損害保険業界ノススメ

損保業界に関する情報提供ブログ。                                                            損保業界を良くしたいと思う同志で運営しているブログです。

私、管理人は今年で区切りのいい歳になりました。

myselfなんとなく、新しいことをはじめなければいけない気がしてしまった。ブログの説明文には「もっともらしい」を書き加えているが、始める動機は至って単純なのである。

私が損害保険業界に入ったのは6年前。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)と損保大手のT社で迷った挙句の選択であった。その時の選択基準はとても不純。

ブランドサラリーであった。

今思い直すと、どちらも合理的な価値基準ではなく、アホ学生らしい判断であったと反省している。紆余曲折はあったが、今もまだ損害保険会社に所属している。この間には色んなことがあった。


スキルアップを目論み、公認会計士の勉強をした。
キャリアアップに憧れ、外資系コンサルに転職活動をした。
自己実現を焦り、起業を思い立ち、事業計画書を作成した。
お金に目がくらみ、ドイツ銀行からのヘッドハンティングにくらっときた。

結局今は、所属している会社の庇護のもと、MBAに留学させてもらった。そのおかげで卒業後の今も本の虫になっている。何だかんだで、やっぱり『保険』が好きな自分に気付いた。今も保険業に携わっているのはこの言葉のお陰。


損害保険は世の中で最もレバレッジのきく有価証券である

という言葉だ。

福沢諭吉の『保険は英知の結晶』という有名なセリフがあるが、それよりも現代的で、かつ納得性のある言葉だと思っている。入社1年目のときに、8年くらい上の先輩から教えてもらった。営業時代、辛くなった時はいつもこの言葉を思い出していた。この言葉を噛み締めるか否かで、営業成績は左右された。お客さん、代理店、上司、先輩、後輩、知人友人に対して何かしらの説明をするときも、この信念があったからこそ常に自信に満ち溢れていたと思う。


しかし、時代は変わり、保険業界は矢面に立たされることとなった。以前から不安視はしていたが、現実にここまで事態が大ごとになるとは誰しも思っていなかったであろう。そんな「のほほん精神」が「顧客見ず」の雰囲気を保険業界に蔓延させてのであろう。私は、少しでも損害保険業界のことを多くの人に知ってもらい、大げさかもしれないが、金融教育の一役を担えることができればと思っている。


これは・・・冒頭で綴った「単純な動機」の補足説明である。


ただし、これから書き続ける記事についての客観性は100%担保することは出来ない。まだ30歳の若輩者であるからだ。しかし、経営学的アプローチでコメントすることで、若干の主観性は残るにせよ、ある程度の客観性は担保できそうです。また、向学のためにも、読者の皆様からの忌憚なきご意見も期待しています。
それではいつまで続くかは分りませんが、応援宜しくお願いします。


「損害保険業界ノススメ」管理人より

多くの業界関係者に実態を知ってもらうためにお願いします。
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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会 は、損保会社OB4名が趣味的に
運営している個人組織(2007年4月発足)です。

損保業界に携わる方々の発展や業界全体の活性化のために、稚拙ながらも
読者の方々に何かしらのお役に立ちたいと、自身の経験を持ち寄り、損保に関する
新聞記事などをベースとした、一考察(個人的見解)をお伝えしています。

また、出身会社の秘密や情報を開示することはタブーとし、あくまで、一般論
として、考えられることを本ブログを通じお伝えしていきます。

〔参考〕バックナンバー記事タイトル
6/22号:コラム「なし」、記事「日本興亜社の保険金支払い先送り」

6/29号:コラム「なし」、記事「瀬戸際損保、生き残りの戦い」
    →東京海上日動社に届いた陳述書の内容についてコメントしています
7/6号:コラム「損保社員の出世のルール」、記事「保険会社の資本規制」

