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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「超保険」システム です
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東京海上日動の「超保険」システムについてです。


ビジネスの醍醐味の一つは、後進に伝えたい仕事を成し遂げることです。
東京海上日動のビジネスにおける特長(差異化)の一つは、「超保険」です。
その超保険という保険商品の契約管理システムの開発プロジェクトに携わった東京海上日動
システムズ代表取締役社長の横塚氏のコラムがありましたのでご紹介します。

11年前に初代のシステムの開発に取り掛かった際は、プロジェクトが難航し、SEは皆、
正月も休まず働かざるを得なかったとのことです。この経験を生かし2代目システムの開発に
挑んでいる現状について、業界随一のシステムといえる「超保険」のシステム開発における
試行錯誤の連続を実感することができるコラムです。


【横塚氏のプロフィール】

一橋大学商学部卒業後、1973年4月東京海上火災保険入社。
以来、ほぼ一貫して情報システム部門に従事し、情報システム部長、執行役員IT企画部長など
を経て2006年7月から東京海上日動システムズの社長を兼務。2007年6月東京海上日動常務取締役。
2009年6月同社退任し、システムズ社長に専念。


以下、日本経済新聞のコラム『SE魂で作り上げた「超保険」システム』からの転載です。


2011年夏、当社(東京海上日動システムズ)が再構築を進めている、あるシステムがサービスイン
を迎える。「超保険」という保険商品の契約管理システムだ。

超保険は、一般の保険商品とは全く異なる商品である。
自動車保険や火災保険といった損害保険に加えて、生命保険の死亡保険、医療保険といった、
人間の生活にかかわる様々なリスクへの備えを一体化したものだからだ。これらの補償のなかから、
個人の生活スタイルに合わせて必要なものを組み合わせて保険を設計できる。契約者は自動車保険
や火災保険、医療保険などに別々に加入しないで済むわけだ。


●受託したIT企業が見せてくれた気概

商品としては画期的なものだが、様々なリスクをカバーする、あるいは自由に設計できる商品で
あるため、システム開発の難度は高い。新規開発に取り掛かった2000年当時、このような機能を
備えるシステムは前例がなかった。それだけに開発には苦労した。現在構築中のシステムは2代目
であり、初代のシステムは2002年にサービスインした。苦労したのは、初代のプロジェクトである。
このプロジェクトにあたって、発注者である東京海上日動火災保険(当時は東京海上火災保険)は、
何社かのIT企業にほとんど丸投げの形で開発を一括委託した。


この当時は、当社の開発パワーを他のプロジェクトですべて使い切る状況にあった。このため、
当社は超保険のシステムの開発に参加することができなかった。開発を受託したIT企業は、難関
プロジェクトということが分かっていながら、挑戦してくれた。

・様々なリスクをカバーするには、データベース設計をどうするか。
・契約内容を自由に変更できるようにするには、どうすればいいか。
・設計したとして、利用に耐え得るレスポンスを確保できるか。

IT企業のSEの方々は、こうした難題に真正面から挑んでくれた。案の定、IT企業のSEにとっては
過酷な状況が続いた。新商品だけに約款や規定も一切ない状態でのスタートである。東京海上日動
のビジネスサイドの担当者と打ち合わせするものの、ビジネスサイドとしても初の商品であり、
手探りで検討を進めるしかなかった。

当初は2002年の2月中旬にサービスインする予定だったため、この年の正月は元日も休めなかった。
それどころか、IT企業のSEは開発拠点のビルに泊まり込みで、昼夜なく頑張ってくれた。それでも
結局、稼働を4カ月延期して、6月にサービスインした。

このときのIT企業の「SE魂」には、今でも感謝している。過酷な開発状況を賛美しているわけでは
ないが、「やってやろうじゃないか」という魂の叫びを感じた。「技術をもってすればできないこと
はない」という迫力を、今でも昨日のことのように覚えている。


●2代目は基幹系システムという位置づけ

それから9年たった今、2代目システムの開発、つまり超保険のシステム再構築プロジェクトは順調に
推移している。初代のシステムよりも難易度が高いにもかかわらずだ。というのも、初代システムは
従来型の商品のシステムとは別に超保険専用のシステムを開発したが、2代目は基幹系システムと
位置付けており、超保険以外の商品もカバーする。

順調なのは、初代での経験があったからだ。

要件定義や設計のフェーズで、「最善のものに仕上げよう」というSE魂がプロジェクトメンバーに
わき上がった。とことん改善を尽くす、妥協は一切しないといった方針で、システムサイドから見て
システム構造が効率的になる商品案を積極的に提案した。超保険の特徴を生かしながら既存商品との
親和性を高め、一つのシステムで超保険と既存の自動車保険の両方を扱えるようにするための工夫を
必死で考えた。

ここで、初代での苦労がことごとく参考になった。
初代システムを9年間にわたって保守・運用してきた経験も生きた。SEにしか発想できないアイデア
を提案することができたし、ビジネスサイドにはそのほとんどを採用してもらえた。そのアイデアが、
最終的にシステムのユーザーである保険代理店の方々の使いやすさにつながっている。同時に、
システムの構造をシンプルにすることもできた。


●陰で輝く初代システムの保守チーム

2代目のシステムがフル稼働するのはこの2011年の夏からだが、実は2010年8月から、新規契約について
は一足先に2代目のシステムで処理を始めている。そして今夏、いよいよ初代システムで管理する契約
を2代目に切り替える。

この切り替えに使うシステムが、これまた難解なシステムとなった。旧契約が複雑だからだ。
2010年の秋頃には、SEはフラフラの状態であったが、不屈のSE魂で難局を乗り切ってくれた。

活躍を見せたのは初代システムの保守チームである。

保守チームは難解な初代システムを毎年確実に機能アップさせてきた。代理店のサポートもしてきた。
2011年夏には担当システムが廃止となる運命にあるなか、2代目システムの開発という花形プロジェクト
の裏で、地味ながら堅実に活動してくれた。実に頼もしいチームである。保守チームのメンバーは、
2代目システムの開発チームに劣らずSE魂を持っている。スポットライトが当たらない状況でも、
きっちり大規模プロジェクトをサポートしてくれている。陰に隠れたこの保守チームのSE魂が、
社長の私にはうれしくてたまらない。


超保険のシステムと商品、さらにその商品を扱う保険代理店の方々、もっと言えばその先にいる契約者
の方々を愛するSE集団が、各自の持ち場でSE魂を発揮して、2代目のシステムを完成させつつある。

SEは、世界に存在しないものを作り上げていく仕事だ。SE魂で作り上げてきた超保険システムが、
もうすぐ出来上がる。


以上、横塚氏のコラムでした。

【ご参考】
横塚氏の素顔はこちらでも確認できます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080222/147858/?rt=nocnt


超保険は東京海上日動社の戦略的商品です。
2011年度は、超保険の販売推進による増収効果を137億円(2010年度比+42億円)としています。
また、専業代理店における超保険の販売割合を35%(2010年度比+6.7%)としています。

東京海上日動社の国内事業の屋台骨となる「超保険」の販売を下支えする「超保険システム」の
成否は、同社のマーケティング戦略の成否と直結します。2011年度の経営計画を達成させるため
には、この夏にリリースを向かえる2代目システムを必ず成功させる必要がありますね。

近い将来、プロジェクトXで取り上げられるかもしれませんね。


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