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<本日の対象記事(日本経済新聞1/13「第一生命社長に渡辺氏「欧米に並ぶ生保に」
                   4月に株式会社化」>



第一生命保険は12日、4月1日付で渡辺光一郎専務(56)が社長に昇格する人事を発表した。
斎藤勝利社長(66)は代表権を持つ副会長に就く。第一生命は4月に相互会社から株式会社に転換、
株式を東京証券取引所に上場する。株式会社化にあわせて経営トップに就任する渡辺氏は12日の
記者会見で「欧米大手に並ぶ生保グループを目指す」と語った。斎藤氏はこの時期に社長交代を
決めた理由について「株式会社化を機にトップ交代し、新たなスタートを切るのがいいと判断した」
と述べた。第一生命は株式会社化に伴い、700万人を超える契約者に、株式や、株式の持ち分に
相当する現金を割り当てる。同社がNTT(103万人)を超える日本最多の株主を抱える企業になる
のは確実だ。



近年、世界各国で保険会社が株式会社化する動きが加速していますが、日本でも平成12年6月の
保険業法改正によって制度上可能となり、株式会社化する相互会社が出てきています。その中でも
最近注目を浴びているのが第一生命です。

相互会社が株式会社化するメリットには、大きく分けて2点あると考えられます。

1点目は、株式市場から資金調達ができることがあげられます。
たとえば、市場の下落などによって目減りした自己資本の強化を図りたい場合、相互会社では、
契約者への配当後のわずかな内部留保を積み立てていくしかありませんでした。株式会社になれば
株式発行によって自己資本強化が図れます。また、相互会社での資金調達は基金の募集によるわけですが、
この基金は利息をつけて返済する義務がありました。しかし、株式会社化すれば、返済義務のない増資を
活用した柔軟な資金調達が可能となります。

2点目は、金融機関の資本提携や再編を容易にし経営戦略の柔軟化を図ることが挙げられます
今のままでも相互会社同士もしくは相互会社と株式会社の合併は可能ですが、あくまで保険会社同士という
しばりがあります。他業態との連携も視野に入れる場合には、相互会社のままでは融通が利かない現状が
あるのです。損保ジャパンとの連携も視野に入れてのことでしょうね。
持ち株会社を活用して経営の多角化を図るという案もあるわけですが、相互会社では株式がないために
持ち株会社の傘下に入ることはできません。また、保険会社はいまアジアを中心に海外進出を積極的に
薦めており、株式会社であれば積極的なM&A展開も容易になります。
こうした事業展開の自由度を確保することが株式会社化の大きな目的となっているのは周知の事実です。


これらのメリットを享受するためには、大きなコストと時間を費やすことになります。
また相互会社はこれまで他社の安定株主となることで、その企業の新入社員の保険契約などを有利に
獲得できたため、他の企業の大量の株式を多数保有してきました(いわるゆ株式の持合的なもの)。
しかし、株式会社化すれば、経営合理性の観点などからも、保有株式を圧縮するために放出していくことが
予想されています。相互会社の株式会社化は、名前だけでなく財務内容にも大きな変化をもたらすことに
注意が必要ですね。

ここまでは株式会社化のメリットですが、増資や株式会社化により経営の自由度が増したことで海外展開
や損保との連携を強めるなどの多角的な経営戦略を模索できる状況になる第一生命ですが、この経営戦略
にかんして古典的な考え方があります。

経営学の中では有名なアンゾフの「成長マトリックス」という考え方です。
今回はこれをご紹介します。

成長マトリクスとは、製品と市場の関係をマトリクスで分析し、それぞれに対して戦略を考えていくという
ものです。1965年にアンゾフ(H.I.Anzoff)が『企業戦略論』に発表した概念で、製品と市場をそれぞれ
既存製品・既存市場・新製品・新市場の4つのマトリクスに分け、それぞれに伴った4つの戦略概念を提唱
しました。具体的には、以下のとおりです。


1.市場浸透戦略(Penetration Strategy) 

 現在の市場でいかにシェアを上げていくかという戦略で、既存顧客への販売量増加と潜在顧客の掘り起こし、
 販売促進や顧客サービスの充実、商品ラインの充実などが中心。

 (1)顧客購入量を増加させる
 (2)競争企業の顧客の誘因
 (3)非使用者の説得

2.新市場開拓戦略(Development Strategy) 
 
 現在の製品をそのまま、あるいは改良して新しい市場に振り向けていこうとする戦略。既存製品を
 開拓市場に広げる。新規出店、海外進出等既存商品の量産効果が見込めるが、多額の資金も必要。

 (1)潜在的ユーザーの発見
 (2)新しいチャネル構築
 (3)新しい販売地域へ進出

3.新製品開発戦略(New Product Development Strategy) 

 現在の市場のシェア拡大のために新製品の開発・導入を行う戦略。既存のチャネルと顧客を利用する
 ことで販売コストの低減を図る。

 (1)改良(性能改善、機能追加)
 (2)他の市場で既知製品を既存市場で販売
 (3)市場になかった製品を開発

4.多角化戦略(Unrelated Diversification Strategy) 
 
 新しい製品を新しい市場に投入する戦略。既存事業とは関連の低い(ない)事業に進出するので
 リスク分散の意味もある。

 (1)既存製品との関連製品
 (2)既存市場との関連市場
 (3)新製品を新市場に


それでは読者の皆さんに質問です。
上記4つの戦略のうち、第一生命が取ろうとしている戦略は1.〜4.のどれでしょうか。。。

答えは、損保ジャパンとの提携強化によるものは1.と考えれます。
また、アジアを中心とした海外戦略は2.と考えられます。

このように保険会社の経営戦略は定石の考え方に基づいて策定されているということが分ると
面白いと思います。是非自社の戦略や取引している保険会社の経営戦略を分析してみてください。
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