7/13号:コラム「なし」、記事「損保ジャパン、セゾン自動車を子会社化」

7/20号:コラム「代理店収益を上げるコツ」、記事「自動車保険料上げ」  

7/27号:コラム「東京海上日動」、記事「大手生保、都市部で営業部門増強」

8/3号:コラム「損保ジャパン」、記事「アリコ情報流出」

8/10号:コラム「三井住友海上」、記事「損保大手、自動車保険不振」

8/17号:コラム「あいおい損保」、記事「損保大手6社の4月〜6月業績」

8/24号:コラム「日本興亜損保」、記事「ライフネット、アドクリとの資本提携」

8/31号:コラム「ニッセイ同和」、記事「ミニ保険会社急増」

9/7号:コラム「富士火災」、記事「あいおい、ニッセイ同和合併時期延期」

9/14号:コラム「AIU」、記事「日興損保、インドから温暖化ガス排出枠取得」

9/21号:コラム「日新火災」、記事「SBI損保、第三者割当増資」

9/28号:コラム「共栄火災」、記事「一般職社員も長期海外研修 損保ジャパン」

10/5号:コラム「朝日火災」、記事「保険・預金、エコ貢献ネット契約にポイント」

10/12号:コラム「エース損保」、記事「ベトナム損保市場が急拡大」

10/19号:コラム「大同火災」、記事「保険金支払い先送り、日本興亜が意図を否定」

10/26号:コラム「セコム損保」、記事「ニッセイ同和損保、有価証券評価損34億円」

11/2号 :コラム「エイチ・エス損保」、記事「新型インフル、対策導入企業は30%」

11/9号 :コラム「アニコム損保」、記事「損保ジャと日興、統合効果500億円」

11/16号:コラム「ソニー損保」、記事「大手損保4社、業績予想を上方修正」

11/23号:コラム「三井ダイレクト」、記事「統合、筆頭株主の米投資会社が難色」

11/30号:コラム「そんぽ24」、記事「損保大手6社、収入保険料2.7%減」

12/7号 :コラム「SBI損保」、記事「損保大手6社、11月の保険料収入0.5%増」

12/14号:コラム「イーデザイン損保」、記事「旭化成建材、AIU保険と提携」

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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは、東京海上の新卒採用戦略 です
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東京海上日動社の採用情報ホームページをアクセスしてください。

http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/recruit/index.html


見ていただけましたでしょうか。

「社章」をトップページに掲載しています。
社章をトップページに表示する企業の真意は何でしょうか。

客観的に見ると、
自意識過剰、自信の表れ、自己主張の強さ、高いプライド・・・などが深層心理にあるのでしょう。

このような企業に入社することが、自分にとってプラスになるのか、マイナスに働くのか
真剣に考えた上で、採用試験に臨むべきでしょうし、採用試験で落ちた場合でも、
この企業で働くことが本当に良かったのかを自問するのが良いと思います。

また、受験戦争に学力偏差値があるように、就職戦争においても就活偏差値があると
思いますが、東京海上日動に就職するには、就活偏差値で70以上が求められていると
思ってよいでしょう。

・面接の印象度
・SPIテスト
・面接の受け答え(事前準備、ロジカルシンキング、冷静さ、)
・詳細な損保業界研究
・深度のある自己分析
・損保における自身の将来ビジョンの有無
・社会人としての素養・マナー
・学生時代の経験値
・対人能力
・時事問題対策    など、

様々な点で、相当高いレベルを達成することで、就活偏差値70が獲得できます。
高い偏差値をもち、かつ、東京海上日動社の人事部員(面接官)との相性が合う人が
晴れて同社に内定を貰うことができるのでしょう。


『就活って何だ―人事部長から学生へ (文春新書)』では、
http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%B1%E6%B4%BB%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BD%95%E3%81%A0%E2%80%95%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E9%83%A8%E9%95%B7%E3%81%8B%E3%82%89%E5%AD%A6%E7%94%9F%E3%81%B8-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%A3%AE-%E5%81%A5/dp/4166607154/ref=pd_bxgy_b_img_a

同社の人事企画部長の木村岩雄氏が就職活動中の学生に向けて、同社で働く人に求める
ポイントとして、以下3点について言及しています。

「ガッツとバイタリティ」
「ブランド思考はダメ」
「誠実さ・信頼が大切」

東京海上日動に131年の間、脈々と流れているDNA「王道を行く」という考え方を会得
するために必要となる素養が上記3点なのでしょう。

応募資格には、具体的に「これが必要」などと記載はないのでしょうが、面接やエントリーシートにて、素養の有無を見極めるのでしょう。

それでは応募資格を見てみましょう。実際の応募資格などは以下のとおりです。
これらの情報から東京海上日動が求める人物像を想像しています。

1.応募資格
 ・2012年3月までに4年制大学卒業見込みの方または大学院修士課程修了見込みの方(国籍不問)
 ・当社社員に2親等以内の親族がいないこと
 ・各グループ会社役員(執行役員含む)に1親等以内の親族がいないこと
 ・各グループ会社に配偶者がいないこと

