損害保険業界ノススメ

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  今日のテーマは 東京海上グループの「マングローブ植林」です
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東京海上グループの「マングローブ植林」についてです。


東京海上グループのマングローブ植林活動はご存知の方が多いと思います。

様々な恵みをもたらすマングローブを「地球の未来にかける保険」と位置づけ、
植林プロジェクトを100年間継続することを目指して取り組んでいることに感銘
を受けている方は多いのではないでしょうか。


東京海上日動は1999年から東南アジアを中心に、「マングローブ植林プロジェクト」
を実施しています。マングローブ植林行動計画、公益財団法人オイスカ、国際マン
グローブ生態系協会をパートナーとして、植林地域の政府やコミュニティと連携し
ながら取組んできているようです。


その結果として、2011年度までの13年間で、東南アジア、南アジア、南太平洋
フィジーの計9ヵ国で、7,543ヘクタールの植林を行ったそうです。


この活動は、東京海上日動の創立120周年記念事業の一環として「環境に関する
ことで長く続けられることをしたい」という社員の声をもとに検討し、始めたもの
だそうです。社員の声をこのような形で実現することに、企業としての器の大きさ
を感じます。


また、全国各地の小学校・特別支援学校でも、地球環境教育の出前授業として
「みどりの授業〜マングローブ物語〜」を実施しています。


グループ社員・代理店が講師となって、マングローブの美しい映像や植林の体験談、
会社制服の再利用のエピソードを取り入れた授業を通じて、「生物多様性」を
保全することの大切さを伝える活動を行っています。


2012年3月末までに全国の延べ約510校、約36,000名の児童・生徒に対して授業を
提供しているようですから、これもすばらしい取り組みだと思います。


これらの取り組みはCSRの一環であり、非営利事業ではありますが、これらの
取り組み成果を定量評価したものを発表していますのでご紹介します。


新日本サステナビリティ研究所の協力のもと、タイにおける植林の経済効果を試算
したところ、東京海上日動のタイにおける植林プロジェクト(2000年スタート)は
2010年度までの11年間に植林した1,016ヘクタールを対象に、各種学術論文を参考に、


「現地住民による自給食糧、木材、バイオマス燃料の採集」
「商業的な漁獲高の増大」
「嵐による被害の軽減」
「海岸線の浸食の調整」
「温室効果ガスの吸収」


という項目ごとに効果を試算し、集計する手法をとったところ、経済効果は2030年
には累計で約44.6億円となったようです。また、単年の経済効果は2022年に約2.5億円
まで増加し、2030年以降は年に約2.4億円程度で推移すると考えられているようです。


社員が発案した取り組みが、企業の自然環境保護活動の代表取り組みとなり、また、
日本を代表する保険会社の取り組みであることから社会からの注目も浴び、ブランド
醸成につながり、上記のような経済効果を生むことになるのは、とても誇らしいこと
だと思います。


損害保険会社は、「環境保護」という名の下に、証券や約款の廃止に躍起になって
いますが、これは顧客保護の観点とはやや対立するような取り組みのように思われ
ますが、マングローブ植林活動は、社会にとって、回りまわって日本国民にとっても
大変有意義な取り組みなのではないでしょうか。


もう少し東京海上の取り組みを知りたい場合はこちらを参考にしてください。

http://www.mangrove-world.com/main.html



最後に蛇足です。

ところで「マングローブ」とは何でしょうか。

「マングローブ」という名前がついた植物があるわけではありません。
熱帯や亜熱帯地域の河口など、満潮になると海水が満ちてくるところに生えている
植物をまとめてマングローブと呼んでいます。

たとえば、雪のふる高山に生えている植物をまとめて高山植物と呼ぶように、
海水が満ちてくる潮間帯に生えている植物をみんなまとめてマングローブと呼んでいる
というわけです。

ヤシやシダの仲間も合わせると、世界中では100種類以上の植物が「マングローブ」と
呼ばれているようです。



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  今日のテーマは 東京海上日動の「東京海上研究所」です
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東京海上日動の「東京海上研究所」についてです。


東京海上研究所は、トップ(所長)を隅社長としている、東京海上日動社の
シンクタンクです。

東京海上日動は、地球環境問題の深刻化や社会構造の急激な変化などによって、
企業や個人をとりまくリスクの複雑化や多様化が進んでいることを踏まえ、
同社の経営理念を実現するための手段として、リスクへの的確な対応が必要
不可欠と考えているようです。


その具体的な取り組みのひとつに、人類共通かつ最大のリスクである「地球
温暖化問題」への対処を挙げています。東京海上日動は、2007年に「地球
温暖化に関する総合プログラム」を策定し、リスク研究や商品・サービスの
提供など地球温暖化問題に総合的かつ積極的に取り組む方針を公表しました。


東京海上研究所は、この総合プログラムに沿って、親会社である東京海上日動と
共に進めている「東京大学大気海洋研究所」との産学連携による共同研究や、
東京海上グループ各社との連携を通じて、地球温暖化のリスク研究に取り組んで
いる企業内シンクタンクです。

(来年はこんなセミナーを開催するようです
         http://www.tmresearch.co.jp/seminar/old/s130204.html )


通常、シンクタンクとは、政治、経済、科学技術など、幅広い分野にわたる
課題や事象を対象とした調査・研究を行い、結果を発表したり解決策を提示
したりする研究機関をさします。

また、「think tank」という言葉どおり、「頭脳集団」などと表現されること
もあります。

シンクタンクには、政府系のシンクタンクと民間のシンクタンクがあり、
前者の場合は主に政策の提言などをする政策研究機関となります。


他方、民間のシンクタンクは、金融機関や商社など、大企業のグループ会社
となっている例が多く、企業からの依頼で経営課題の解決や企業戦略について、
専門家の立場で提案・助言などのコンサルティングサービスを行ったり、
評論活動や出版活動などを行ったりして、企業活動をサポートしています。

日本のシンクタンクの場合、多くは「○○○研究所」という名前になっています
が、有名なところでいうと次の研究所となります。。


●政府系
 経済社会総合研究所(内閣府)
 経済産業研究所(経済産業省)
 地球産業文化研究所(経済産業省)
 財務総合政策研究所(財務省)
 総合研究開発機構
 行政管理研究センター(総務省)
 統計調査会
 日本銀行金融研究所(日本銀行)
 日本国際問題研究所(外務省)
 防衛研究所(防衛省)


