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<本日の対象記事(レスポンス1/26『あいおい損保、CTI機能搭載の事故対応
 システムを開発』>
(※日経新聞)


あいおい損害保険は25日、事故対応システムと電話機能を一体化させることで、
顧客の電話番号から即座に事故情報を自動検索し「お待たせしない電話応対」
を実現するCTI(コンピューター・テレフォン・インテグレーション)機能を
搭載した事故対応システム「アンサンブル」を開発したと発表した。
このシステムでは、契約者の発信電話番号から自動的に事故情報を検索して
「該当の担当者」を選定、担当者の電話にダイレクトに着信する。
取次ぎなどで待たせることなく応対する。また、該当の事故担当者が電話中や
不在の場合「着信振り分け機能」により、顧客と最後に電話応対したスタッフ
の電話に着信する。

事故担当者のパソコン画面には、顧客の発信電話番号から自動的に「該当の
事故情報」を検索し、事故情報を表示することで「いつの事故」の「誰から」
の電話か即座に判別でき、スムーズに応対する。システムは、2月から全国展開
を開始し、2011年3月末までに全てのサービスセンターに導入する。
ダイレクト保険の台頭で自動車保険の獲得競争が激化しているため、顧客サービス
を差別化して顧客満足度の向上を図る。



各損害保険会社は、保険金不払問題以降、今まであまり積極的に投資できて
いなかった保険金支払いシステムや事故時の対応システムへのシステム投資を
すすめてきました。
大手損保社は既に新システムを稼動させ、保険金支払い対応力(事故対応力)
を高めることに注力しています。また、損害査定部門の経験者が役員に昇格
するなど、損害査定部門の社内での位置付けも高まってきています。

さて、今回はあいおい損保が事故対応システムと電話機能を一体化させた
「CTI」を導入したとのことです。
このシステムの効能は、主な点は「契約者を待たせることなく応対できる」
ことなのだと思いますが、「待たせる」ことのデメリット、「待たせない」
ことのメリットはどの程度あるのでしょうか。
一般的に言えば、待たせるより待たせない方が良い。待つより待たない方が
良い。ということはいえますが、それでは企業において顧客を待たせること
のデメリットや待たせないことのメリットが定量的に測定できるのでしょうか。
または、そのような効果を仮説検証されたケースがあるのでしょうか。

既に読まれた方もいるでしょうが、ジェームズ・ヘスケット著の
「カスタマー・ロイヤルティの経営」という顧客をロイヤルカスタマー化する
ための指南書があります。

本書では「待たせる」「待たせない」についてマーケティングの観点から
面白い記述がありました。
「順番待ち行列の8つの法則」として紹介されていますので以下に転載します。


1.何かをしている時間より、していない時間のほうが長く感じる。

 だから、ディズニーでは、ぬいぐるみを着たキャストが、順番待ち行列の客を
 楽しませる工夫をしている。


2.行列が動いているより、止まっているほうが、長く感じる。

 航空会社は行列の後ろに従業員を出してサービスする。ひとつは、簡単な質問を
 受けるため、もうひとつは、行列が動き始めたと感じさせるため。


3.心掛かりなことがあって、順番を待っているほうが、長く感じる。

 ディズニーのアトラクションの行列より、歯医者の順番待ちのほうが気になる。


4.いつまで待てばいいかわからないほうが、わかっているのより、長く感じる。

 だから、ディズニーは、順番待ち時間の残りを知らせている。


5.解説なしの順番待ち時間のほうが、解説つきの場合より、長く感じる。


6.不平等な順番待ち行列のほうが、全員平等な順番待ち行列より、長く感じる。

 たとえば、航空会社で最近一列の行列が増えている(フォーク状の行列)。
 一列のほうが長く見えるが、実際は早く進む。何列かに分かれた場合、
 列によって進み方に差が出てしまう。簡単にすむ人の間に、時間のかかる人が
 混じったりするから。


7.サービスの価値が高ければ高いほど、顧客は長い時間ガマンする。


8.グループで順番を待つより、一人で順番を待つほうが、長く感じる。



上記の8つの法則を損害保険会社やグループ会社の中でどのように応用し、
そして今のオペレーションを改善できるか、を考えることで、お金をかけずとも
契約者に対して様々なことができると思います。

たとえば、法則1の「何かをしている時間より、していない時間のほうが長く
感じる。」の場合であれば、契約者(もしくは保険代理店の方)が来店した時に
待ち時間に何かをさせたり、何かを見せたりするなどの対策をとることで、
待ち時間を短く感じ、満足度が高まることでしょう。

他には、法則4「いつまで待てばいいかわからないほうが、わかっているのより、
長く感じる。」であれば、待ち時間の残りを知らせるという、ひと手間をかける
だけで、満足度が改善されるのです。
たとえば、契約者が来店した時、電話をかけてきたとき、「あと10分くらい
お待ちいただくことになります。」とはっきり言ってもらったほうが、
「あと、どれくらい時間がかかるかわかりません。」よりも、会社に対する印象
がよくなります。 特に、保険金支払い時などは、「保険金は、○○が▲▲日迄に
済むという前提で●●日頃の着金になります」と明言したほうが良いかもしれません。

また、残り時間がわかると、その時間をどうすごそうかと考える余地がある分、
契約者はよろこぶのではないでしょうか。一般論として、
契約者が「あと10分は、コーヒーでも買いに行って時間をつぶすか」と考えるのと、
「いつになるかわからないなら、何もできないよ」と考えるのとでは、保険会社に
対する印象がまったく異なるのではないでしょうか。

今回は「待たせる」という観点から考えてみましたが、実は顧客満足度を向上させる
ために最も大切なのは、何よりも保険会社の社員の「心がけ」なのではないでしょうか。

電話を下さった契約者が今何を必要としているのか、何を最優先に考えて欲しいのかを
いち早く理解し、対応できるような社員を育てるための教育方針や指導が肝要となります。

そのためにまず必要なのは、契約者の話をじっくりとよく聞く、という技術かもしれません。
「人の話をよく聞きなさい」というのは、幼いころから誰もが教えられることですが、
これが本当にできる人というのは以外に少ないものです。
人は誰でも自分の主張を受け入れてほしいという願望を持っています。そのため、
ついこちらの意見ばかり主張してしまい、相手の言い分をきちんと聞くことができないこと
も多々あります。
しかし、保険会社の社員として契約者と話をする際に、これではどうにもなりません。
契約者が話をしている途中でかぶせるように話したり、否定したり、説き伏せたりしては、
損保社員として失格だと思います。大きなアクシデントに見舞われて通常の状態ではない
契約者に対しては、まずその話をじっくりと親身になって聞く必要があります。
そうすることで契約者は落ち着きを取り戻し、事故解決への本当の話し合いが始められる
のではないでしょうか。
数ある保険会社の中から自分の会社の商品を選択された契約者のために、感謝の気持ちを
込めた対応をすることが大切ですね。

システム投資などせずに、顧客満足を高めることも大切です。
システム投資は顧客満足を高める手段のひとつですが、そのシステム投資の原資は契約者
が支払っている保険料なので、保険料をそのような形で還元されるのを契約者は喜ぶでしょうか。

システム投資の費用対効果の検証は、顧客基点で考える必要もありますね。

本日は「顧客満足」について考えてみました。

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