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<本日の対象記事(日経新聞12/28「金融庁、朝日火災海上とヤマト運輸に改善命令 運送保険で」>

金融庁は28日、朝日火災海上保険に対して、同社の所属代理店であるヤマト運輸が募集人資格の
ない者に運送保険を募集させていたとして、業務改善命令を出した。違反行為はヤマト運輸が
荷受けを委託しているコンビニエンスストアや米穀店で長期間かつ全国的に行われていたという。
問題が見つかった運送保険は、ヤマト運輸と沖縄ヤマト運輸が高級品などを送り届ける際に
付随して提供している。ヤマト運輸のドライバーは運送保険を扱えることになっているが、
資格のないコンビニ店員らが重要事項の説明もなく保険を募集していた。金融庁はヤマト運輸に
対して、送り状を用いた運送保険の募集業務を2010年1月15日〜21日は停止するよう命じた。
朝日火災海上とヤマト運輸への業務改善命令では法令順守や内部管理の徹底を求めている。


驚くような記事が出ていました。
損害保険会社に対する業務改善命令はよく目にしますが、保険代理店にも募集業務等の業務停止を
命じるケースは相当レアですね。それだけに、損害保険業界において、保険代理店においては
インパクトのある話題だと思います。

この行政処分にたいしてヤマト運輸は同社HPにて以下のとおり謝罪しています。
(ヤマト運輸HPからの転載)

【運送保険募集業務に係る行政処分について】

ヤマトグループのヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区・代表取締役社長 木川 眞)は
関東財務局より、沖縄ヤマト運輸株式会社(本社:沖縄県糸満市・代表取締役社長 鹿島 利明)は
沖縄総合事務局より、保険業法第306条ならびに第307条の規定に基づく行政処分(運送保険募集に
係る業務停止命令、業務改善命令)を受けました。お客様をはじめ関係者の皆様に多大なご迷惑を
お掛けし、心からお詫び申し上げます。

今般の行政処分は、朝日火災海上保険株式会社の代理店である弊社が、社内調査を行う中で、
小口貨物の運送保険について不適切な募集を行っていたことを認識したため、朝日火災社を通じ
自主的に申告し、同運送保険に係る募集管理態勢に対して改善を求められたものです。
弊社は、今回の処分を厳粛に受け止め深く反省しますとともに、対応策を着実に実施することで
再発防止を徹底してまいります。


自主的に社内調査、保険会社への申告・・・ちょっと信憑性について疑ってしまいますが、そこは
本質ではないので触れませんが、ヤマトグループとしての企業理念には以下のような記載があります。


【企業不祥事への対応】

ヤマトグループは、万一、企業理念に反するような事態が発生した時には、経営トップ自らが問題解決
にあたる姿勢を明らかにし、原因究明と再発防止に努めます。


経営トップ自らが動いて内部統制強化を図るようですが、これは当たり前のことですね。
しかしながら、このような当たり前のことができていないから、小さいコンプラ違反が中々見つからず、
大ごとにまで発展してしまうのではないでしょうか。

大企業の機関代理店の保険業務に関するコンプライアンス意識の低さが露呈された結果だと思います。
これは保険会社の教育も行き届かず、もしくはパワーバランスが保険代理店側優位になっているため、
保険会社が言いたいことを言えないのかもしれません。今一度コンプライアンスの意義やその重要性を
認識する必要がありますね。

コンプライアンスについては、MBAの授業でもしっかりと学びます。
企業人倫理が欠如すると、企業経営が立ち行かなくなるからです。
MBAは経営者養成学校ですから、しっかりと倫理についてケーススタディーをもとに学習し、理論と
実践の手ほどきを研究します。


コンプライアンスとは、社会環境の変化から出てきた(必然的な流れですが)「法令や規則を遵守する」
という意味です。

事業活動において法律を遵守すること、広くは倫理や道徳などの社会的規範を守って行動することです。
企業不祥事が企業に与えるダメージは、事態収束のために要する直接コストのみならず、信用失墜、
ブランド・イメージ低下、社会的制裁など極めて大きいと思います。損保ジャパン、三井住友海上、
東京海上日動、日本興亜の業務停止(一部停止)といった行政処分が記憶に新しいですが、相当程度の
社会的影響があったと思います。

損害保険会社をはじめとし、企業不祥事が発生しないようにコンプライアンスを重視することは経営の
最重要課題の1つとなっています。その背景は・・・・。

コンプライアンスは、欧米の企業では以前から普及している概念ですが、日本でも後を絶たない不祥事を
背景に重視されるようになりました。具体的な活動としては、事業に関わるコンプライアンス課題の把握、
課題解決のための体制・ルール作りと実行、そして実行の結果に対する評価・改善といった一連の
マネジメントサイクルをまわし続けることです。 いわゆる「PDCAサイクル」です。