●金融機関系(都市銀行系)
 日本総合研究所(三井住友フィナンシャルグループ系)
 みずほ総合研究所(みずほフィナンシャルグループ系)
 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(三菱UFJフィナンシャル・グループ系)


●金融機関系(証券会社系)
 野村総合研究所(野村グループ系)
 大和総研(大和証券グループ系)


●金融機関系(保険会社系)
 ニッセイ基礎研究所(日本生命系)
 第一生命経済研究所(第一生命系)
 損保ジャパン総合研究所(損保ジャパン系)
 損保ジャパン・リスクマネジメント(損保ジャパン系)


●企業系
 三菱総合研究所(三菱グループ系)
 NTTデータ経営研究所(NTTグループ系)
 富士通総研(富士通グループ系)
 電通総研(電通系)
 博報堂生活総合研究所(博報堂系)
 三井物産戦略研究所(三井物産系)
 丸紅経済研究所(丸紅系)
 双日総合研究所(双日系)


上記研究所の名前は、各マスコミ誌や新聞各紙で、必ず目にするものです。
「東京海上研究所」の名前は目にする機会は少ないと思われますが、ぜひとも
産学連携による共同研究の成果発表と社会・経済への還元によるステイタス向上
を果たしてもらいたいものです。



同研究所のミッション、スピリッツなどはこちらで確認できます。ご参考まで。

http://www.tmresearch.co.jp/company/mission.html


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  今日のテーマは 東京海上グループの「CI戦略」です
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東京海上グループの「CI戦略」についてです。


東京海上グループのCI戦略について考えてみます。


CIとは、コーポレート・アイデンティティ(英: Corporate Identity 略称:CI)です。

これは、企業文化を構築し特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、またわかりやすい
メッセージで発信し社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略のひとつです。


コーポレート・アイデンティティは、企業が掲げてきた理念や事業内容、また企業の社会的責任等
に基づいて自らの存在価値を体系的に整理して、改めて定めた理念やそれに基づく行動指針を
企業内外で共有することでより良い企業活動を行っていこうとするものでもあります。


主に社会における企業イメージの構築を行うために計画・実行されますが、企業内部においても
価値の共有による意識の向上、また品質や生産性、就職希望者の増加などの効果が期待できます。


日本においては1970年代に導入され始めたようですが、東京海上グループの場合、「ロゴ」と
「サウンドロゴ」があります。こちら(↓)で確認ください。


http://www.tokiomarinehd.com/company/brand/index.html



サウンドロゴとは、企業がCMなどにおいて、自社の呼称や商品名などにメロディを付けたり、
あるいは音声や効果音などの音響でアピールして宣伝効果を高めるブランド手法です。
(東京海上の「トキオマリーン〜♪」は耳に残りますよね)

数秒間程度のわずかな時間で、聴いた消費者・顧客の注意を強く引きつけて記憶されること
を狙って、さまざまな工夫が凝らされています。


また、サウンドロゴと同時に確認できたのが、企業イメージを作り上げる「ロゴ」です。
東京海上の場合、このロゴについて次のように解説がありました。


「ダイナミックな螺旋形が、時代を先取りする創造性と発展性を表し、同時に地球とお客様を
 やさしく包みサポートするイメージを表しています。

 お客様と共に地球規模で発展、繁栄していきたいという願いと決意をシンボリックに表現した
 マークです。球体には、人と地球の貴さを表すゴールド、螺旋形には、知性・スマートさ・
 親しみやすさ・未来などのイメージを表すブルーを配しました。」


色々な思いが込められているようです。
他方、参考までに損保ジャパン日本興亜とMS&ADのロゴとその意味あいについても紹介
します。各社様々な思いや理念が込められています。こちら(↓)をご確認ください。


(損保ジャパン日本興亜の場合)
http://www.sompo-japan.co.jp/topics/download/20121119_1.pdf

明日の方向を指し示し牽引するプラチナの環は、損保ジャパン日本興亜が未来に向かって
世界中の人々と取り結んでいく”新しい信頼”の象徴 とのことです。また、正円と環を
ダイナミックに組み合わせることで、日本を代表するブランドとして「世界で伍していく
会社」を目指すというビジョンを表現したとのことです。


(MS&ADの場合)
http://www.aioinissaydowa.co.jp/corporate/about/news/aioi/pdf/2010/20100204.pdf

とても淡白な解説となりますが、「プロフェッショナリズムの結集」を表現しているよう
です。


以上、各社のロゴ戦略について確認してもらいましたが、このロゴを作成するためにも、
CI戦略が必要となります。


このCI戦略を策定・実行するにあたっては、まずは、その企業を象徴するマークやロゴを
策定することが多いため、「 CI とはマークを新しくすること 」と理解されることが
多いようですが、実は、その本質は企業文化を高め顧客をはじめとする関係者や企業、
社会とよりよい関係を築くことが最大の目的であるようです。


定められた理念は明確で親しみやすい言葉にされマークやロゴとともに統一された使用法
で様々なコミュニケーションに使われています。言葉はその役割により「コーポレート・
ステートメント」「コーポレート・スローガン」「コーポレート・メッセージ」などと
呼ばれます。


ロゴは流行や時代の気分あるいはただ単に新しさを追求して作られるのではなく、あくまで
企業の掲げる理念や特性を視覚化したものとされ、時の変化に左右されることのない
「普遍性」、またライバル企業と明確に差別化するための強い「独自性」を持っていること
が重要とされています。


また、学術的に、CI は3つの要素により構成されると解説もされています。


 MI: マインド・アイデンティティ (Mind Identity)   → 理念の統一
 BI: ビヘイビア・アイデンティティ (Behavior Identity)→ 行動の統一
 VI: ビジュアル・アイデンティティ (Visual Identity) → 視覚の統一


定めた理念を共有し、理念に基づく考え方と行動により商品を開発し、供給します。
そしてその企業・製品の優れた特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、また
わかりやすいメッセージで発信するという一連のプロセスを計画的に実行することで、
社会におけるより良い企業活動、より良いコミュニケーション、より良い関係を築く
ことができ、同時にライバルと明確な差別化ができるようです。


