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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の Tokio Marineの由来 です
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東京海上日動の「Tokio Marineの由来」についてです。



東京海上日動は、英文でTokio Marine & Nichido とあらわします。
これは、東京海上が1890年ごろから100年以上にわたって、Tokio Marine
という英文社名を使用してきたことに由来するものらしいです。


1879年に設立された東京海上は、創業後まもなくロンドンにおいて再保険
取引を始めていました。当時のイギリス人が「東京」のことを「Tokio」と
表記したり、「トキオ」と発音していたことにならって、東京海上も取引上、
Tokyo Marineではなく、Tokio Marineという表記を使用するようになったと
いわれています。


(参考:「保険王国 東京海上」坂井幸二郎著)


たしかに、その当時は、海上保険が主流で、海上保険といえば、英国。

つまり、明治時代の海上保険は、文字通り、七つの海にユニオン・ジャックの
旗をひるがえす「大英帝国」の自由主義貿易を中心に行われており、英国が
海上保険の世界の中心市場でもあったので、英国人ベースで、英文社名を
設定せざるをえなかったのでしょう。


東京海上は日本における小さな損害保険会社として発足しましたが、その後、
血のにじむ努力を積み重ねることで、世界を代表する保険会社まで成長しました。


その努力の過程では、「元受保険料の拡充」があります。
海上保険のニーズが高まり、海運会社や商社などからの引き合いが多数あっても
保険金支払い能力をオーバーするリスクの引き受けはできません。


そこで、「再保険」を活用することで、保険金支払いリスクを再保険会社に
流しつつ、元受保険料を伸ばし、シェアを高めると同時に、国内外からの信用や
ブランド力を高め、今の地位につくことになりました。

そういう意味で、東京海上を語るには「再保険」抜きでは語ることはできません。


しかしながら、日本の国内で損保営業をしていると、なかなか再保険に触れること
がありませんので、「さいほけん」という言葉は聴いたことがあっても「再保険」
がどのようなものであるかを個別具体的に理解している人は少ないのではない
でしょうか。


今回は、折角の機会ですから、再保険について概要を解説したいと思います。
(すでにご理解している人にとっては、おさらいだと思ってください)


再保険とは、教科書的にいえば、「ある保険者が危険(リスク)を分散したり、
収益を追求したりするために、自己の保有する保険責任の一部または全部を
他の保険者に移転し(出再保険)、当該他の保険者がそれを引き受ける(受再
保険)」する保険のことであり、「保険の保険」なので「再保険」という
呼ばれます。

そして、既述しましたが、再保険以外の保険のことを「元受保険」と呼んで
います。


再保険会社の填補責任は元受保険会社が顧客と締結する保険契約の内容と同じ
となることが多いのですが、様々に条件設定が行われることがあります。


この再保険を契約手続きの観点から分類すると次のようになります。


●任意再保険(Facultative Reinsurance)
 元受保険会社と再保険会社が個別に契約条件を定める方式。

●特約再保険(Treaty Reinsurance) 
 元受保険会社と再保険会社が予め取引条件を定め、一定の条件に合致する
 ものは再保険の対象とする方式で、更に次のとおり分類されます。

 □比例再保険特約(Quota Share Treaty;Q/S)
  対象となる全ての契約を一定割合(出再割合)で出再(受再)する契約方式。
  受再保険会社は保険料、保険金とも同じ一定の割合で分担します。

 □超過保有額再保険特約(Surplus Treaty)
  元受保険会社が引き受けた保険契約のうち、一定の保険金額を超える額を
  再保険とするもの。元受保険会社が保有する金額を1ラインとし、その何倍か
  をラインで数える(4倍なら4ライン)。

 □任意的義務的再保険特約(Facultative Obligatory Treaty;F/O)
  出再会社から見れば元受契約の何%を再保険とするかどうかは任意的ですが、
  受再会社から見れば義務的とする出再会社にとって有利な特約形式。

 □非比例再保険
  超過損害額担保特約(Excess of Loss Cover;ELC,XL)
  対象とする契約のいずれかに損害が発生し、元受保険会社が被った1危険、
  または1事故あたりの損害額の合計が一定額を超過したときに、その超過額
   を出再保険会社が再保険金として受け取るという形式。

 □ストップロス特約(Stop Loss Treaty)
  出再保険会社の対象とする契約集団の一定期間における累計損害率が、
  約定した一定損害率を超えた場合にその超過分を再保険金として受け取る
  という形式。


以上、普段聞きなれない言葉ではありますが、企業営業部門に配属になったり、
ブローカー、または再保険会社に転職した際は頻出する用語なので、簡単に概要
だけでも抑えておくとよいかもしれません。


また、厳密には再保険ではありませんが、近年では、伝統的な再保険の手法に加え、
「キャットボンド」によるリスク移転が損保各社で利用されるようになったことも
覚えておくと良いと思います。

これは、一定規模以上の地震や台風・ハリケーンなどあらかじめ定められた自然災害
が発生したときに、発行者が収入を得る代わり、投資家が損失を被るという債券を
発行することにより、自然災害リスクを発行者が投資家に移転するというもので、
厳密には再保険の定義に該当しませんが、実質的効果は再保険に類似するというもの
です。

大規模な自然災害が発生すると、伝統的な再保険市場では再保険料の高騰・再保険会社
の信用力低下・再保険取引規模の縮小等が起こることがあるため、リスク移転手法の
多様化の一手法として利用されています。

昨年発生した東日本大震災後、キャットボンドに関する新聞記事も目立つようになり
ました。


東京海上発展の礎を築いた「再保険」は、今後の業界内順位を占う上でも重要な保険
だと思います。再保険のキャパシティー(引き受け能力)を高めることで、元受保険
収入だけではなく、受再収入も得られることから、保険料および純利益を高めること
につながりますので・・・・。


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