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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の企業価値  です
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東京海上の企業価値(2011年2月10日時点)は20,982億円です。 

企業価値は、時価総額と表現してもよいかもしれません。
時価総額とは、市場が評価した株式銘柄の規模を指します。
(株価×発行済株式数で計算されます)


東京海上のデータは以下のとおりです(2011年2月10日時点)。

発行済株式数:804,524,375株
株価    :2,608円
配当利回り :1.92% (株価に対する年間配当金の割合)
1株配当   :50円  (1株あたりの現金配当の額)
PER     :16.00倍(収益に対して、株価が割高か割安かをはかる指標)
PBR     :1.01倍 (純資産に対して、株価が割高か割安かをはかる指標)
EPS     :163.04 (1株あたりに換算して企業がどれだけ利益を上げたかを見る指標)


他方で、参考までにMS&ADとNKSJのデータは以下のとおりです。

【MS&AD】

時価総額  :13,273億円  (TN比 ▲約7,700億円)
発行済株式数:633,291,754株
株価    :2,096円(TN比 ▲約500円)
配当利回り :2.58% (TN比 約+0.6%)
1株配当   :54円  (TN比 約+4円)
PER     :23.33倍(TN比 約+7.33倍)
PBR     :0.77倍 (TN比 約▲0.3倍)
EPS     :89.84 (TN比 約▲70)


【NKSJ】

時価総額  :10,450億円  (TN比 ▲約10,500億円)
発行済株式数:1,661,409,178株
株価    :629円
(上記以外のデータがありませんのでご了承下さい)


以上の通り、東京海上の企業価値は、MS&ADとNKSJと比べると、約8,000億円〜
1兆円も高いことがわかります。なぜここまで異なるのでしょうか。営む事業に差が
あるのでしょうか。

東京海上HDの事業構成は、以下のとおり8つに区分できます。

1.国内損害保険事業
2.国内生命保険事業
3.変額保険事業
4.金融事業(資産運用)
5.海外損害保険事業
6.海外生命保険事業
7.リスクマネジメント事業
8.その他関連事業

MS&ADは、規模は異なりますが、東京海上HDと同じ事業構成です。
NKSJは、変額保険事業は行なっておらず、海外事業は若干見劣りしますが、概ね
同じ構成です。

東京海上とMS&ADと比較した場合「約8,000億円」の企業価値の違いはどこにあるの
でしょうか(130年の歴史と100年そこそこの歴史との違いでしょうか)。
中核事業である国内損保事業は、MS&ADがトップです。また、連結収入保険料も
MS&ADがダントツトップです。そして、1株あたり配当や配当利回りもMS&AD
のほうが多いです。


2010年4月の株価は、東京海上が約2,800円、MS&ADが約2,700円で、この前後の期間では
MS&ADが東京海上の株価を逆転している時期もありましたが、現時点では500円以上も差
が開いています。これは期待していた「統合効果」が見込めないという投資家(市場)の評価
なのでしょう。

現に2010年度中間決算で比較すると、

東京海上は、東京海上日動社の保有株式の売却を進めたことによる有価証券売却損益の増加
や円高に伴うデリバティブヘッジ益の増加など資産運用損益が大幅増益となったことに加え、
米国フィラデルフィア社を初めとする海外保険事業においても増益となったことなどにより、
連結中間純利益は、前年同期対比239億円増益の952億円でした。
同社のhttp://ir.tokiomarinehd.com/ja/TmhdBusinessHighlights.html

一方、MS&ADは純利益が400億円。統合費用が嵩んだ結果とのことです。
倍以上の利益差が出ています。


この利益差は、損保事業と生保事業における社員一人当たり保険料の金額を比較することで
より明白になるのではないでしょうか。

営業社員一人が担当する代理店数、収入保険料、損害調査の社員が担当する事故件数など、
様々な観点で比較すると、東京海上は業界随一の生産性を誇っていることが推測されます。
(同じ保険事業を同じ地域で営んでいながらも利益に差が出ていることからして、生産性に
 大きな差があるのは自明の理ですね)

今後、東京海上は、従来以上の高い生産性を求めて社内変革を試みるのでしょう。
MS&ADやNKSJは東京海上に生産性の観点で、追いつけるよう、各種施策を検討し、
実施していくのでしょう。

この生産性の差は、将来の保険料差につながると思われます。

生まれた利益を保険料に還元することで、低廉な保険料設定が可能です。利益が出ていないのに、
その低廉な保険料にあわせようとする保険会社はジリ貧となります。

ジリ貧となれば、保険会社の健全性を示す「ソルベンシーマージン」にも影響が出てきます。
その結果、顧客離反が起こり、保険料収入は減るという「負のスパイラル」が発生します。


やや短絡的ですが、企業の価値を決めるものが「株価」だとします。
その株価を左右するものはなんでしょうか。

利益、ブランド、将来性(成長性)、財務の健全性、社会貢献など、様々な分野が挙げられ
ますが、全ての分野で他社比で高い次元に到達することが重要です。
東京海上の時価総額が、他社に逆転された時、東京海上はリーディングカンパニーの座から
転落するのでしょう。これからの3メガ損保の競争は楽しみです。



【ご参考】
日本の時価総額順位(金融機関のみ抜粋)です。

3位 三菱UFJフィナンシャル・グループ 64,811億円
7位 三井住友フィナンシャルグループ 42,393億円
10位 みずほフィナンシャルグループ 36,047億円
27位 東京海上ホールディングス 20,982億円
33位 野村ホールディングス 19,413億円
45位 第一生命保険             14,000億円
49位 MS&ADホールディングス 13,273億円
63位 NKSJホールディングス 10,450億円
64位 りそなホールディングス 10,396億円

銀行がトップを総なめしています。銀行は傘下のグループ企業も多数あるため、時価総額
は損保よりも2〜3倍の規模となっていますが、海外の保険会社は、バンカシュアランス
(保険と銀行事業を営む保険会社)であったり、グローバル展開を積極的に行なっている
ため、銀行よりも時価総額は高い傾向にあります。
時価総額至上主義は一定鎮静化しつつありますが、次世代資本主義の中で、再度時価総額
に焦点があたり始めたときは、銀行グループと保険会社グループの統合もあるのではない
でしょうか。
(銀行と保険の統合まえに、生保と損保の統合として、第一生命とNKSJが統合する
ようなことも考えられますね)


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