「情報の90%は視覚を通じて伝わる」と言われるように、ロゴ等の視覚的変化が
注目され話題にされることが多くなりましたが、上述したとおり、目に見えない価値
と行動の実践とが「CI戦略」を成功させるためには大変重要となっています。
その意味で、東京海上のCI戦略はとても勉強になります。


また、東京海上だけでなく、次のグローバル企業のロゴについて(英文ですが)、
その変遷が解説されていますのでご紹介します。


(対象企業)

 adobe アップル、キャノン、グーグル、IBM、マイクロソフト など

http://www.neatorama.com/2008/02/07/the-evolution-of-tech-companies-logos/



上記URLを確認いただくと分かるのですが、企業のロゴを創業時から守り続けれることも
大切ですが、時代の変化や事業内容により変化していることが多い気がします。


不思議なのは、変わった時には違和感があっても、次第に慣れて、しばらく経つと
新しい方が良いと思うようになることです(ドコモのロゴもいまではとても馴染んで
しまいました)。


アップルの場合は、創業時のロゴがリンゴの木の下にいるニュートンの絵であり、
そこからアップル(コンピュータ第1世代)のネーミングがあると説明しています。
そして、新しいタイプ(パーソナルコンピュータ)のアップルを販売するために、
複雑なロゴから虹色ロゴに変えたのもジョブズであり、最近のロゴもアップル再生の
ために近代的なイメージを感じるものに変えたようです。


ブランド戦略にも通じるCI戦略・・・侮れません。
お金をかけてでもしっかりと独自のCI戦略を確立させる必要がありますね。



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  今日のテーマは 東京海上日動の「広告戦略」です
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東京海上日動の「広告戦略」についてです。


東京海上日動は、テレビCMを放映していますが、主に3つの観点から広告つくり
をしています。


この3点とは「企業広告」「環境広告」「商品広告」です。


企業広告は、企業イメージの向上、ブランド醸成がその主な目的です。
環境広告は、環境への配慮、環境取り組みのPRを目的としつつ、これも上記
同様に、企業イメージ向上も視野に入れているはずです。
商品広告は、「超保険」「ちょういのり保険」など、売上高を押し上げるために
商品PRを実施することが目的です。

また、上記以外にも保険代理店の活動を前面に出した代理店ブランドの醸成を
企図した広告・CMも製作していますので、幅広いコンセプトで目的を持った
広告戦略を実践しています。


参考までに東京海上日動の広告を一部ご紹介します。

1.企業広告

東京海上日動が1989年から継続して行なっている公益財団法人日本水泳連盟への
支援をテーマにしたCMです。日々の練習や「全国JOCジュニアオリンピックカップ
水泳競技大会」におけるジュニアスイマーたちの真剣な表情や、かつてのジュニア
スイマーである入江陵介選手*の姿を通して、長年ジュニアスイマーを応援してい
る思いが伝わります。
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/cm/cm11/cm11_tv.html



2.企業(代理店)広告
「顔見知りの代理店の存在」を「携帯電話に名前を登録している人」という近しい
距離感で表現し「代理店で保険にご加入いただくことの安心感」を訴求しています。
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/cm/cm10/cm10_2_tv.html




3.環境広告
「あの、マングローブの森をとりもどそう。」
1999年より取り組んできたマングローブ植林活動に対する想いや、この活動を
100年継続していくことを目標に掲げた「100年宣言」を、10年前に植林した
ベトナム・ティエンランの現在の映像で伝えています。
http://movie.tokiomarine-nichido.co.jp/100nen_sengen/100nen_sengen.html




4.商品広告
業界初の自動車保険「ちょいのり保険」の商品特徴を伝えています。
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/cm/cmradio18/40sec.html



以上、東京海上日動社の広告戦略(概略)をご紹介しましたが、これらのCMは
消費者、社会への訴求以外にも副次的効果があると思います。それは、社員の
自社に対するロイヤリティであったり、ブランド意識です。


上記については、学術的には、「インナーブランディング(Inner Branding)」
と呼んでいます。本日はこのインナーブランディングについてご説明します。


インナーブランディングとは、企業が全社的にブランドビジョンを共有化し、
従業員の意識や行動の目標を統一化することにより、提供する製品・サービス
の向上に繋げる施策をさします。そしてインナーブランディングの対象は社員
だけに留まらず、派遣社員、パートタイマー、保険代理店といった、保険商品
やサービスが顧客に届くまでのプロセスに関わる全ての人間が対象となるとも
いわれています。


ブランディングと言えば、商品やサービスのブランディング、つまり顧客に
向けて行うアウター戦略が一般的でしたが、近年は、それに加えて企業の
ブランドを従業員に浸透させるインナーブランディングの重要性が高まって
います。


インナーブランディングは、短期的には、品質問題の発生や従業員の不適切
な行動によるブランド毀損の防止を、中長期的には、従業員の意識変化と
行動変化による企業イメージの向上、労働環境の向上による従業員の定着率向上、
経験効果による業務の効率化などを目的として活用されています。


しかしながら、インナーブランディングは実践が難しく、ブランドビジョン
として描かれるものが企業上層部の理想の押し付けに過ぎないとも考えられて
いますので、営業現場や商品開発現場の具体的なアクションに結びつかない
場合も多いとされています。
(実態は、損保社員がこのインナーブランドを感じているというのは言いがたく、
 自然発生的に、無意識の中で会社への帰属心が芽生えているのではない
 でしょうか)


インナーブランディングを単なる企業スローガンで終わらせないためにも、
自社の業務を客観的に分析し、課題や目標を明確にした上で、具体的な行動指針
を打ち立てることが必要となりますので、たとえば、環境広告のようにマングロ
ーブ植林活動を前面に打ち出すことはよいことだと思われます。


また、インナーブランディングは、従業員満足度(ES)との関連も深いとされて
います。


「サービス・プロフィット・チェーン」というフレームワークでは、従業員満足度
を高めることで従業員の働きにも良い効果が期待され、顧客満足を高めることに
繋がることが説明されていますが、反対に、従業員が自らの働く環境に不満を抱い
ている場合は顧客に対する商品やサービスにも悪影響が生じてしまうようです。


