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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の政策株式の保有状況 です
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東京海上日動の政策株式の保有状況についてです。

東京海上日動は政策株式として、2,496銘柄数を保有しています。
貸借対照表に記載されている総額は2,246,425百万円という莫大な金額です。

この2,496銘柄の中でも主だった株式は以下のとおりです。
関係強化(いわゆる株式の持合い)が主たる目的ですが、大半が大企業の株式ですから、
当該企業の保険手配は東京海上日動がメインとなり対応しているのではないでしょうか。


・トヨタ自動車   67,095,967株  224,771百万円
・三菱商事     84,331,205株  194,720百万円
・本田技研工業  56,361,800株  176,130百万円
・三菱地所    37,219,544株  52,367百万円
・日産自動車   65,404,351株  48,268百万円
・旭硝子     43,321,919株  45,314百万円
・スズキ     19,776,766株  36,765百万円
・テルモ     8,271,030株   36,268百万円
・SAMSUNG FIRE   1,488,150株  27,318百万円
・伊藤忠商事   30,594,284株  26,647百万円
・花王      12,734,074株  26,423百万円
・新日本製鐵   98,150,967株  26,108百万円
・丸紅      42,476,110株  25,443百万円
・JFEHD    9,975,249    24,279百万円
・三菱電機    23,366,145株  22,945百万円
・蟷杏ケミカル  37,626,393株  19,678百万円
・蟷杏UFJ   51,040,218株  19,599百万円
・三菱重工業   50,400,000株  19,252百万円
・パナソニック  17,699,742株  18,726百万円
・JX HD     30,945,256株 17,329百万円
・日本郵船    51,281,788株  16,666百万円
・蠑松製作所   5,729,258株   16,185百万円
・螢縫灰     8,906,344株   15,274百万円
・旭化成     25,658,463株 14,394百万円
・第一三共    8,791,309株 14,118百万円
・東日本旅客鉄道 3,051,260株 14,112百万円
・武田薬品工業  3,497,940株 13,572百万円
・信越化学工業  3,241,584株 13,403百万円
・富士フイルム   5,102,379株 13,143百万円

上記の通り、各業界でNo.1、またはそれに準ずる企業の株式を多数保有しています。
また、三菱系列の株式が目立つのも三菱系の東京海上の特長でしょう。

特に、トヨタは約2200億円以上、三菱商事は約2000億円、本田は約1700億円という巨額
の株式保有は当該企業が保有する管財物件における保険や職域マーケットの個人分野の
保険などを不動のものにするためのマーケティングコストなのでしょう。


なお、少し歴史的な話になりますが、上記のように持ち合いが形成された要因は、一説
によると以下3つのとおり分析されています。


「高度経済成長を続けた日本では、企業の設備需要から慢性的な資金不足が生じているものの、
 終戦後のハイパーインフレかつ未熟な資本市場という背景があり、企業側の安定資金の大量
 調達の需要と銀行側の成長企業を見つけ業容を拡大させたいという需要が合致した結果、
 メインバンク制が形成されお互いの担保として株式持ち合いが生じたこと」


「原材料会社や部品会社、加工会社、販売会社のような間で長期にわたる取引を行う担保として、
 また総合商社と関係を深め輸出や海外事業の活動を行うために、株式持ち合いが生じたこと」


「1964年に、日本がOECDに加盟したことで貿易資本の自由化が求められていたが当時の証券不況
 だったために、外資による乗っ取りを危険視する声が財界で高まっていたので、財閥系や大手
 銀行系を中心とした企業集団の形成を目的とした株式持ち合いが生じたこと」


株式の持ち合いは、上記要因を見る限りは、当時の判断としては、一定適切であり、日本人の
アイデンティティなども考慮すると、否定は出来ませんが、大なり小なりの危険性がはらんでいる
ことは注意しないといけません。その問題とは・・・


・資本の空洞化を招くことから、会社法上の資本充実の原則からすれば問題がある。
・株主総会における議決権による監視機能が形骸化、さらには経営の歪曲化を招く恐れがある。



それらの危険性も踏まえてか、バブル経済の崩壊以後、会計基準の潮流が取得原価主義から
時価主義へと移行することに伴い、業績の悪い会社の株式を保有し続けることが、決算に悪影響
を与える等経営上のマイナス要因となることから、株式の持ち合いを解消する動きが見られるように
なったことは周知の事実です。今はソルベンシーマージンの新基準への移行を見据えて、損保各社が
政策株式の売却に奔走しています。

しかしながら、損保の経営上の功罪としては、株価上昇に伴う含み益を、株主に還元せず恣意的
に使用してきたことが挙げられます。具体的には、好決算または決算を多少なりとも良く見せるために、
本業(損害保険事業)の赤字を保有株式の売却益で穴埋めしているということです。

つまり、昨今の損害保険会社の決算を評価するには、損益計算書をしっかり見ていく必要があります。
有価証券等の売却益による利益計上が多額(数百億円規模)に及んでいて、損保事業の儲け度合い
の透明性が欠けているような気がします。企業経営は「運用結果」も含めて考える必要はありますが、
長期的に、永続的に、損保経営が継続できるのか否か、判断をするためには、このような魔法の財布
(株式の持合)がなくなることが望ましいのでしょう。

東京海上日動が保有する2兆円超の政策株式の行方はどうなるのでしょうか・・・。
12年度までに数千億円の売却をみこんでいるものの、それでもまだ2兆円程度の株式が残っています。
経営を揺るがす危険分子が残ることは、東京海上しかり、他損保にとっても至急解決する経営課題
なのではないでしょうか。




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