→相当、縁故を嫌っています。
 大企業であるだけに、役員の子息が入社することによる「親の七光り」を回避することが目的だと思います。大企業だけに「親の七光り」が組織に混ざると、その一部の組織は硬直的になり、動脈硬化を起こす恐れがあるのでしょう。大企業の社員は、これぞ ザ・サラリーマン的に、偉い人を”見ながら”働きますので、偉い人の子息にも、無駄な気を遣ってしまうのでしょう。
 

2.配属部門
  入社後の配属は、導入研修時に第一線への仮配属を行った後(予定)、本人の希望・適性を踏まえ決定いたします。その後は、役割チャレンジ制度やJOBリクエスト制度を通じ、本人の希望・適性に応じたジョブローテーションにより、入社後10年間に2つから3つの異なる仕事・職場を経験していただきます。

→とても興味をひく言い回しですが、実際はこのようにはいかないのでしょう。
 「本人の希望」を踏まえ、とありますが、その前段には「適性」とあります。
 本人がいくら希望しても、人事部が「適性無し」と判断すれば、希望は通りません。
 また、「役割チャレンジ制度、JOBリクエスト制度を通じて・・・ジョブローテーション」とありますが、このような制度を活用できるのは、相当活躍した社員でしょう。一般的な活躍をした社員ではこの制度には選考されないと思います。
 そして、10年間に、2〜3とありますが、翻ると、「最長9年も同じ仕事をやる可能性あり」という訳ですが、大学時代よりも長い期間を一つの仕事・分野に費やしてしまうことは人材育成にとってよいことなのでしょうか。
 若いときこそ、果敢に、色々なことにチャレンジさせて、その後の本人にあった進路に進ませる必要があるのではないでしょうか。


3.主な仕事内容
  国内・海外営業(損害保険の引受など)、損害サービス(損害の調査・保険金の支払)、商品開発、営業支援、資産運用、情報システム、一般管理など

→ざっくりとした部署分けです笑。
 まずは、代理店営業(パーソナル分野)や損害サービス部門に大半の新入社員が配置されると思います。


4.採用実績
 ・2010年4月入社(実績) 全国型従業員/112名
 ・2009年4月入社(実績) 全国型従業員/162名
 ・2008年4月入社(実績) 全国型従業員/233名


→これは、他のライバル会社の採用数と比べて少ない数です。

 たとえば、損保ジャパンの全国型社員は以下のとおりです。
 
 ・2010年4月 118名 (東海日動比+6名)
 ・2009年4月 188名 (東海日動比+26名)
 ・2008年4月 279名 (東海日動比+46名)

 損保ジャパンは、東京海上日動に比べ、規模では2/3程度ですが、同社比で多くの人数を採用しています。生産性が相対的に低いと考えるべきか、東京海上日動の生産性が高いがゆえの結果なのか、これは、現時点では判断がつきませんが、興味深い数値です。

 なお、団塊の世代が毎年200〜300名規模で退職していますが、その半分程度の人数しか採用していません。IT化が進んでいるとはいえ、少ない精鋭を、大企業を支える社員としてしっかり育成していく姿勢も読み取れます。
 


これを証明するのが、隅社長のコメントです。

・東京海上日動の強みは、魅力的な人が多いことです。
 「自由闊達な社風のもと、主体的に物事を考え、「プロフェッショナル」として強い責任を感じながら仕事に取り組む」当社社員に共通している姿勢が、この魅力を生み出しているのかもしれません。また、さまざまな個性が有機的につながって、大きな力となるチームワークも当社の魅力の1つと言えます。
・保険は形のないものだからこそ、経営を左右するのは「人」しかない、だからこそ、私たちは人材育成にことのほか力を入れているのです。