顧客の利益を考えるのであれば、まず、従業員の満足度を高めることから始める
べきなのであるというのが、従業員満足度を高めることの主な理由です。


そのためには、正当な評価・報酬、業務遂行に適した労働環境、福利厚生・教育
研修の充実、といった基本的な指標から、企業の知名度が高い、広告に有名タレント
を起用する、実業団が強い、オフィスのロケーション、といった企業への誇りや
世間体の良さといったものも従業員満足度を高めるために重要視される傾向があり
ます。東京海上日動も左記活動にはとても注力しています。


従業員満足度を高めることで、円滑なインナーブランディングを推進することが
可能となり、結果として、顧客の利益を高めることに繋がるというわけです。


また、近年では、Web掲示板やフェイスブックをはじめとするソーシャルメディア
といったCGMを通じて発信された、従業員の何気ない一言が自社の悪評となって
企業ブランドを貶めてしまう恐れもあります。


そういった事態を予防する為にも、常にインナーブランディングに力を入れ、
従業員満足度を高めておくことは重要な施策になるのではないでしょうか。


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  今日のテーマは 東京海上グループの「キルン」です
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東京海上グループの「キルン」についてです。


2008年3月、東京海上グループは英国ロイズ保険市場を代表する保険グループ
である「キルン」を買収しました。


そのキルンは保険引受能力がロイズ市場の中でも最大級であり、また卓越した
引受エキスパティーズには定評があり、着実に収益の拡大を実現している会社
です。

東京海上グループの持つ資本力と組み合わさることにより、その強さはさらに
増すことは確実で、ロイズ市場において更なる成長を目指すことができるとい
う評判もあります。


そのキルンが今年で創立50周年を迎えました。
50周年記念としてプロモーション動画を制作していましたのでご紹介します。

http://www.kilngroup.com/fifty-years-of-kiln/



登場人物は実在する人であり、すべて英語による解説ですが、本動画をみること
で、「ロイズ」のイメージ、「ロンドン」の保険会社の感じ、職場の雰囲気が
つかめると思います。

8分程ですが、完成度が高く、いかにもイギリスで作成された雰囲気の、楽し
める動画ですので、ぜひご一覧ください。



さて、50周年を迎えたキルンはどのようにして創設されたのでしょうか。


歴史を紐解くと、1962年7月12日、ロバート・キルン氏とそののビジネスパート
ナーが、個人資産5,000ポンドを入れて、ロイズに小さなニッチ引受シンジケー
ト団を設立したのが始まりだそうです。


彼らのビジネス関係は、「双方に信頼しあい、ビジネスとしてキルンの確立
に貢献しすべてが整合的で、卓越性があり、イノベーションの核となる価値
観に基づいて設立された」と表現されていました(同社ホームページより)。


年間保険料は10億ポンド以上に達し、東京海上グループに支えられ、キルン
は200カ国以上にクライアント(顧客)を有しています。キルンは同社のHP
上で以下のコメントを発信しています。


「今日、我々は、財産リスク、マリンリスク、企業リスク、航空、医療·傷害
 保険や生命保険を含む専門家を有し、リスクの多様なポートフォリオを組成
 し、ロイズ市場で4つのシンジケートを持っています。」

「我々は、保険市場において強者としてポジションにあり、2012年度は私たち
 職員全員にとってエキサイティングな年になるだろう」


東京海上グループの一員としての自覚やロイズ市場における立場をわきまえた、
自信が感じられます。


また、同社は今年、「Sunday Times 100 Best Companies To Work For 」
(サンデータイムズのベスト100社)の1社にも選ばれました。


http://www.kilngroup.com/media/press-releases/kiln-named-as-one-of-the-sunday-times-100-best-companies-to-work-for-2012/story.aspx


ロンドンにおいて毎年の恒例であるこの賞は、従業員に向けてのコミットメント
を実証し、従業員にとって働きやすい企業と認識されるものだそうです。
(キルンは初めて認定されたようですが、「3つ星」を認定されたそうです)

(参考)
 ロンドンで開催された式典で、キルンの最高経営責任者、チャールズ·フラン
 クス氏に授与されたようですが、チャールズ氏は次のようなコメントを声明
 していました。


  「私は、我々がこの賞を受賞していることに感激しています。私たちは、
   キルンが設立されて以来、我々は常に人々に力を与えている。
 
   そして、知的で、刺激的で楽しい企業文化の創造に焦点を当てている。
   私たちは創立50周年を祝いつつ、引き続き受賞されるよう頑張りたいと
   思います。」



キルンは、英国、ブラジル、ベルギー、フランス、ドイツ、香港、シンガポール、
南アフリカ共和国などに12のオフィスを有し、400人以上を雇用しています。

また、同社は高い商品開発力と引受エキスパティーズを活用し、料率サイクルに
応じた柔軟な引受を通じた収益拡大が期待されています。また、2011年6月に
同社が出資した米国所在の保険代理店であるWNC社を通じた米国内での収保拡大
や、欧州大陸・アジアにおける引受の拡大も同様です。

その上、高いアンダーライティングを維持し、コンバインドレシオは80%台を
堅持することが見込まれていますので、高い収益力が期待されています。

具体的には、キルンは2012年度正味保険料970億円、修正利益130億円が見込
まれています。2014年度には、同1220億円、同190億円と、デルファイやフィラ
デルフィアなどの海外事業と同規模の修正利益が予想されていますので、東京
海上グループにおける位置づけはとても高いものです。


このように、50年の歴史を持ち、かつグローバルに活躍し、収益性も申し分
ないキルンの「パワー」は、東京海上グループでどのように活用されていくの
でしょうか。

キルン買収によるシナジー効果に注目していきたいと思います。

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「日経4誌の損保関連ニュースをMBA的思考で斬る!」では、損保会社特集が終了したこととに伴い、今週から1週間分の業界ニュースをピックアップした「まるごと損保業界ニュース」をはじめました。
多忙を極めて新聞・雑誌等を読む時間のない方にオススメします。

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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「人事システム」です
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東京海上の人事システムについてです。

東京海上日動が長年にわたり、常に業界をリードしてきた原動力は、「お客様の信頼」
を原点におきながらあらゆる活動をしてきたことで生まれた「社会的な信用力」であり、
また、それを築き上げてきた「人材の厚み」にあると考えられています。


形のある製品を扱わず、製造設備等を持たない損害保険会社にとって損害保険事業に
あっては、「人材」こそが最も貴重な経営資源であるということは、各社共通ですが、
とりわけ一人ひとりの社員が、「情熱」と「責任」と「専門性」を持って仕事に取り
組み、顧客や保険代理店との良好なコミュニケーションを図る力、「人間力」がその
生命線なのではないでしょうか。

