の
自社に対するロイヤリティであったり、ブランド意識です。


上記については、学術的には、「インナーブランディング(Inner Branding)」
と呼んでいます。本日はこのインナーブランディングについてご説明します。


インナーブランディングとは、企業が全社的にブランドビジョンを共有化し、
従業員の意識や行動の目標を統一化することにより、提供する製品・サービス
の向上に繋げる施策をさします。そしてインナーブランディングの対象は社員
だけに留まらず、派遣社員、パートタイマー、保険代理店といった、保険商品
やサービスが顧客に届くまでのプロセスに関わる全ての人間が対象となるとも
いわれています。


ブランディングと言えば、商品やサービスのブランディング、つまり顧客に
向けて行うアウター戦略が一般的でしたが、近年は、それに加えて企業の
ブランドを従業員に浸透させるインナーブランディングの重要性が高まって
います。


インナーブランディングは、短期的には、品質問題の発生や従業員の不適切
な行動によるブランド毀損の防止を、中長期的には、従業員の意識変化と
行動変化による企業イメージの向上、労働環境の向上による従業員の定着率向上、
経験効果による業務の効率化などを目的として活用されています。


しかしながら、インナーブランディングは実践が難しく、ブランドビジョン
として描かれるものが企業上層部の理想の押し付けに過ぎないとも考えられて
いますので、営業現場や商品開発現場の具体的なアクションに結びつかない
場合も多いとされています。
(実態は、損保社員がこのインナーブランドを感じているというのは言いがたく、
 自然発生的に、無意識の中で会社への帰属心が芽生えているのではない
 でしょうか)


インナーブランディングを単なる企業スローガンで終わらせないためにも、
自社の業務を客観的に分析し、課題や目標を明確にした上で、具体的な行動指針
を打ち立てることが必要となりますので、たとえば、環境広告のようにマングロ
ーブ植林活動を前面に打ち出すことはよいことだと思われます。


また、インナーブランディングは、従業員満足度(ES)との関連も深いとされて
います。


「サービス・プロフィット・チェーン」というフレームワークでは、従業員満足度
を高めることで従業員の働きにも良い効果が期待され、顧客満足を高めることに
繋がることが説明されていますが、反対に、従業員が自らの働く環境に不満を抱い
ている場合は顧客に対する商品やサービスにも悪影響が生じてしまうようです。


顧客の利益を考えるのであれば、まず、従業員の満足度を高めることから始める
べきなのであるというのが、従業員満足度を高めることの主な理由です。


そのためには、正当な評価・報酬、業務遂行に適した労働環境、福利厚生・教育
研修の充実、といった基本的な指標から、企業の知名度が高い、広告に有名タレント
を起用する、実業団が強い、オフィスのロケーション、といった企業への誇りや
世間体の良さといったものも従業員満足度を高めるために重要視される傾向があり
ます。東京海上日動も左記活動にはとても注力しています。


従業員満足度を高めることで、円滑なインナーブランディングを推進することが
可能となり、結果として、顧客の利益を高めることに繋がるというわけです。


また、近年では、Web掲示板やフェイスブックをはじめとするソーシャルメディア
といったCGMを通じて発信された、従業員の何気ない一言が自社の悪評となって
企業ブランドを貶めてしまう恐れもあります。


そういった事態を予防する為にも、常にインナーブランディングに力を入れ、
従業員満足度を高めておくことは重要な施策になるのではないでしょうか。


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