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<本日の対象記事(読売新聞 2/14『自動車保険、2台同時契約なら1%割引』>

損害保険ジャパンは2台分の自動車保険を同時に契約すると保険料が1%安くなる
割引制度を4月から導入する。
損保業界では、3台以上を一括契約した場合に保険料を3〜5%割り引く制度は実施
しているが、一括契約の対象を2台に引き下げるのは初めて。
世帯あたりの車の保有台数が多い地域の顧客を中心に囲い込みを図る狙いだ。
今回の割引制度は、同一名義による同時契約が条件。実際に車を使う人は本人と配偶者、
同居する家族が対象となる。


<本日の対象記事(読売新聞 2/18『東京海上、自動車保険を実質1%値上げ 7月から、
                他社追随も』>

損害保険首位の東京海上日動火災保険が、7月から自動車保険の保険料を平均1%
値上げすることが17日、明らかになった。
損害保険料率算出機構が昨年7月、損保
各社の自動車保険料の目安となる参考純率を平均5・7%引き上げたことを受けた措置で、
改定後の参考純率を反映した引き上げは業界で初めてとなる。
自動車保険の収益性が悪化している他の損保も、新たな参考純率に従って値上げに踏み切る
と見られる。東京海上の保険料改定は3年連続。
例えば、「30歳以上で対物・対人が無制限、人身傷害3000万円、車両保険付き」
などで運転免許証がゴールドの標準的な契約者が支払う年間保険料は、9万1390円から
9万1460円に上がる。ただ、補償範囲の見直しも行っており、実質的に保険料負担が
軽くなるケースもあるとしている。自動車保険を巡っては08年から値上げが相次いでいる。



少子高齢化や自動車販売の売れ行きなど日本経済の行き足に影響され、損害保険会社の
主要商品である自動車保険が減収傾向にありますが、減収を止めるためには、売り上げを
上げる必要がありますが、その自動車保険料の売り上げの方程式はこんな感じでしょうか。


(保険料単価 × 契約件数 × 販売網の数) × 商品差別性(競争力) 


上記の記事をこの方程式に当てはめると、

損保ジャパンの複数台割引は「保険料単価」と「商品差別性(競争力)」にプラスの影響が
あります。一方で、東京海上日動の保険料率アップは「保険単価」にプラスの影響がある反面、
「商品差別性(競争力)」にマイナスの影響があります。

このプラス・マイナスの影響については、各保険会社に所属するアクチュアリーが定量的に
測定し、プラスの影響として「増収額」に置きなおし、マイナスの影響として「他社流出
可能性」をはじき出します。

この商品戦略は社運がかかっていると言っても過言ではないと思います。
マーケティングの世界では、「価格設定は、マーケティング戦略全体の目的に照らして行う
必要がある」 といわれています。そこで、本日は、保険会社においては「保険料単価」や
「保険料率」と呼ばれていますが、世間一般や学術的には「価格」と捉えられているものを
マーケティング戦略の観点から考えてみたいと思います。


まず、「価格」はマーケティング・ミックスの主要な要素であり、マーケティング戦略全体の
目的と切り離して考えることはできません。すなわち「製品」「流通」「プロモーション」
などの決定や活動と相互に関係しあっています。

例えば、一般に高価格商品は「高品質」とみなされる傾向があり、、そのような商品特性に
ふさわしい「流通経路」(販売チャネル)を選択しなければなりません。
また、販売促進においても、価格や商品イメージに見合った形態や販売方法が求められます。
こうした消費者の心理や行動も価値観の多様化やインターネット販売など流通の革新により
流動化している点も認識しておく必要があります。保険業界に置き換えると、「ダイレクト
通販会社」の台頭であったり、説明責任を果たすための募集品質の確保などが該当します。

つぎに、商品の価格を決定するにあたっては、まず「コスト(費用)」が考慮されなければ
なりません。市場シェアを高めるために原価割れの価格設定をするケースも短期的な戦略
としては考えられますが、これは例外というべきでしょう。
(でも損害保険の場合、同一契約者で複数種目の販売実績があると、単一商品の損害率だけ
 を見て、保険料率をアップさせることは難しいですね、特に法人契約は・・・。)

また、市場における需要予測や競合商品の価格は、価格設定の大きな判断材料になります。
保険商品における品質やサービスの差別化が難しくなりつつある現状では、市場や消費者
ニーズに合わせた価格変更も重要なマーケティング活動になっています。

一方で、バブル経済の崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショックなどの経済環境の激変や
保険金不払などの不祥事件を経て、保険会社(売り手)の論理に基づく一方的な価格設定
では、消費者は保険商品を買ってくれなくなりました。
というよりも、潜在ニーズが高いので必ず買ってもらえるものではありますが、保険代理店
が商売しづらくなったというのが実情でしょうか。

現在の消費者は保険商品を購入することでもたらされる、その商品の総合的な価値が、
代価として支払う価格と等価以上かどうかを吟味し、その上で競合商品とも比較検討します。
インターネットに代表される情報の大衆化がこうした吟味・比較をさらに容易にしています。

これは、価格の決定権は保険会社ではなく、あくまで消費者にあることを十分認識し、
消費者の期待する価格レベルがどこにあるのかを出発点に価格を設定することが求められます。

(これは「消費者志向」と呼ばれていますが、保険会社はこの消費者志向に則り、価格設定を
 しているのでしょうか。疑問です。)

したがって、価格が消費者の期待レベルに見合わない場合には、原価低減などの企業努力が
求められることになります。この企業努力を保険会社はどの程度しているのでしょうか。)

最後に、価格設定のポイントです。

価格設定方法は

 “駘
 競争
 需要    

上記 銑のうちどれを最も重視するかにより異なります。
「費用」を重視するコスト・プラス法による価格設定は、保険会社都合の価格設定方法です。
また「競争」重視型の価格設定では、市場の実勢価格と横並びに価格を設定する実勢価格設定法
などが代表的ですが、どちらも消費者志向とはいえません。

現代の消費者志向のマーケティングにあっては、あくまで消費者が、その商品がもたらす価値の
代価としていくらなら購入してくれるか、言い換えれば消費者が共感できる価値をどれだけ提供
しているか(「需要」の把握)を客観的に判断して価格設定を行うことが基本となります。

すなわち「需要=消費者ニーズ」が、コストや競合状況よりも優先されるべきなのです。
消費者が期待する価値を、消費者が支持する価格で提供できるかどうかが、これからの保険市場
における勝者の条件になるのではないでしょうか。


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