さて、その「人間力」を醸成するのは、人事評価方法であり、人事考課制度です。


東京海上日動の人事考課制度は、社員の人材育成を第一の目的とした「育成型人事考課
制度」といわれています。社員のコンピテンシーを客観的に観察・分析し、OJTや適性
に合った職場への配属などを通じて、人材育成に結び付けていくことを目的としている
そうです。

原則、年4回、直属の上司との面接を実施する「役割チャレンジ制度」を通じ、組織に
おいて期待される役割や仕事の目標・課題、コンピテンシーの向上、今後のキャリア
展望などについてじっくりと話し合い、またそれと同時に、異動希望についてのヒア
リングも行うとのことです。


前述のとおり、顧客の信頼をあらゆる事業活動の原点におき、『安心と安全』の提供
を通じて、豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献することを理念に掲げ、収益性・
成長性・健全性において、国際的にも高い実力を発揮する損保業界の雄的存在の東京
海上は、時代変化に対応した優れた人材を生み出すために、社員のポテンシャルの開花
を支援するために、日動との合併時に、ホストベースだった旧来の人事システムの
全面再構築に挑みました。


2003年1月、新人事システム構築のパートナー選びを進め、数社の提案を吟味した結果、
「PeopleSoft」をベースにした開発を提案したヒューレッドパッカード(HP)を指名した
とのことです。

当時のシステム戦略を主管した東京海上日動システムズの責任者は次のように語っています。


「人事業務のスケジュール上、新制度のスタートは2004年7月が最適でかつ必須でした。
 さらに同年10月には東京海上と日動火災の合併が控えていました。残された期間は1年強、
 人事システムのほとんど全てを抜本的に再構築するわけですから、まさに時間との戦い
 でした。その中で、HPはプレゼン段階から制度や業務の主旨をよく理解して実装経験豊かな
 エンジニアを動員していましたし、開発〜運用までをワンストップでフォローする体制が
 できていました」


東京海上日動では毎年5000人規模で行われる定期異動の場合、要員を次々と数珠繋ぎ状に
異動させるような「玉突き人事」ではなく、一人一人の希望や実績、適性やキャリアプラン等
と会社全体の戦略を摺り合わせ、1 to 1で配置していくそうです。


このようなきめ細かい対応を実現させるためには、データベースの徹底した正規化に基づいて、
自在な切り口で活用することができる柔軟なシステム構造が求められます。


さらには、東京海上と日動火災両社で過去別々に蓄積された形の異なる保有情報を新システム
に継承することも必要だったそうです。


会社組織やシステムが新しくなっても、社員の属性情報や異動履歴といったデータを移行投入
して初めてシステムが利用できる状態になります。いわば『データの引越し』ですが、新シス
テムに合わせて、プラットフォームを越え整合性を維持して過去のデータを引越す作業は、
新規アプリケーションの開発とは違った難しさがあります。

(損保ジャパンや日本興亜の合併も似たような苦しみが出てくるのでしょう)


このようなことにもHPは大きな力を発揮し、システムテスト段階でアプリケーションの不具合
と移行データの不具合が混在する中、入念な解析による切り分けと移行テストを繰り返しながら
アプリケーションと移行データの品質の両方を短期間で高めていき、本番移行を乗り切ることに
成功したそうです。


また、人事業務には、春の新規採用や定期異動、年末調整、人事考課など、年間数次にわたる
ピークが存在しますが、期ごとにパターンを分析し、全国の支店・支社からのトラフィック量
やシステムバックボーンのキャパシティを設定したそうです。

HPは、性能検証に専用のチームと環境を配置し、これらの各ピークに対応したシナリオで性能
テストを行い、アプリケーションも含めたチューニングを実施し、困難をすべて乗り越えたそう
です。


「人事」は、会社の目的を実現させるための「人事制度」とその制度を運用するための「イン
フラ」が要となりますが、後者は前述したとおり、「PeopleSoft」をベースにした開発を実施
しました。

前者の制度は、企業秘密の部分でありますので、世の中に広くアナウンスされることはありま
せんが、年次の若い社員を育成する制度として、SENPAI(せんぱい)制度、通称「SP制度」が
あります。


全国型従業員・地域型従業員に関わらず、同じ職場の先輩社員が職場指導員(SP)として、原則
1年間、新入社員の指導・相談にあたる制度です。社会人としてのビジネスマナーや仕事の進め方
について、先輩社員から直接支援を受けることができる制度です。

単に答えを教えるだけにとどまらず、時にはヒントを与えて新入社員が自ら考え、行動し、自分
自身で答えを見つけ出すことができるよう重点的に指導を行うようです。SPとして指導にあたる
のは1年間だけですが、2年目以降も良き先輩後輩として関係が続き、先輩の教えを後輩が受け
継いでいく、という良き文化として東京海上日動に定着している制度です。


「人材の厚み」の裏側には、やはり、地道な取り組みが存在するのでしょう・・・。


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「日経4誌の損保関連ニュースをMBA的思考で斬る!」では、損保会社特集が終了したこととに伴い、今週から1週間分の業界ニュースをピックアップした「まるごと損保業界ニュース」をはじめました。
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  今日のテーマは 東京海上日動の「障がい者雇用」です
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東京海上の障がい者雇用についてです。

社会経済の進展に伴い、以下のような要素が出現し、障がい者雇用が企業にとって
極めて重要性を帯びたものになってきています。


企業に障がい者雇用の社会的責任が生じる理由としては、

‐子高齢化社会による障がい者の社会進出の必要性
⊂子高齢化による生産人口の減少 障がい者の生産活動への寄与
ノーマライゼーション(※)についての意識の高まり
ぅ好董璽ホルダー(株主、従業員、取引先など、企業の利害関係者)は、
 ノーマライゼーションの姿勢を評価するため


上記の「ノーマライゼーション」とは、自分らしく生き、したい仕事や活動が
できる社会を作ることであり、また、社会の一員として、障がい者の自己実現
を支援する態度を意味します。



また、障がい者雇用に関しては、社会的動向を鑑み、日本政府も強力に推進を
しています。そのために、各種の法令や行政指導により、障がい者雇用を促進
しているのが現状です。

