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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは、東京海上日動の財布の中身です
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東京海上日動社の09年度末損益計算書を見てます。

利益に目を向けると、以下のとおり利益が出ていることが確認できます。

税引き前利益が約1,333億円
税引き後利益が約944億円(当期純利益)

この利益が生まれるまでには、保険料収入、保険料の運用収益、保険以外の
事業による収入がある一方で、支払保険金、代理店手数料、損害調査費、
資産運用にかかる費用などのお金を生み出す上で必要な経費が発生しています。

そして、法人ですので、社会に利益を還元するために法人税等を支払い、
その結果残る利益が「当期純利益」となります。

では、上記利益を別の観点から見てみます。

資産運用収益は約1,362億円です。
税引き前利益相当の金額となっていますが、この資産運用収益の主な内訳は・・・

・利息・配当金収入として  約1,084億円
・株式売却益として       約722億円
・デリバティブの利益として   約114億円

単純合計は約1,900億円ですが、積立保険料等運用益振替という科目で
▲約637億円がありますので、その他の収益(約100億円)を足した結果、
約1,362億円となります。

(参考)時価利回り
・預貯金・・・運用額約452億円に対して運用益は約21億円、利回りは約4.7%
・公社債・・・運用額約2兆6千億円に対して運用益は約360億円、利回りは約1.4%
・株式 ・・・運用額約2兆2千億円に対して運用益は約6700億円、利回りは約31%


これだけ見ると、少し乱暴な表現にはなりますが、東京海上日動社という日本を
代表する損害保険事業会社は、本業である損保事業による収入では黒字を確保できず、
副業である資産運用によって黒字を確保しているといえるのではないでしょうか。

これは、「損害保険業界ノススメ」ブログでも一般論としてお伝えしてきましたが、
決算書を具体的に見ていくと如実に表れています。

また上記ロジックを補完するために、09年度末の種目別の儲けを見てみます。

火災・・・損害率42.4%、事業費率47.6%で合計90%
海上・・・損害率66.1%、事業費率25.0%で合計91.1%
傷害・・・損害率58.6%、事業費率44.6%で合計103.2%
自保・・・損害率69.8%、事業費率33.1%で合計102.9%
自賠・・・損害率110%、事業費率23.3%で合計133.8%
賠責・・・損害率46.8%、事業費率26.9%で合計73.7%

以上の通り、傷害と自保、自賠は合計(コンバインドレシオ)が100%を超えていますので、
儲からない商品となっています。この儲からない商品群の構成比率は、全体の約70%です。
内訳は以下のとおりです。

自保・・・48.7%
自賠・・・12.2%
傷害・・・ 8.4%

残り約30%の火災や海上、新種保険等で、保険事業の赤字を埋めているのが現状です。
東京海上日動社といえども、このような台所事情ですから、他の損保も言わずもがなの状況
といえるのでしょうが、これは損保事業の構造的問題と結論付けても良いかもしれません。

そこで、この不況事業の解決策の一つが、保険料の値上げです。
したがって、昨今話題になった、なっている傷害保険料や自動車保険料の値上げについては
各社の決算状況からすると理にかなったものともいえます。

また、話しは少し脱線しますが、保険料を引き上げたとしても、1,2%が関の山ですし、
損害率が改善しない限りは収益が劇的に伸びることもありません。
それでは、どのような戦略をとればいいのか。

「儲かる商品群をたくさん売る」ことにつきます。
儲かる商品を売るためには、商品性の強化と当該商品を販売する代理店チャネルの政策強化が
必要となります。

前者で言えば、火災保険料の補償アップまたは保険料引き下げによる商品競争力の強化。
後者で言えば、銀行窓販を主流の銀行代理店や不動産チャネルの取引拡大。

こんなことも見えてきます。

一個人の財布の中身(所得状況)からも、その人の生活レベルや生活するための工夫、
そして、何を切り詰め、何に贅沢をしているのか。また、可処分所得を増やすための
生活の知恵絞りをどの程度しているのかなどが分るように、企業においても決算書を
見ていくことで、色々なことが推察できます。

ぜひ、損害保険会社の決算書の中身は毎年一回確認するようにしたいところです。


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