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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の海外事業戦略  です
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東京海上日動の海外事業戦略についてです。

新中期経営計画(2011年度)では「海外事業の競争戦略」は重要な位置付けになっています。
数値目標として、利益600億円を目標としており、これは2008年度142億円の実績の
約4倍となっています。次の中期経営計画は2015年なのでしょうが、1000億円程度を
見込むのでしょうか。
2011年度の国内事業の利益計画が1150億円ですから、直近の国内事業と同程度の利益
を海外事業から稼ぎ出す公算となります。


それでは、2009年度の海外事業の実績に目を向けてみます。

東京海上グループは、2009年度のグループ全体の修正利益は1654億円。この中で海外
事業は765億円の約50%と高い割合を占めました。これは、自然再がが極めて少なく、
また、08年度に買収完了したキルン社とフィラデルフィア社が大きな要因となっています。
そして、アジア市場は利益は130億円。海外事業全体の約20%でした。
(上記計画(600億円)を達成させるためには、アジア市場での成否がカギとなりそうです)
他の2メガ損保と比較しても海外事業で稼いだ利益の割合は高いのが同社の特長となっています。


次は、東京海上グループの海外の足跡についてです。

東京海上は創業1879年の翌年から米国・欧州・中国で海外保険事業を開始しています。
戦後から2000年ごろにかけて、日系企業が海外進出するにともない、保険のサポートを中心
に海外に拠点などを出店していました。そして、インドなどの新興国における元受事業を開始し
始めたのは、2000年以降となります。時代背景を踏まえて、海外への布石をしっかり打って
いるのも東京海上の特長です。なお、アジアの新興国の場合は、外資系企業の出資規制がある国
が多いため、現地のパートナー企業との提携の成否がポイントになると考えられます。

そこで、過去のパートナーシップ戦略について、東京海上グループの昨今のアジア進出における
主な足跡を確認します。


2006年度 マレーシアでタカフル事業免許を取得
2007年度 シンガポール・マレーシアの保険グループ「アジアジェネラルホールディング社」
       を買収
2008年度 上海支店を現地法人「東京海上日動火災保険有限公司」に改組
2009年度 インドで合弁会社「エーデルワイス・トウキョウ・ライフ・インシュアランス」
       設立
2010年度 広東支店開設


上記の通り、2007年度にシンガポールの保険会社を買収したことで、シンガポールとマレー
シアでの生損保事業の基盤を確立し、また、マレーシアでは、生保子会社による銀行窓販も開始
しました。特にタカフル事業は、2メガはもとより、他の外資系企業よりも先んじて手を打って
います。また、ASEAN以外に重要なのが、インドや中国における事業展開です。

スイス・リー社等の調査結果によると、インド・中国の保険市場は保険料収入ベースで、生損保
ともに2020年度までに今の3〜4倍程度に拡大すると予測されています。その潜在市場での
地位確立をめざし、東京海上はインドで生損保の両事業を展開しています。

2001年度にインドの肥料会社と合弁会社「イフコ・トキオ・ジェネラル・インシュアランス」
を設立し、インド国内で221拠点を有するにまで至りました。この会社は収入保険料でインドで
4位にまで成長しています。
また、2009年度に金融サービス会社「エーデルワイス社」と合弁で生保会社を設立し、今春の
営業開始を目指しています。この事業は開業10年間で、2500億円〜3000億円の収入
保険料を見込んでいますので、ビックビジネスとなりそうです。

一方、中国では、最近では広東支店の開設や生命人寿保険への出資(2003年度)など、他の
2メガ損保に負けず劣らずの戦略性をもって中国市場でのビジネス展開を実施しています。

新興国やインド・中国での事業展開を勘案すると、2011年度の海外利益(目標)は、多分
達成できるのではないでしょうか。


東京海上のみならず、他の損保においても、海外事業展開においては、リーマンショックから
いち早く回復し、かつ、世界経済を牽引している新興国、そしてGDP成長率、保険市場成長率
の高いアジア市場への投資が重要と考えられています。国内市場が縮小均衡である以上、他の
2メガ損保より先んじて、インド・中国・ASEANへの先行投資を行ない続けることが求められ
るのではないでしょうか。当該地域への投資活動は確実に行なっているものの、アジア進出に
おいては、「フィリピン」、「ラオス」、「カンボジア」への進出が果たせていません。
アジアでの存在感を示すためには、これらの地域にも現地法人や拠点出店などを検討する必要が
あるかもしれません。

東京海上日動は、過去、三井住友海上が買収した「アヴィヴァ社」の買収合戦で競い負けています。
この買収合戦で勝利した三井住友海上は、アジア市場で高いブランド力を確立し、優位な事業展開
を進めています。東京海上はM&A戦略の考え方として、中長期的な成長確保の観点からM&A基準
として、以下の3点を設定しています。

1.経営の健全性
2.強固なビジネスモデルの保有
3.高い成長性

これらの基準を満たす保険会社の買収工作を進めるのでしょうが、この基準は普遍的であるが故に
他の2メガや外資系保険会社も同じ考えを持っていることでしょう。三井住友海上との敗北を糧に
戦略的・積極的な先行投資は必須です。
今後も引き続き、先進国・新興国の買収合戦が激化することは目に見えていますので・・・。


東京海上は、フィラデルフィア社のビジネスモデルの米国外マーケット(カナダ、中南米)への
展開など、既存事業の多角的発展を目指しながらも、事業ポートフォリオの分散と成長性・将来性
が見込める海外市場への投資や深耕を図る必要があるのではないでしょうか。
次期中期経営計画の内容が楽しみです。


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