障がい者雇用に関する法的規制は次のものです。


‐磴い者雇用率制度(法定雇用率)
 従業員数の1.8%以上の障がい者の雇用義務 (56人以上の企業、それ以下の
 企業も努力義務とされています)


⊂磴い者雇用納付制度
 法定雇用率未達の場合のペナルティとして、一定額を国に納付


障がい者の雇入れに関する計画
 計画達成できない場合の企業名の公表措置


このように国に外堀を埋められているわけですが、企業は「CSR」という観点
から、障がい者雇用の意義を見出しています。とりわけ、東京海上日動は、損保
の中でも群を抜いて、価値を見出しているようです(あくまで形式的なものを
相対評価した結果に過ぎませんが・・・)。


東京海上日動は、障がい者雇用の一環で募集している職種は2つあります。
「損害サービス主任」と「事務担当補」です。


「損害サービス主任」は、障がい者手帳をお持ちの方だけでなく、健常者も中途採用
の対象としており、仕事内容も同じとしています。


「事務担当補」は、障がい者手帳をお持ちの方のみが対象ですが、いわゆる「事務」
の仕事に限らず、本人の能力・適性に応じてさまざまな仕事を担当させるようです。

いずれの職種も「特定社員」としての募集であり、この「特定社員」とは、当初の
契約更新は1年ごとですが、入社2年経過後(入社との関係で最長3年程度の場合
あり)に契約を更新する際に定年制に移行するというものです。

定年年齢は「損害サービス主任」が63歳、「事務担当補」は60歳であり、また、
福利厚生面は入社時から正社員と同様ということから、とても寛容な人事制度を
持っています。

東京海上日動の採用ホームページで、採用実績や採用者のコメントが載っています
ので、こちらで詳細を確認してください。

(採用された方のコメント)
http://www.marine-careers.com/challenged/interview/index.html
http://www.marine-careers.com/challenged/interview/per02.html
http://www.marine-careers.com/challenged/interview/per03.html


(グループでの採用事例)
http://www.marine-careers.com/challenged/case/index.html



そして、次に損保各社の募集状況を確認してください。


たとえば損保ジャパン
http://www.sompo-japan.co.jp/recruit/handicapped/index.html


たとえば三井住友海上
http://www.ms-ins.com/recruit/handi_recruit/index.html


たとえばあいおいニッセイ同和
http://recruit.aioinissaydowa.co.jp/normalization/index.html


たとえば日本興亜
http://www.nipponkoa.co.jp/recruit/shougai.html


上記4社のホームページを確認いただき、思うところは、障がい者雇用の
価値観や力の入れ具合などが異なるというものです。ホームページを充実
させることが目的ではありませんが、企業にとって重要な取り組みである
という認識があればあるほど、思いは言葉や行動として表れるはずです。

東京海上日動の場合、「やらされ感」ではなく、社会的意義を理解した上
での自主的な取り組みのように映ります。他の損保会社も見習うべき点で
はないでしょうか・・・。


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  今日のテーマは 東京海上日動の「若手社員育成」です
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東京海上日動の若手社員育成についてです。

東京海上日動は2014年度から入社3年目の総合職全員を海外研修に送り出すという人材育成
をニュースリリースしていました。

約100人を米国や欧州、アジアのグループ会社や現地法人に2週間派遣し、このうち10人以上
はさらに1〜2年の海外研修を受けさせるというものです。東京海上日動は、2014年度に
利益の4割を海外事業で稼ぐ計画を立てていますが、2015年度以降も継続的に利益を確保する
ためには、将来の稼ぎ頭である若手社員に海外経験を積ませる必要があるのでしょう。

また、若手社員には入社後2年間に英語能力テスト「TOEIC」で700点相当の英会話技能
を身につけさせるそうです。そして、3年目に海外に派遣。現地の外国人社員の営業に同行し、
海外の商慣習を学ぶそうですが、若いうちの経験は将来ビジョンを明確に抱くための糧になる
のではないでしょうか。



経営環境を巡る変化やグローバル競争の中で、日本企業が効果的な対応を行うためには、製品・
商品面を含めた生産・マーケティングや財務面と並び国際事業の推進を支える人材面の対応、
つまり有能な人材の採用・育成・活用−が重要であるといわれています。

東京海上日動もグローバル化を進めている一社ですが、経営のグローバル化を進める上での課題
として多くの日系企業が、「海外要員、赴任者の育成」、「グローバルに通用する経営幹部の
育成」、「グローバルな人材マネジメント体制の構築」を挙げています。


上記の中でも特に「グローバル人材」の育成は最重要事項なのではないでしょうか。
そのため、東京海上日動もコスト度外視で若手育成に注力し始めるのではないでしょうか。


「グローバル人材」については、多くの識者や機関により、様々な定義や概念が提唱されて
いますが、政府の「グローバル人材育成推進会議」での定義や各方面の論議も参考にして
整理すると、(以前のメルマガでも取り上げたことがありますが)

●語学力・コミュニケーション能力
●主体性・積極性・チャレンジ精神・協調性・柔軟性・責任感・使命感
●海外動向や異文化への理解
●体力
●日本人としてのアイデンティティ
●教養・専門性
●リーダーシップ
●公共性・倫理観
●IT 活用力


といった素養を有し、グローバルな視点で考え・行動できる人材といえます。

(これらは日本でビジネスをする上でも重要なスキル・ウィルですからグローバル人材に
 限った物ではないと思いますが・・・)


「育成」という議論においては主に若手・中堅の日本人が念頭に置かれているようです。さらに、
企業のグローバルな展開において有用・必要な人材としては、


・外国人の高度人材、すなわち、日本企業が進出する国の人材(ローカル人材)
・第三国籍の人材(日本と進出国以外の国籍者)
・日本への留学(経験)者

が挙げられます。


現地で受け入れられる保険商品やサービスを提供するには、現地の文化・言語・商慣習等に
詳しいローカル人材の存在は不可欠ですし、グローバルな視点でのビジネスを成功させるには、
国籍を問わず優れた能力の人材を活用することが重要です。


ただ、ローカル人材を指導、マネジメントする、またはローカルに全権を委譲する場合でも
そのような態勢を企画・立案するのは、基本的には日本人になりますから、上記で挙げた能力
を有する人材の育成が必要になります。


