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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の「海外戦略」です
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東京海上の「海外戦略」についてです。

東京海上グループにとって、海外保険事業はグループ全体の利益成長のドライバー
と位置づけています。

海外戦略のコンセプトは、

1.グローバルな成長機会の追求
  ⇒海外保険市場の高い成長性の取り込み
  (米国のフィラデルフィア社や欧州のキルン社の買収)

2.リスク分散効果による利益水準の安定化および資本効率の向上
  ⇒グローバルに地域分散の効いた事業ポートフォリオ構築

3.日系顧客の海外進出への対応
  ⇒生産、販売、投資それぞれで益々進展している日系企業のグローバル化に対応


世界のGDP規模は約6,300兆円と推計されていますが、その中でも損保市場は
約170兆円、生保市場は240兆円と試算されています。この生損保市場の410兆円の
シェアをどの程度狙うのか。1%でも約4兆円です。
東京海上ホールディングの保険料収入は約2.7兆円ですから、世界シェアの1%にも
満たしません。国内損保市場や生保市場は成熟し、少子高齢化のため、市場は縮小均衡
の傾向にありますが、拡大均衡を目指すためには、やはり世界に目を向けて、
世界シェア1%の4兆円をターゲットに、さらなる拡大を求めていく必要があるのでは
ないでしょうか。

東京海上の場合、成長の手段として、「内部成長」と「買収」の2つを挙げています。

「内部成長」は、新規参入が相対的に容易な事業である「再保険」を内部成長として
拡大させることを表明しています。


「買収(M&A)」は、欧米や新興国の元受保険事業において、一定の事業基盤確保が
必要であり、新規参入が困難な市場において、活用することを表明しています。
また、買収に当たっては経営権の確保(100%の株式保有)が基本方針としていますが、
一方、出資規制のある国・地域(例えば中国)においてはマイノリティ出資やJV形態も
選択肢としています。

※東京海上グループの買収における3条件とは・・・
 〃弍弔侶鯀汗、強固なビジネスモデル、9發だ長性


上記「内部成長」と「買収」を上手く組み合わせた成長戦略を策定・実行しているのが、
今の東京海上グループの海外戦略の特徴です。高成長の見込める新興国市場において、
重点地域を中心に損保・生保等への積極的な投資を行い、中長期的な収益機会を追求
していますが、反面、海外事業には課題もつきものです。

進出先における課題とは・・・現地市場での競争力と優秀な人材の確保が問題。

東京海上の海外事業は、海外進出を行っている日系企業に対する支援を中心に事業を
拡大してきた経緯があります。そのため、進出先におけるローカル企業や一般消費者
に対するブランドの浸透度が未だに低く、そのことが現地市場を開拓する際の大きな
課題となっているそうです。進出先における一般消費者に対するブランドの浸透度が
低いことから、現地での優秀な人材の確保が非常に難しいという課題も抱えています。

また、日本と進出先の規制や監督の内容も主たる課題として認識しています。
日本と進出先の規制内容や監督方針に大きな隔たりがあり、規制の遵守状況にもばら
つきが見られるケースがあるというのが具体的な事象です。

たとえば、中国では、次のような規制があります。

●営業地域制限および支店認可基準
 外国保険会社については、営業範囲が支店設置省内に限定されている(営業地域制
 限)。中国の国内保険会社と同レベルのサービスを提供するためには、各省で支店
 認可を取得する必要があるが、支店認可基準が十分に明確とは言えず、認可申請後、
 多大な時間を要するケースもあり、同国内でのサービス拡大の障害となっている。

●自動車賠償責任保険制度
 自動車賠償責任保険が外国保険会社に開放されておらず、自動車保険参入の障害と
 なっている。

●再保険取引規制
 保険会社は、監督官庁の認可がある場合を除き、自社の国外関連企業との再保険取
 引を禁じる規制が設けられている。また、認可基準が不明確でかつ全件事前認可制の
 ため、中国所在リスクに対する外国保険会社グループのキャパシティーやノウハウ
 が十分に提供出来ていない。



それでは、これらの課題を解決するために、日本の行政や保険会社は何をすべきなの
でしょうか。東京海上が考えるソリューションは以下のとおりです。


⇒進出先におけるブランドの浸透には多大な時間を要するため、これらの課題に迅速
 に対処するためにはM&Aが非常に有効な解決策。M&Aの際に、諸外国の保険会社に
 劣後することのないよう障害となっている日本の規制緩和を実施すべき。
 また、発展途上国における保険の普及促進に向けて、例えば以下のような官民合同
 の保険のインフラ整備も一考の余地があるとのこと。

 ・自動車賠償責任保険制度が未整備の国における同制度の整備に向けた取り組み
 ・国民の保険に対する意識の低さや損害査定網が未整備であること等により保険
  の普及が遅れている発展途上国において、インフラ整備策の一環としてのイン
  デックス型保険の普及促進に向けた取り組み。
 ・発展途上国における個人向け巨大災害保険制度(例:日本における地震保険制度
  や米国の洪水保険制度等)の設立に向けた取り組み。


⇒日本と進出先の規制や監督の内容については、世界的に規制や監督が統一化の流れ
 にある中で、日本が特に新興国市場における規制・監督の標準化に貢献することが
 出来れば、こうした問題の解決の一助になる。


中長期的な展開を視野に入れ、官民あげて、損保会社の海外展開を加速させる必要が
ありますが、足元の2011年度業績予想としては、

正味収保を5,770億円(前年増減+505億円、増減率+10%)と見込み、アジア等新興国
における順調な経済成長や欧米における景気回復を背景とした営業推進等により10%
の増収を見込んでいます。利益は、520億円(前年増減+272億円、増減率+110%)を
目標としています。

この目標を確実に達成し、利益を投資として、新興市場の保険会社の買収にあてる
正の循環を繰り返すことで、世界シェア1%達成にむけて活動していくものと思わ
れます。ぜひ、東京海上グループには、日本を代表する保険会社として、グローバル
プレーヤーとして活躍してもらいたいですね。


(参考とした資料)

東京海上グループの海外戦略「海外展開とその課題について」
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/w_group/siryou/20110629/04.pdf


(銀行や証券会社の戦略もぜひご参考ください)

三菱UFJグループの海外戦略「我が国における金融業の国際競争力の強化」
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/w_group/siryou/20110629/03.pdf

大和証券グループの海外戦略「我が国金融業の国際競争力の強化に向けて」
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/w_group/siryou/20110629/05.pdf


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