より具体的には、行動基準の制定、社員(保険代理店)全員への教育・周知徹底、定期的なチェック、
コンプライアンス重視の企業文化の醸成、内部通報制度の構築などが挙げられます。


コンプライアンス重視の流れに対して、保険代理店からの反発は相当あります。社員も少し懐疑的な思い
があるのではないでしょうか。しかしながら、経営陣や本社部門からすると重視せざるを得ない理由が
存在しているのです。その理由が以下です。

1.法的な責任追及が厳格になったこと
2.国際化社会においてグローバル・スタンダードが要求されるようになったこと
3.個人の権利意識が明確になったこと    などです。

これらは社会的潮流を見ると必然的なものであると言えるのではないでしょうか。

違法な行為をチェックしておかないと、募集業務の停止や承認認可の取り消し、高額の損害賠償を請求、
企業の信用やブランドに傷が付き、不祥事によって企業が倒産する可能性すらあります。


そこで保険会社は、これらのリスクを回避するためには、「法令の遵守」だけでなく「企業倫理の確立」
が必要となってきています。

適正かつ活動的な企業活動は、社員と役員が企業の使命と社会的意義を自覚し誇りを持って勤務すること
によって初めて生まれるものだと教わりました。それを「コンプライアンス経営」と呼ぶらしいのですが、
このコンプライアンス経営は「法令の遵守」と「企業倫理の確立」の二つを目的とする経営とのことです。

企業倫理の確立は、社会的責任を考慮した企業姿勢やビジョンを持つことまで含みます。
例えば、保険商品などは法令に定められた基準をクリアすればいいというものではなく、より適切で、
より環境負荷が少ないものが求められます。こうした社会の要望に応える姿勢や目標を具体的に打ち出す
ことで、保険会社や保険商品に対する消費者(契約者)や時には保険代理店からの信頼を獲得でき、
ブランド力の強化
にも役立ちます。

そして、「企業倫理の確立」のためには、実践可能な仕組みを作ることが必要です。

損保社員や保険代理店が無理なく法律を守ることができるような仕組みを作り、これを担保するために
不法行為の実行や拡大を防止する監視、報告システムを整備することが必要です。

また、組織の指示命令を重視する行動も必要ですが、一方で、市場の意見を鋭敏に掴み取り、
そのうえで組織としての利益効率と顧客満足度の最適化を図ることもきわめて重要です。主体的に市場
ニーズを掴み、組織内でこれらの情報を一般化・共有化し、組織として取り組んでいくといった視点が
なければ、保険会社と契約者、保険会社と保険代理店の良好なコミュニケーションを構築することは
できないのではないでしょうか。

「魚は頭から腐る」との諺もあるとおり、経営トップの打ち出す経営方針が必ずしも市場ニーズに
合致したものになるとはかぎりません。営利追求を重視するあまり、消費者(契約者)からの信頼を
裏切るような指示命令がなされた場合など、消費者(契約者)の立場に近い営業社員(や時には保険
代理店)が、想定しうる顧客や保険市場への悪影響を組織内部にフィードバックすることも、
ガバナンスの観点からもきわめて重要になります。

以上のとおり「コンプライアンス」とは、理論を学び、その実践をするにもとても難しく、中々最適解が
でてきません。経営コストとコンプライアンス強化がトレードオフの関係にあるからです。
そこに不満足感を抱くのが営業社員や保険代理店なのだと思います。


最後に、日経BP社「ヒューマンキャピタルOnline」で面白い内容がありましたのでご紹介します。

コンプライアンス違反が起きやすい環境および企業体質とは・・・

1.拝金主義(金儲け主義)(消費者や安全を軽視し、利益を最優先する)。
2.秘密主義(隠蔽体質、閉鎖的な体質、バレなければいいという規範意識の欠如。部外者は内部を知る
  ことはできないという認識に由来する)。
3.一族(同族)経営、ワンマン経営(上層部が絶対的な権力を持っている。独裁的な体質。しかし全て
  の一族経営企業がそうとは限らない。経営者の性格によっては逆に違反が起きにくいこともある)。
4.努力義務を遵守する意識の欠如(努力義務の違反に対する罰則や処分が科されないのを悪用する)。
5.自己中心的な幹部、社員、職員が多い。
6.善悪の区別が付かない幹部、社員、職員が多い。
7.殿様商売(自社と商品のブランド力が大手だから、と奢り高ぶっている)。
8.縁故採用または天下り幹部が多い。
9.不祥事を起こした該当者に対する処分が甘い(信賞必罰の精神がない)。
10.精神論に終始したり、当該個人にのみ責任を追及し、組織的・構造的な問題の解決に取り組まない。
11.未上場企業(しかし最近は上場企業のコンプライアンス違反も多い)。
12. 体育会系企業(本質が高圧的態度で、精神論重視)。
13. 行き過ぎた成果主義

なぜか、損害保険会社に当てはまると思ってしまうのは・・・管理人だけでしょうか(苦笑)。。。

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