損害保険業界ノススメ

損保業界に関する情報提供ブログ。
社会的公共性の高い事業である「保険」に関心のある人にとっての情報源です。

2007年04月03日

損害保険会社のβ値とは・・・

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FAI今まで、マーケティングや経営戦略、人事組織系の記事をメインに綴ってきました。大半が、「独り言」のようなものでしたが笑。
ちょっと視点を変えて、ファイナンス分野から損保会社を分析してみたいと思います。このような視点で損害保険会社を見ている、もしくは記事としているメディアは過去にないと思いますので、少しは有益かと・・・。
ファイナンスとは、投資に対する利益(リターン)がどの程度で、期待収益率で割り戻すと、その利益は現在価値としていくらになるのか?といったこと。
そしてもう一つが、資金繰りをどうするのがベストかを考えることです。社債発行株式発行自社株償却配当政策などを考えることですね。
難しそうですが、腰を据えて勉強すれば、多分大丈夫です。
今日は「β(べーた)」と言う存在について解説しますね。

β(ベータ)とは、株式市場全体の収益率が1%変化したときに当該株式の収益率が何%変化するかを表したものであり、個別株式の株式市場全体に対する相対的なリスクを表す相関係数のことです。基本は1.0です。
例えば、β値が2.0の場合、市場が10%上昇するとその銘柄は20%上昇することを意味しますが、β値が0.8の場合、市場が10%減少してもその銘柄は8%しか減少しません。

そこで、損害保険会社のβ値をBloombergのサイトで調べてみると、下記の通りです。

ミレア  : 1.134
三井住友 : 1.235
損保ジャ : 1.291
あいおい : 1.254
日本興亜 : 1.094
ニッセ同和: 1.162
富士火災 : 1.191

参考までにトヨタは0.957です。

これらは何を意味しているのでしょうか。

端的に言うと、日経市場が10%上昇すると、掛けるβ値分が上昇することになります。逆に、10%減少すると、掛けるβ値分が減少しますので、β値が1.0以上あることは、平均以上にブレるということを意味しています。トヨタは、平均以下のブレに収まることを指します。調べてはいませんが、電気やガスなど安定した企業のβ値は0.7〜0.9くらいに収まるのだと思います。

では、各社のβ値の違いは何を指すのでしょうか。
最も安定していると考えられるのが、日本興亜社です。最もぶれるのは損保ジャパンです。(この辺は、投資リスクや保有資産のコストなどが各社違いますので、必ず一致はしません。詳細は、コーポレートファイナンスで勉強してください)

今は、損害保険会社は、変額年金への投資、BRICKsへの投資、その他新規事業へ投資をしています。その不確実性がβ値に関係しているのではないでしょうか。
そういう意味では、海外投資、年金事業に積極的に投資しながらもβ値を競合他社如何に抑えているミレアグループは流石と言えるのではないでしょう。この辺の経営判断は、財務部や経営企画部の範疇でしょうね。

β値の意味合いを分っておくと、損害保険会社への株式投資を考える際に重要かもしれません。このブログの読者しか、この辺のことは知らないでしょうね。飲みの席上で、タイミングがあれば、β値を話題にした経営戦略の是非について、上司や損保社員へ話しかけてみては如何でしょうか(笑)
管理人の営業時代は、こんな話しか担当代理店とはしませんでしたが、結構、関心して聞いてもらいましたね、他社社員との差別化にもファイナンス知識を付けることは得策かもしれませんね。
代理店会の宴席で、ファイナンスを余り分らない部支店長へ、ちょっと小難しい話を振ってみて、焦らせるのも面白いかもしれませんね。

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この記事へのコメント

1. Posted by 岩本堯    2007年04月03日 10:50
β値について
損保ジャパンの株価の変動が大きいのは、市場での流通株数が少ないことの影響が大きいはず。(確か資本金は500億円、あいおいの半分)
B値は、ミレアを含めてご指摘の点だけで評価できるものでもないはず。また、このような生半可の理解の基で、代理店の皆さんをあおるような文章を書くのは、常識のある方とは思えないのですが。
(善良な代理店さんに、はじをかかせることになるかも)

>岩本堯さん
コメントありがとうございます。
仰るとおり、生半可での知識で、β値を扱ってしまいました、反省しています。
もっと勉強が必要ですね、
β値は複雑なので、管理人の拙い説明では説明し切れませんでした。
しかし貴殿の理論によると、流通株の多寡だけで決まるものでもないですよね、。
もう少し勉強してみます。

BY管理人
2. Posted by goodday    2007年04月03日 14:06
知りませんでした。とても勉強になります。
貴兄に担当された代理店が羨ましいですね。
こんな切り口で、内部の有り様や業界の有り様、お客様への情報提供など、話し合える社員と代理店の関係ならもっと良いのですけど。。
今まで「今月幾らくらい出来ますか?」って話ししか聞きません(笑)
現状は全てにおいてトップダウン、一方通行の嵐ですね。特にMS社は顕著のようです。双方向のコミュニケーションの大切さを置き忘れているようです。

>gooddayさん
コメントありがとうございます。
お褒めの言葉ありがとうございます、しかし、岩本さんに指摘されているように、管理人の知識は断片ですので、受け取る側の情報取捨選択能力も必要ですね。情報発信の責任を痛感しています。
発信する側の責任と、受け取る側の責任を双方自覚することで、より良い関係ができるのでしょうね。
gooddayさんから担当社員を教育するような形で仕掛けてみたら如何でしょうか。

BY管理人
3. Posted by メンタム    2007年04月03日 23:07
まぁ、旧東京海上の株は、数年前には「日本最大級の日経連動型の投資信託」(つまりいろんな株を保有しているので)といわれていましたからね。そんなもんではないでしょうか?昔の損保は「保有株」に連動してシェアをください、という話をしていましたが、いまや、株の保有はリスクだ、というのが企業営業の人たちでもジョウシキらしいですから(本当かはあやしいですが)。
ジャパンや三井住友がまだまだ数値が高いのは「保有株」のかぶり(つまり、A社の株を旧の安田でも日産でも保有している)が数値を高くしているのではないでしょうか?全体のなかで特定株の占める割合が高ければ、その株式が日経に連動しているような株であれば、β値はたかくでませんか??

>メンタムさん
コメントありがとうございます。
色々視点からのサジェッションありがとうございます。
日経平均に組み込まれている株式の全体の割合は、マーケット全体の60〜70%くらいあると思います。アメリカのS&P500の全体に占める割合は70%だそうです。
日経平均に組み込まれているか否かではなく、その株式のβ値の多寡で、保有側のリスクも変ってくるのだと思います。
管理人はアナリストでもないので、的確なコメントが出来ませんが、今後も考えて生きたいと思います。このように真摯なコメント頂けて嬉しい限りです。
日頃のマンネリ化した日常の中に、何か考えることができると楽しいですよね。

BY管理人
4. Posted by メンタム    2007年04月03日 23:10
あ、そうそう、いいわすれましたが、日本興亜が感応度が低いのは、地方銀行の株式保有が多いため、と思われます。。

>メンタムさん
コメントありがとうございます。
仰るようなことも一つの要因かもしれませんね。
この辺は、管理人を含め、素人には推測ベースになってしまいますが、経営管理や投資の知識の訓練のためのケース、サンプルとしてはよい題材ですね。
また色々教えてください。

BY管理人

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