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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「ドコモ ワンタイム保険」 です
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東京海上日動の「ドコモ ワンタイム保険」についてです。


東京海上日動は携帯電話から申し込める医療保険「ドコモ 医療保険」と1日単位で契約する
「ドコモ ワンタイム保険」(1日自動車保険)をドコモに提供開始します。
「ドコモ 医療保険」は2011年7月21日からで、「ドコモ ワンタイム保険」2011年10月からです。

「ドコモ 医療保険」の概要は・・・

「ドコモプレミアクラブ」の会員向けに1年更新型で提供し、ベーシックプランと三大疾病重視
プラン、女性疾病重視プランの三つから選択できるそうです。
例えばベーシックプランの場合、保険料は月額820円でお手ごろな価格となっています。
また、付加サービスとして、ドコモの健康支援サービス「i Bodymo」を契約しているユーザーに
対して、1日の歩く距離などに応じたドコモポイントを付与するそうです。そして、東京海上日動
が提供する、緊急医療相談などを24時間365日受けることができる無料相談窓口(メディカルアシスト)
を利用する特権も付くようです。


「ドコモ ワンタイム保険」(1日自動車保険)の概要は・・・

ドコモ契約者を対象に、1日単位で契約可能で、保険料は1日当たり500円と手ごろな自動車保険
となっています(車両補償を付ける場合は1日当たり1000円)。
ただし、自動車を所有する本人や配偶者は契約できない制度としていますので、既存の自動車
保険マーケットが縮小することはなく、1日自動車保険により、通常の自動車保険のパイが奪われる
ことはないようです。

この保険のターゲットは、親の車や友人の車を運転するなど、運転頻度は低いが自動車保険に
入っていない利用者(例えば大学生など)だといいます。

年齢条件設定をしている親の車を一時的に運転する場合など、保険の必要性を感じながらも
金額面や簡単な手段がないために保険加入していない人をメインターゲットとしていますね。
これまで保険会社の顧客でなかったこうしたユーザーに加入してもらえる可能性が増えるという
意味では、「ブルーオーシャン」戦略といえますね。

既存の自動車保険マーケットのレッドオーシャンとは別に、ブルーオーシャン(※)で稼ぐ戦略
をとっています。

(※)競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」
   とし、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」
   を切り開くべきだという経営論。
   顧客にとってあまり重要ではない機能を「減らす」「取り除く」ことによって、企業と顧客
   の両方に対する価値を向上させる「バリューイノベーション」が必要だと言われています。
   1日自動車保険は、保険期間を減らして、過度な補償を取り除いたケースといえます。
   
   従来からよく知られているマイケル・ポーター氏の競争戦略が、「事業が成功するためには
   低価格戦略か差別化(高付加価値)戦略のいずれかを選択する必要がある」としているのに対し、
   ブルー・オーシャン戦略では、低コストと顧客にとっての高付加価値は両立し得るといわれて
   いますので、1日自動車保険の商品性やコンセプトはまさしくブルーオーシャンそのものですね。


ドコモは「携帯電話を使うことで、保険が必要になったときに迷わず、すぐに契約できるメリット
を提供できる。これは携帯電話のカバー範囲をコミュニケーション以外に広げて、携帯電話の価値
を上げるものだ」と説明していました。 たしかに、携帯というツールで、保険をタイムリーに
買うことができる環境は、消費者にとっては利便性が高まること間違いなしです。


「ドコモ 医療保険」と「ドコモ ワンタイム保険」(1日自動車保険)はいずれもiモードが利用できる
機種からしか加入できないそうですが、2012年3月末にはスマートフォンからも利用できるそうです。
市場は急拡大しますね。


さて、最後になりますが、ドコモと組んだ東京海上日動、ソフトバンクと組んだ損保ジャパンと、
KDDIと組んだあいおいニッセイ同和の2グループ間の違いは何でしょうか。


前者の東京海上日動、損保ジャパンは、保険者として、商品開発をし、ドコモなどの携帯会社の
子会社(保険代理店)を通じて保険商品を消費者に供給します。保険者としては、保険代理店を
介して、消費者から保険料を領収し、募集活動の対価として、保険代理店に手数料を支払います。

携帯電話会社側から見ると、携帯電話ユーザーに対して、保険会社の商品をカスタマイズして、
消費者に提供します。保険料の課金は携帯通話料などとあわせて請求するので、集金には手間は
かかりませんが、募集の対価として手数料を受け取ることができます。

つまり、既存の保険ビジネスの延長がビジネスモデルであり「商品性」が異なります。

一方、後者のあいおいニッセイ同和は、au損保を設立しました。
あいおいニッセイ同和は、このau損保に損害保険会社の機能を移転・技術供与し、同損保を
通じて、新商品を供給していきます。au損保が保険者となり、auの保険代理店を通じて
保険商品を消費者に供給します。ここまでは、上記のビジネスモデルと同じですが、異なるのは、
au損保が引き受けた保険を再保険として、あいおいニッセイ同和が引き受ける点でしょうか。

au側から見ると、保険代理店が手数料を受け取りながら、子会社であるau損保の利益も
出資割合に応じて、親会社に計上することができますので、保険代理店業以上の収益を上げること
が可能となります。


【お金の流れ(概略)】

      (保険料) (保険料・手数料)
前者: 消費者 → ドコモ ⇔ 東京海上日動


      (保険料) (保険料・手数料) (再保険料・再保険手数料)
後者: 消費者 → au  ⇔ au損保 ⇔ あいおいニッセイ 


au損保の黒字化には一定の時間がかかります。マスコミ報道によると、4年後に単年黒字化、
5年後に累積赤字の解消を目標とありましたが、損保ビジネスの浮沈は、商品販売力や損害率の
高低によりますが、長い目で見ると、保険代理店としては、後者のビジネスモデルが魅力的です。
損害保険会社からすると、前者の方が投資コストなどがかからない分、リスクが軽減できます。

どちらに歩があるのかは、ビジネスモデルの成否については、5年後の決算に色濃く反映される
でしょうから、今後の動向を観察したいと思います。


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