人材育成、特に若手社員の育成の観点で、他業界・他社のホームページを調べてみると・・・


・三菱商事:
 若手海外派遣数を11 年から2割増の年155名前後とし、入社8年目までに全社員に海外経験を
 積ませる。


・三井物産:11 年から、既存制度に加え、若手120 名前後/年を実務研修として3 月〜1 年間
 派遣する制度新設。入社5 年目以内に全員に海外を経験させる。


・伊藤忠商事:(既に実施の若手総合職対象の4 カ月以上の海外英語研修に加え)中国等での
 語学研修も実施。


・丸紅:11 年から若手海外派遣を増やし入社8 年目までに全員に海外経験を積ませる(従来は約半数)。


・日立:事務系全員、技術系半数を海外経験を積ませるべく早期に派遣。


・アサヒビール:「海外武者修行」制度。若手社員10名を中国、タイ、オーストラリアなど7 カ国
 に半年間派遣。仕事の義務なし、語学力向上、現地人脈の構築、歴史・文化・風習の習得が目的。


・NTT コミュニケーションズ:入社1・2年目社員30〜50 名を海外現地法人に1 年間派遣(原則TOEIC
 730 点以上の人材を対象)。


また、英語力を強化する取り組みとして・・・


・楽天、ファーストリテイリング:英語の社内共通語化。


・武田薬品:13 年春入社の新卒採用についてTOEIC730点以上を応募の条件化。


・三井住友銀行:総合職全員にTOEIC800 点以上を努力目標化。


・京葉銀行:TOEIC で「730 点以上」「830 点以上」を取得すると人事評価に反映する仕組みを導入。



東京海上日動はじめ損保各社は、他業界の取り組みを参考に、更なるグローバル人材育成・能力強化
にむけた人事制度の確立・運用・定着が求められているのではないでしょうか。


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  今日のテーマは 東京海上日動の「社内カンパニー制度」です
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東京海上日動の「社内カンパニー制度」についてです。

東京海上日動は、2004年の東京海上と日動火災の合併時に、社内カンパニー
制度を創設しました。


社内カンパニーとは、企業内の事業部門を独立採算方式で一会社のように位置づけて
運営する事業部門のことであり、その仕組みを「社内カンパニー制」、あるいは「社内
分社制度」と呼んでいます。


社内カンパニー制は持株会社のような経営管理を、内部組織のままでおこなうための
仕組みです。形式的には事業部に類似していますが、その目的は子会社に近く、事業部制
の場合よりもさらに大きな権限委譲が行われるケースが多いようです。


企業は事業分野別に人材・資本などの経営資源を会社本体からそれぞれのカンパニーに
配分します。資本配分は管理会計の範囲で仮想的に行われ、各カンパニーの責任者は
「プレジデント」と呼ばれ、担当する領域内における全ての権限と責任を委譲されます。
東京海上日動の場合、「●●カンパニー総括担当」と呼ばれています。



また、このプレジデントは損益だけでなく資産効率についても責任を負うものとされています。
従来から取り入れられた事業部制(事業カテゴリー制度)を発展・移行して、社内カンパニー
制度を導入する場合は、損益計算書を改善することにとらわれがちな事業部に対し、それぞれ
のカンパニーがバランスシートを圧縮し、キャッシュフローを改善することにも目を向ける
ことで、全社内での各事業の位置づけを明確にでき、他事業部門との比較が可能となるからです。

子会社の連結決算のように事業部門ごとの垂直連結がおこなえ、マネジメントが個別の事業に
対して集中や撤退の決定もより容易となりますので、事業部門に独立性が生まれ、同じ会社内
であっても、明確な経営体質や企業カラーを打ち出せることがメリットです。

その一方で、独立性が強すぎるため全社的な統一が図りにくく、資産が分散されるため企業全体
の資本効率が損なわれやすいというデメリットについても言及されるケースがあります。


日本では、1994年にソニーが初めて社内カンパニーを導入しましたが、具体的には、責任の
明確化と市場対応の強化を目的に、製品ごとに細分化されていた9事業本部と8営業本部を、
商品群別に8つの組織に集約していました。

(しかしながら、そのソニーは社内カンパニー制度を組織のスリム化、意志決定の迅速化を
 目的に廃止しましたが・・・)


社内カンパニー制移行に伴い、人事制度や賃金設計なども、それぞれのカンパニーの事業内容に
即応した体系に改定するケースが多いようです。たとえば総合電機の東芝では、賃金・勤務に
関する処遇制度の見直しを行い、全社共通の処遇制度とカンパニー別の処遇制度の2階建て方式
を採用しています。資格制度や賃金の基礎部分、退職金手当などは全社共通(1階部分)ですが、
カンパニー別とする処遇制度(2階部分)は、そのカンパニーの職種に応じた水準や支給ランク
を設定し、インセンティブ手当などの仕組みも導入できるように改めたそうです。


しかし、カンパニーへの大幅な権限委譲の結果、本社の弱体化や機能低下などの弊害を指摘する
声が上がってきました。また、カンパニー個別の最適と企業全体の最適の双方を追求した結果、
利害対立が生じて、どちらも中途半端に終わるケースも目立っています。


東京海上日動は、「PCD別社内カンパニー制」を導入しています。

合併当初、合併による規模のメリットを活用し、事業効率を高めるとともに、各事業分野において、
東京海上および日動社のそれぞれの特色・強みを最大限発揮することを追求するため、次のとおり
3つの社内カンパニー制を採用しました。


「パーソナル(地域営業部門)・P」
 パ ー ソ ナ ル ・ P は、各地域の地場企業から個人の顧客に至るまで、当該地域に根ざした
 営業を行う体制をさしています。


「コマーシャル(企業営業部門)・C」
 コマーシャル・Cは、主として法人マーケットにおける個別かつ多様なお客様のニーズに対応
 する営業体制をさしています。


「ディーラー(自動車メーカー・ディーラー営業部門)・D」
 デ ィ ー ラ ー ・ Dは、主として自動車メーカーや系列の販売店(ディーラー)の顧客の
 ニーズに対応する営業体制をさしています。




