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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「返報性ルール」の活用 です
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東京海上日動の「返報性」の活用 についてです。


東京海上日動は、保険ビジネスに関する情報を惜しみなく、一般社会に提供して
います。

東日本大震災時には、災害対応マニュアルをHP上でリリースしていました。
また、今回もタイ洪水被害の教訓として災害対策を

「タイ洪水被害の教訓〜海外拠点における水害リスク対策のポイント〜」

という冊子の形で世の中に情報提供しています。
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/news/120214guide.pdf


本冊子は、洪水被害を振返りながら、企業における課題を確認し、求められる対策
をまとめたものであり、今後の被害防止・抑止策の検討の一助になるものです。


既契約者だけがお客ではなく、潜在契約者(他損保のお客)を掘り起こすための
地道な活動なのでしょう。この「情報提供の姿勢」は、心理学の世界で「返報性」
と呼ばれている真理を活用したマーケティング活動なのではないでしょうか。


そこで、今回は返報性についてご紹介します。


「返報性」とは・・・

通常、人は他人から何らかの施しをしてもらうと、お返しをしなければならない
という感情を抱きますがが、こうした心理を「返報性の原理」と呼びます。

この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が
広く利用されています。

至近な例では、試食です。

試食は本来は、無料で食品を提供し、その味を客が確かめ、購買に値すると判断した
場合に買ってもらうプロモーション戦略のひとつですが、客は店員から直接食品を
手渡されることによって、その味いかんにかかわらず商品を買わなければいけない
という気持ちになることが多いといわれています。

また、高額商品を勧めて断られた後に、低額商品を勧めると客は断りにくくなる心理
が生じます。


これは、高額商品を売ることを諦めて低額商品に切り替えるという相手の譲歩に対して、
こちらも譲歩しなければという心理が働く、返報性の原理によるものだといわれています。


このような心理を応用した交渉術は「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」
(譲歩的依頼法)と呼ばれています。生命保険の販売スキルの一つですね。

日常生活における例を取り上げましたが、タイ洪水や東日本大震災を踏まえたノウハウ本
の無償提供は、受け取った、または自ら情報を入手した契約者や潜在契約者の心理に何か
を訴求することになるのでしょう。


また、少し話しがそれますが、最近はやっているフェイスブックは「自己開示の返報性」
という心理が作用していると思われます。


たとえば、人間関係には、家族や友人、知人、仕事上の関係、師弟関係など様々なものが
あります。その中で、家族以外の他人と関係を築くためには、基本的には0からコミュニ
ケーションを取っていかなくてはなりません。

会ったその日に趣味の話で盛り上がって意気投合するといったこともありますが、一般的
には関係を構築していくためにはある程度の時間がかかります。通常、初対面のときには
仕事の話や共通の知人の話など差しさわりのない話をしながら、相手に関する情報を集め、
何度か会う中で関係が深まっていくにつれて徐々にプライベートな話をするようになって
いくことになると思います。

当たり前といっては当たり前のことですが、そこには”自己開示の返報性”というものが
働いているいわれています。


自己開示とは、自分についての個人的な情報を率直にありのまま相手に伝えることを言い
ます(嘘偽りなくというところがポイントで、相手に特定の印象を持たせようという意図
が含まれているものは”自己呈示”と呼ばれます)。

この自己開示には、自己開示をされた受け手も同程度の自己開示をするという、返報性の
ルールがあることが知られています。つまり、こちらが趣味の話をしたら相手も趣味の話、
より個人的な家庭の話をしたら相手も家庭の話をするといった具合で、同程度の深い話を
するようになるということです。


「相手がそこまで話してくれたんだから、自分も話そう」という気持ちが生じるのです。

このように、お互いに少しずつプライベートな話をしていくことで、関係が深まっていく
のですはないでしょうか。当然とも言えることなのですが、これを知っていることによって、
関係を深化させたい相手に対して自分から少しずつ自己開示をしていくことによって、
相手のことを知ることができ、関係も発展させていくことができるのではないでしょうか。
 

東京海上日動という法人は、ホームページやIRなどの広報活動を通じて、世の中に、自ら
の考えや活動を情報宣伝しています。これは上記の人間が自らを語る行為と類似しています。

損害保険業界の中で、東京海上日動がもっとも情報開示に積極的だと思われます。
その原点は、企業理念にあるのでしょうが、営利企業としては、自己開示の返報性の原理を
巧みに活用した活動なのでないでしょうか。


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