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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「Green Gift」プロジェクト です
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東京海上日動の「Green Gift」プロジェクト についてです。

http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/csr/greengift/index.html


東京海上日動は、紙使用量などの環境負荷を削減するため、2009年5月から
契約者の賛同のもと、「ご契約のしおり(約款)」を冊子(紙)ではなく、
ホームページによる閲覧(Web約款)方式にシフトし「Green Gift」プロジェクト
を開始しました。


同社は2010年6月末時点ですでに700万を超える契約で「Web約款」への選択が
賛同され、紙の使用量を年間で1,400トン削減したといわれてます。

また、東京海上日動は「Web約款」が選択された契約の件数に応じて、2本の
マングローブの苗木を植林する費用を寄付し、植林を推進しています。


このマングローブ植林プロジェクトは、生態系の回復とCO2の吸収・固定化を
目的として、アジア諸国・南太平洋フィジーの9ヶ国で7,543ヘクタール 
(東京ドーム約1,615個分)の植林を実施しています。


このマングローブの森は、CO2の吸収・固定効果が大きく地球温暖化防止に役立
つ上、津波等の自然災害から人々を守る防災効果を有します。また、「命のゆり
かご」とも言われ、魚やカニ、貝や鳥など豊かな生態系を育むと同時に、住民に
水産・森林資源を提供、植林地域の持続可能な発展にもつながっているとのこと
です。


同社は、地球や人々の生活を守るマングローブを「地球の未来にかける保険」と
位置づけ、植林を100年継続することを目指して取り組んでいるわけですが、
この取り組みの背景にはゞ睛札機璽咼后↓▲螢好、生物多様性・生態系サー
ビス(BES)というものが密接に関わっている(関わってくる)ということに
いち早く気づいたことがあるのではないでしょうか。


上記の「生物多様性・生態系サービス(BES)」というキーワードは、日経新聞
やマスコミ各誌でよく取り上げられているので、意味は理解していなくても、
言葉を覚えている方は多いと思います。


この生物多様性・生態系サービス(BES)の考え方は、昨今とても重要になって
います。


海外の事例を挙げると、2010年、ユニリーバ、ネスレ、バーガーキング、クラフト
フーズといった多くの大手食品・飲料会社が、インドネシアのシナール・マス・
グループとその子会社との取引を停止しました。同社による不法森林伐採の疑いが
その理由といわれています。


また、米国においては、クレディ・スイス、モルガン・スタンレー、JPモルガン・
チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティバンクなど多くの銀行が、露天採掘
を行う企業への貸出審査を厳しくしたり、貸出を停止したりしていました。


記憶に新しい卑近な事例では、BP社が引き起こしたメキシコ湾原油流出事故が、
融資、株式、保険サービスを提供する企業や金融機関にとって生物多様性と生態系
サービス(BES)の重要性(マティリアリティ)が増していることを示したのでは
ないでしょうか。


これまで、金融サービス、リスク、生物多様性・生態系サービス(BES)の三者間の
関連性は低いと思われていました、資源が枯渇し、生物多様性が失われ、また、
きれいな水の供給といった生態系サービスが劣化することは、銀行、投資家や保険
会社にとって重要な金銭的リスクあるいは機会となり始めていることを物語っています。


そこで、先進的企業は、BESへの影響と依存についての理解を深め、それをうまく
管理するための措置を講じています。


金融機関の経営陣が、生物多様性の問題は、些末なことでも単なる慈善活動でもない
ということを認識すべき時期に来ているのかもしれません。


BESをビジネスモデルやコア戦略の中心に組み込むことは、長期的な成長と成功に
とって不可欠であり、それはBESに関わるリスク・機会の評価と管理を、金融商品
・サービスに直接組み込むことで実現されます。


たとえば、保険会社にとってBESリスクは、保険引受業務の収益性(例:森林伐採に
よる洪水が保険損失や非保険損失につながる)にも、投資収益にも、悪影響を及ぼす
ことがあります。アジアなどの新興国における洪水リスク(たとえば、タイの洪水も
一例)などが当てはまるでしょう。


保険会社は、保険商品を提供することでリスクを引き受けるだけでなく、損失回避や
損失軽減のサービスを通してリスク管理もしています。そして、先進的な保険会社には、
競合他社と差別化できる新商品開発の機会が生じるといわれています。


たとえば、HSBCインシュアランス(ブラジル)は、保険契約者が間接的に排出したCO2
排出量に対して、原生林木の植林により、CO2排出量を相殺する保険商品を開発しました。


そして東京海上日動は、上述のとおり、「Web約款の選択」により、生物多様性保護や
CO2吸収に寄与するマングローブ植林に顧客が間接的に参画できるサービスを開発しました。


「環境」の重要性が年々増していく状況下、慈善活動の延長という考えではなく、全社的に、
また、顧客を巻き込み、保険会社としてBESへの影響と依存についての理解を深め、それを
うまく管理するための措置を講じる必要性が出てきています。


そういう意味で、東京海上グループは他社の2歩3歩先を進んでいるかもしれません。


この分野の経験や知見が深まれば、BESなどの環境リスクを含む「新しいリスク」を対象に
した新商品の開発は慎重にすべきですが、とはいえ、ビジネスチャンスの萌芽は着実に現わ
れてきていますので、そのニーズを確保することも、保険会社が生き残る術として大切なの
ではないでしょうか。


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