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<本日の対象記事(日経新聞8/6 「大手損保6社、7月の保険料収入1.8%減 
自動車保険など不振」>

東京海上日動火災保険など大手損害保険6社の7月の保険料収入は5418億円と、
前年同月比で1.8%減った。ニッセイ同和損害保険を除く5社が減収だった。
新車販売の低迷で自動車保険の保険料収入が2509億円と、2.2%減ったことが響いた。
貿易の縮小で海上保険の落ち込みも大きく、22.3%減の205億円だった。

 6社のうちで保険料収入の落ち込みが最も大きかったのは、日本興亜損害保険の
3.4%減。自動車保険の不振に加え、前年度に大口の火災保険の保険料収入を計上した
反動もあった。ニッセイ同和は自動車保険や火災保険が好調で、1.4%増だった。



<管理人サムライのコメント>

国内損害保険事業は少子高齢化ならび経済景況の影響により、頭打ち状態であり、
ジリ貧が目に見えています。このような経営環境において、経営者はどのような戦略を
策定し、講じればいいのでしょうか。

管理人サムライはMBA時代に経営戦略を専攻していましたが、そこで学んだことが
「アンゾフ」という米国経営学者の経営戦略です。
アンゾフのフレームワークは経営戦略の教科書では定番になっていますので、既に
ご存知の方もいると思いますが、参考までにお伝えします。

H.イゴール・アンゾフ(H.Igor Ansoff)は「アンゾフの市場×商品分析」のフレーム
ワークで有名でして、主な著書に『戦略経営』があります。

アンゾフの市場×商品分析とは、企業の成長戦略を検討する上で「成長戦略の打ち手の
選択肢を幅広く考え、どの打ち手にどのような経営資源の配分を行うか」といった問題
を議論する際に用いられる分析手法で「アンゾフのマトリックス」と呼ばれています。

このフレームワークは、

1.参入する市場が「既存」市場か「新規」市場か
2.事業や商品が「既存」のものであるか「新規」のものであるか 

という2軸のマトリックスで

1.市場浸透戦略
2.市場開拓戦略
3.事業・商品開発戦略
4.多角化戦略

の四つの成長戦略を提起しています。。

具体的には、こちらを参考にして下さい。
http://www.nsspirit-cashf.com/manage/aonzof.html


アンゾフによると、企業が長期的な成長目標を達成するためには、上記四つの戦略を組み
あわせて用いることが重要であり、成長目標への貢献度は、企業の現在および将来にわたる
市場地位、各市場の成長性、企業の保有資源などによって異なってくるとのこと。

それでは、損害保険会社にとってアンゾフのマトリックスをもとに成長戦略を検討すると
どうなるのか。

1.市場浸透戦略とは、既存の市場に既存の商品を販売する手法です。
  損害保険会社にとって「既存の市場」とは色々定義の仕方はありますが、乗合代理店
  における他社マーケットは既存の市場となりえます。したがって、当該マーケットを
  戦略的に攻略していくことが重要です。マスコミでは3メガ体制といわれています。
  国内市場は寡占化していますので、3メガグループ内の事業会社は、互いのマーケット
  を食い合うことが即効性がありますが、食われてもその倍を食い返す。
  または「肉を切らせて骨を断つ」的な戦略が必要です。
  この戦略は、乗合代理店から評価されるための人材育成であったり、乗合代理店の
  事務効率を狙ったシステム投資や事務帳票の整備等に先んじて投資などを他社に先行
  して行なうことを指すのだと思います。

2.市場開拓戦略とは、新規の市場に既存の商品を販売する手法です。
  この手法には主に以下3つが考えられるでしょうか。
  1.貿易保険、住宅瑕疵補償など新規に立ち上がるマーケットでイニシアチブを握る、
  2.政治的交渉により政府管轄下の自賠責保険の引受・管理を民間で実施する権利を
    勝ち取る
  3.トラック共済、タクシー共済、傷害補償の共済や賃貸住宅共済などのマーケット
    に合法的に割引を利かせて競争力ある商品で対抗する 
   
  どれもこれも政治的なしがらみや物理的・経済的制約があるので一朝一夕には難しい
  ことではありますが、将来に向かって政府や地域団体との交渉・協議を重ねていく
  必要はあります。
 
3.事業・商品開発戦略とは、既存の市場に新規の商品を販売する手法です。
  これは損保商品における特約の開発が直ぐに頭に浮かびますが、特約の乱開発は 
  商品の複雑化を招き、消費者に対する説明責任を履行できないばかりか、保険金不払
  の再発を招きますのでとりえない手段だと思います。
  そこで、損保の子会社(またはグループ会社)の生命保険やリスクマネジメント
  サービスなどを既存顧客に提供し、収益を獲得していくことになろうかと思います。
  現在、損害保険会社間で多少の相違はあると思いますが、損保契約者が生命保険を
  契約している割合は3〜5%程度と言われています。この割合はどこまで伸ばせるかが
  生命保険事業の獲得する収益に影響してきます。
  これは損害保険会社とグループ内の生命保険会社との協業によるマーケティング戦略
  が鍵を握っています。また、生命保険会社の人材力も影響してきます。損害保険会社
  からの出向者だけに頼ることなく、大手生命保険会社や新興の生命保険会社の一流社員
  をヘッドハンティングして、保険代理店教育ツールの拡充や他社に先行した商品開発を
  指向していくことが重要になると考えています。
  
 
4.多角化戦略とは、新規の市場に新規の商品を販売する手法です。
  これは海外事業への注力であったり、法改正により発生するリスクを補填する保険商品の
  開発やそのマーケットにおけるリーディングカンパニーを目指すことではないでしょうか。
  海外事業は、地域性、投資手法の選択が必要です。
  BRICs、欧州、米国、アジア(除く中国・インド)等のマーケットの内、どこに注力
  するのか、また投資手法としては、現地法人を立ち上げ、新規に顧客を開拓するのか、
  現地の保険会社との提携によりマーケットを開拓するのか、それとも手っ取り早く現地の
  保険会社を買収するのかなど、選択する手法により必要となる資金が異なります。
  買収は人・もの・契約をお金で買えるので、海外事業を展開する上では即効性のある手法
  ではありますが、投資対効果が厳しく査定されます。特に、損害保険会社は海外投資家比率
  が高いため、投資効率などの財務指標が厳しく評価されます。
  そのため、元受保険料のかさ上げだけではなく、利益を追求することも求められるので
  慎重な分析が必要となってきます。


以上のように、損害保険会社の経営戦略は多岐に渡ります。
これらの戦略は、販売網戦略や商品戦略などの事業戦略レベルからはじまり、経営戦略レベルに
至るまで幅広いので、戦略を一元的に管理していく「ホールディング(持ち株会社)」の役割が
重要となります。しかしながら、ホールディング化は戦略を一元管理し事業の機動力を高めること
に寄与するとは思いますが、一方で、ホールディングの守備範囲が広くなるので、ホールディング
に所属する社員が本質を見抜いた評価・検討が実践できているのか、疑問に思うことがあります。

金融持ち株会社という制度の歴史はまだ浅いので、年数が経つと同時に経験が積まれ、実効性ある
経営の舵取りが実践されていくのでしょう。

損害保険会社に所属する社員の方、特に営業社員の方は、いつどこで自分がこのような企画畑に
配属されてもいいように、日々の努力を欠かすことなく、経営全般の知識を高めていくことが
大切ですね。

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