また、学生に向けてアドバイスをしています。

・さまざまな場面で「最近の学生さんは大丈夫か」といった声を多く耳にしますが、私は全く心配していません。「場」を与えられさえすれば、大きく成長すると思っているからです。
・成長したい、人生において大切なビジョンを実現したいと思うのであれば、とことん悩んで悩み抜き、シナリオを考えることが重要です。シナリオを描ける人こそが限られた時間を有効に使い、成功することができるのです。就職活動も同じ、悩みから逃げずに、自分で行動し、最後は自分で決断をしてください。
・私の人生のビジョンは、当社を逞しく、世界の中で名実ともに評価を受ける会社にすることです。皆さんのビジョンは有意義な就職活動を経験することだと言えるでしょう。
 皆さんに心からエールを送りたいと思います。興味があったら是非、当社の扉を叩いてください。


東京海上日動の採用戦略は、諸々考えはあるものの、最終的には、「隅社長のビジョン達成に向けた原動力となる学生を採用すること」なのでしょうね。

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  今日のテーマは、東京海上の役員たち です
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東京海上日動社の役員構成は、総勢38名の態勢となっています。

社長1名
専務執行役員4名
常務執行役員19名
執行役員14名


出身会社を見ると、なんと、

専務執行役員は全員東京海上出身。
常務執行役員に唯一1名、日動火災出身がいますが、残り18名は東京海上出身。
会社規模は大きく異なる2社でしたが、役員数ほどの差があったでしょうか。

東京海上日動とは言いますが、実情は「東京海上」の会社となっていることが
分ります。

執行役員に目を向けると、14名中2名が日動火災出身ですが、二人とも、
パーソナル分野(一般リテール分野)の大阪と熊本の支店長となっています。
日動火災のマーケットシェアが高い支店が日動社出身の役員ポストなのでしょうか。

さて、役員がどのセクションに配置されているかによって、その会社の力点が
分ります。

たとえば、企業部(コマーシャル)に多くの役員を配置しているのであれば、
企業分野に注力しているといえるでしょう。また、自動車営業部に配置している
のであれば、自動車営業に力点を置いているといえるでしょう。

東京海上日動の場合、執行役員の所属は以下のとおりです。

(本社部門)

 IT企画部
 損害サービス業務部
 個人商品業務部
 資産運用第一部
 企業営業開発部
 コマーシャル損害部
 自動車営業開発部


(営業部門)

 熊本支店
 大阪北支店
 関西営業第三部
 埼玉中央支店
 東京中央支店
 米国支店
 名古屋営業第三部
 


10年7月時点で125の営業部・支店がある中で、7つのお店だけが、執行役員ですから
ポスト争いは相当過激なものであることが簡単に想像できます。
(大企業で役員になるのは難しいですね)

また、本社部門では、損害サービス業務部や資産運用部など、保険会社、金融機関
としての根幹ポストがしっかり役員ポストになっています。

一方で、上記にはありませんが、経営の根幹の「経営企画部」や営業の根幹の「営業
企画部」、事務の根幹の「契約業務サービス推進部」、大蔵大臣の「経理部」、
そして、大企業では必ず役員ポストである「人事部」の長が役員になっていません。

該当部の部長の年次にもよるのでしょうが、本社部門も会社を回す大事な役回りに
なっていますから、営業部支店長をしっかりコントロールするには、パワー(権力)
が必要です。人徳で人は動くものというのは、大企業では通じづらく、やはり、
組織の中で、適時適切な判断をし、その判断の元、会社を動かすには「権力」が必要
になると思います。ただ、やみくもに役員ポストを増やせばいいものではありません
ので、東京海上日動社のような大企業にもなると「ポスト配置」も相当難しいものに
なるのでしょう。

なお、話は変わりますが、監査役に目を向けると、

イー・ウーマン社長の佐々木かをり氏や元内閣法制局長官の阪田雅裕氏らが名を連ねて
います。

佐々木氏のプロフィールは・・・以下のとおり。
女性の社会社会進出の「顔」的立場の方ですから、東京海上日動社の女性社員の働き方に様々な変化が出てきているのではないでしょうか。

(プロフィール)
フリーランスの通訳を経て、1987年に国際コミュニケーションのコンサルティング業務を目的とした株式会社ユニカルインターナショナルを設立。
2000年3月に株式会社イー・ウーマンを設立し、コミュニティーサイト「イー・ウーマン」を同年9月に開設。1988年ニュービジネス協議会のアントレプレナー特別賞受賞。1996年より毎夏「国際女性ビジネス会議」を開催。加えて下で説明するコメンテーターや、文筆業、そして内閣府諮問機関である国民生活審議会委員ほか外部委員を歴任。2009年5月10日に「ベストマザー賞」を受賞。夫と2児あり。