各社内カンパニーには、総括責任者を配置し、その権限と責任の下、商品の開発から販売まで
一貫した体制を構築し、他社の追随を許さない専門性の向上を図り、それぞれのマーケット
ニーズに、きめ細かく対応していくことを予定していたようですが、社内カンパニー制導入から
8年以上経過した現在、当時企図した効果を発揮できてはいないように思えます。


各カンパニーの総括者は常務以上の役員が務めているようですが、他損保にはないであろう社内
カンパニー制の効果を追求することはできるのでしょうか。


ディスクロージャーでは、以下の4名が総括者として名を連ねていますが、2004年の日動社
との合併時に取り入れた制度だけに、後戻りは難しいのでしょう。。。

佐野常務 コマーシャルカンパニー総括
石原常務 ディーラーカンパニー総括
上月専務 パーソナルカンパニー総括
財部常務 副総括(日動社出身)



生みの苦しみはどんなことにも伴うものです。東京海上日動には、ぜひ、新しいことへの挑戦
と、失敗の経験を生かしたイノベーションの実現に向けて邁進してもらいたいですね。


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  今日のテーマは 東京海上日動の「Green Gift」プロジェクト です
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東京海上日動の「Green Gift」プロジェクト についてです。

http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/csr/greengift/index.html


東京海上日動は、紙使用量などの環境負荷を削減するため、2009年5月から
契約者の賛同のもと、「ご契約のしおり(約款)」を冊子(紙)ではなく、
ホームページによる閲覧(Web約款)方式にシフトし「Green Gift」プロジェクト
を開始しました。


同社は2010年6月末時点ですでに700万を超える契約で「Web約款」への選択が
賛同され、紙の使用量を年間で1,400トン削減したといわれてます。

また、東京海上日動は「Web約款」が選択された契約の件数に応じて、2本の
マングローブの苗木を植林する費用を寄付し、植林を推進しています。


このマングローブ植林プロジェクトは、生態系の回復とCO2の吸収・固定化を
目的として、アジア諸国・南太平洋フィジーの9ヶ国で7,543ヘクタール 
(東京ドーム約1,615個分)の植林を実施しています。


このマングローブの森は、CO2の吸収・固定効果が大きく地球温暖化防止に役立
つ上、津波等の自然災害から人々を守る防災効果を有します。また、「命のゆり
かご」とも言われ、魚やカニ、貝や鳥など豊かな生態系を育むと同時に、住民に
水産・森林資源を提供、植林地域の持続可能な発展にもつながっているとのこと
です。


同社は、地球や人々の生活を守るマングローブを「地球の未来にかける保険」と
位置づけ、植林を100年継続することを目指して取り組んでいるわけですが、
この取り組みの背景にはゞ睛札機璽咼后↓▲螢好、生物多様性・生態系サー
ビス(BES)というものが密接に関わっている(関わってくる)ということに
いち早く気づいたことがあるのではないでしょうか。


上記の「生物多様性・生態系サービス(BES)」というキーワードは、日経新聞
やマスコミ各誌でよく取り上げられているので、意味は理解していなくても、
言葉を覚えている方は多いと思います。


この生物多様性・生態系サービス(BES)の考え方は、昨今とても重要になって
います。


海外の事例を挙げると、2010年、ユニリーバ、ネスレ、バーガーキング、クラフト
フーズといった多くの大手食品・飲料会社が、インドネシアのシナール・マス・
グループとその子会社との取引を停止しました。同社による不法森林伐採の疑いが
その理由といわれています。


また、米国においては、クレディ・スイス、モルガン・スタンレー、JPモルガン・
チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティバンクなど多くの銀行が、露天採掘
を行う企業への貸出審査を厳しくしたり、貸出を停止したりしていました。


記憶に新しい卑近な事例では、BP社が引き起こしたメキシコ湾原油流出事故が、
融資、株式、保険サービスを提供する企業や金融機関にとって生物多様性と生態系
サービス(BES)の重要性(マティリアリティ)が増していることを示したのでは
ないでしょうか。


これまで、金融サービス、リスク、生物多様性・生態系サービス(BES)の三者間の
関連性は低いと思われていました、資源が枯渇し、生物多様性が失われ、また、
きれいな水の供給といった生態系サービスが劣化することは、銀行、投資家や保険
会社にとって重要な金銭的リスクあるいは機会となり始めていることを物語っています。


そこで、先進的企業は、BESへの影響と依存についての理解を深め、それをうまく
管理するための措置を講じています。


金融機関の経営陣が、生物多様性の問題は、些末なことでも単なる慈善活動でもない
ということを認識すべき時期に来ているのかもしれません。


BESをビジネスモデルやコア戦略の中心に組み込むことは、長期的な成長と成功に
とって不可欠であり、それはBESに関わるリスク・機会の評価と管理を、金融商品
・サービスに直接組み込むことで実現されます。


たとえば、保険会社にとってBESリスクは、保険引受業務の収益性(例:森林伐採に
よる洪水が保険損失や非保険損失につながる)にも、投資収益にも、悪影響を及ぼす
ことがあります。アジアなどの新興国における洪水リスク(たとえば、タイの洪水も
一例)などが当てはまるでしょう。


保険会社は、保険商品を提供することでリスクを引き受けるだけでなく、損失回避や
損失軽減のサービスを通してリスク管理もしています。そして、先進的な保険会社には、
競合他社と差別化できる新商品開発の機会が生じるといわれています。


たとえば、HSBCインシュアランス(ブラジル)は、保険契約者が間接的に排出したCO2
排出量に対して、原生林木の植林により、CO2排出量を相殺する保険商品を開発しました。


そして東京海上日動は、上述のとおり、「Web約款の選択」により、生物多様性保護や
CO2吸収に寄与するマングローブ植林に顧客が間接的に参画できるサービスを開発しました。


「環境」の重要性が年々増していく状況下、慈善活動の延長という考えではなく、全社的に、
また、顧客を巻き込み、保険会社としてBESへの影響と依存についての理解を深め、それを
うまく管理するための措置を講じる必要性が出てきています。


そういう意味で、東京海上グループは他社の2歩3歩先を進んでいるかもしれません。


この分野の経験や知見が深まれば、BESなどの環境リスクを含む「新しいリスク」を対象に
した新商品の開発は慎重にすべきですが、とはいえ、ビジネスチャンスの萌芽は着実に現わ
れてきていますので、そのニーズを確保することも、保険会社が生き残る術として大切なの
ではないでしょうか。


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