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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の隅修三の存在感 です
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東京海上の「隅修三の存在感」についてです。

先日、日経ビジネスで「儲からない損保を変える」というタイトルで、隅社長の単独インタビュー
記事が掲載されていました。

東日本大震災の影響に始まり、少子高齢化を乗り越えるための経営戦略、そして、生保事業と海外
事業の展開について、幅広くご自身の考えを述べていました。


その中で気になったのが、「自動車保険の値上げ」についてです。


損保事業の柱である自動車保険が人口減や自動車販売の落ち込みの中で新規契約が減り、収益が
悪化していることに対する改善策に関するコメントです。


解決策として、事故率の高い高齢者の保険料を上げることを挙げています。
(東京海上日動は12年1月に自動車保険の改定を行いますが、その際、高齢者の保険料率を引き
 上げる予定)


高齢者は事故率がもともと高かったが、それを若年者、中年層の比較的事故率の低い契約者の
保険料でまかなっていたものの、高齢者層の人口に占める割合が増加してきたため、当該ロジック
が成り立たなくなり、高齢者をターゲットとし、保険料率の引き上げを実践するに至ったとしてます。

保険料を上げる前に、最低限の対策として、損保事業にかかる経費の削減が求められています。
それを最優先に取り組みつつ、それでも賄えないものは保険料に転嫁する必要があるのでしょう。

自動車保険の収支が悪化している背景には、高齢者の事故率上昇のほか、高速道路の無料化による
事故発生頻度の上昇、事故車の修理単価の上昇、そして、多数の特約開発による保険金請求頻度の
上昇が想定されますが、自動車保険の収益は損保会社の生命線です。自動車保険料の引き上げの是非・
要否について、東京海上の代表としてはいうまでもなく、業界を代表するような形で、語っている姿
には感銘を覚えます。


また、隅氏は日本損害保険協会の会長も務めていますので、「自動車保険の等級制度の見直し」も
東京海上日動社をはじめ、他の損保会社の財務改善に資する大掛かりな改定だけに、隅氏に寄せられる
期待は計り知れないものがあるのではないでしょうか。

金融庁から認可は下りたものの、具体的に、どのタイミングで、どのように改定するのか、大枠から
細部に至るまでの制度設計が重要になると思われますが、自動車保険料率の改定は一つの損保会社が
単独でできるものではなく、競争戦略上、他社の動向をにらみながら、相場を踏まえ、最適な価格帯
(保険料)を模索する必要があります。

この相場は、損害保険料率算出機構が算出している「参考純率」ですから、相場が変更を後押しする
立場にある日本損害保険協会長は、この時期の責任はとても重いものなのでしょう。


会社の代表者、業界の代表者としてのコメントは、社会、消費者、当局、保険代理店に対して、大きな
影響を与えます。また、このコメントは、損害保険会社の経営者の判断にも影響を及ぼします。
東京海上の行方が他のメガ損保の経営判断の一つの重要な要素になっているのは周知の事実ですので。


参考までに「週刊ダイヤモンド」編集部による隅社長インタビュー内容を転載します。
このインタビュー内容から何を感じ取るかは、読み手の立場によって様々と思いますが、何かしらの
仮説を立てながらお読みください。



問い :中期経営計画の目標だったROE6%は未達成に終わりそうだ。

隅社長:計画立案時では予想していなかった、リーマンショックと東日本大震災が発生し、さらに
    日本の経済成長が予想よりも低く推移しているのが外的要因。
    ただそれがなかったとしても中計の達成は難しいだろう。


問い :来年度からの次期中計の考え方は。

隅社長:現在策定中だ。
    一般的に日本での資本コストは7%であることから、やはりROEは6〜7%程度を目指していく
    方針に変わりはないだろう。特に自動車保険の収益率改善は重要。コンバインドレシオは現在の
    103.8%から中長期的には95〜98%を目指していきたい。すぐには無理だが、なんとしても回復
    させたい。


問い :経常収益などではトップの座から転落した。悔しくないか。

隅社長:社員の中からは「悔しい」という声も聞こえる。われわれの使命はあくまでボトムライン
    (当期利益)を上げていくこと。ボトムを上げるためにはトップライン(経常収益)の増収も
    必要であり、トップラインでもこのまま負けている気はない。だが、儲からないかたちで無理
    にトップを上げる気持ちはない。



問い :自動車保険の特約として、地震による全損にいち早く対応した。

隅社長:求めている契約者がおり、誰かがやらないといけない商品だった。
    全損時に上限50万円まで保険金を支払うとしたのは、われわれも民間企業として取れるリスクに
    限界があるから。また万が一のときに、50万円あれば、中古車は手に入れられるだろう。


問い :海外でのM&A(企業の合併・買収)を活発化するのか。

隅社長:国内での合従連衡はおおよそ終わっている。海外で先進国と新興国の両方でバランスよく
    投資を行っていきたい。先進国では、われわれとケミストリー(文化)が合い、ニッチ市場で
    高いシェアを持つなど、強みを持っている企業が対象となる。新興国はアジアが中心となるだろう。
    こちらは中長期投資として長い目で育成を図る。


問い :持ち株会社と東京海上日動火災の役割を切り分けるべきでは。

隅社長:いずれきちんと分けるときが来るかもしれない。ただ今は一部、兼務者がいるというやり方で
    うまく回っている。


問い :不採算事業といわれる介護事業、人材派遣事業はどうする。

隅社長:訪問介護のベターライフサービスはようやく黒字化し、有料老人ホームのサミュエルは苦しい
    状況もあったが収益は回復した。すぐに売却することはない。人材派遣のキャリアサービスは
    今後の対策を検討している。



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