阪田氏は・・・弁護士(第一東京弁護士会所属)で元内閣法制局長官の官僚。
内閣法制局長官は、内閣に任命される大役です。待遇は特別職の職員の給与に関する法律では内閣官房副長官や副大臣、公正取引委員会委員長、宮内庁長官等と同等とされます。
内閣法制局は法律案、政令案、条約案の審査を所管しますので、そこでのトップだった人を監査役に据えていることは、「国の動きをつぶさに、経営戦略に反映させる」という意図が垣間見れますね。
元長官ですから、タイムリーな情報の入手はできないのでしょうが、過去の経験則による的確なアドバイスはもらえるのではないでしょうか。


以上、東京海上日動の役員をしっかりと把握することで、東京海上日動が取るべき道がなんとなくですが、見えてくるような気がします。



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  今日のテーマは、東京海上の財布の中身です
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東京海上日動社の09年度末損益計算書を見てます。

利益に目を向けると、以下のとおり利益が出ていることが確認できます。

税引き前利益が約1,333億円
税引き後利益が約944億円(当期純利益)

この利益が生まれるまでには、保険料収入、保険料の運用収益、保険以外の
事業による収入がある一方で、支払保険金、代理店手数料、損害調査費、
資産運用にかかる費用などのお金を生み出す上で必要な経費が発生しています。

そして、法人ですので、社会に利益を還元するために法人税等を支払い、
その結果残る利益が「当期純利益」となります。

では、上記利益を別の観点から見てみます。

資産運用収益は約1,362億円です。
税引き前利益相当の金額となっていますが、この資産運用収益の主な内訳は・・・

・利息・配当金収入として  約1,084億円
・株式売却益として       約722億円
・デリバティブの利益として   約114億円

単純合計は約1,900億円ですが、積立保険料等運用益振替という科目で
▲約637億円がありますので、その他の収益(約100億円)を足した結果、
約1,362億円となります。

(参考)時価利回り
・預貯金・・・運用額約452億円に対して運用益は約21億円、利回りは約4.7%
・公社債・・・運用額約2兆6千億円に対して運用益は約360億円、利回りは約1.4%
・株式 ・・・運用額約2兆2千億円に対して運用益は約6700億円、利回りは約31%


これだけ見ると、少し乱暴な表現にはなりますが、東京海上日動社という日本を
代表する損害保険事業会社は、本業である損保事業による収入では黒字を確保できず、副業である資産運用によって黒字を確保しているといえるのではないでしょうか。

これは、「損害保険業界ノススメ」ブログでも一般論としてお伝えしてきましたが、
決算書を具体的に見ていくと如実に表れています。

また上記ロジックを補完するために、09年度末の種目別の儲けを見てみます。

火災・・・損害率42.4%、事業費率47.6%で合計90%
海上・・・損害率66.1%、事業費率25.0%で合計91.1%
傷害・・・損害率58.6%、事業費率44.6%で合計103.2%
自保・・・損害率69.8%、事業費率33.1%で合計102.9%
自賠・・・損害率110%、事業費率23.3%で合計133.8%
賠責・・・損害率46.8%、事業費率26.9%で合計73.7%

以上の通り、傷害と自保、自賠は合計(コンバインドレシオ)が100%を超えていますので、儲からない商品となっています。この儲からない商品群の構成比率は、全体の約70%です。
内訳は以下のとおりです。

自保・・・48.7%
自賠・・・12.2%
傷害・・・ 8.4%

残り約30%の火災や海上、新種保険等で、保険事業の赤字を埋めているのが現状です。
東京海上日動社といえども、このような台所事情ですから、他の損保も言わずもがなの状況といえるのでしょうが、これは損保事業の構造的問題と結論付けても良いかもしれません。

そこで、この不況事業の解決策の一つが、保険料の値上げです。
したがって、昨今話題になった、なっている傷害保険料や自動車保険料の値上げについては各社の決算状況からすると理にかなったものともいえます。

また、話しは少し脱線しますが、保険料を引き上げたとしても、1,2%が関の山ですし、損害率が改善しない限りは収益が劇的に伸びることもありません。
それでは、どのような戦略をとればいいのか。

「儲かる商品群をたくさん売る」ことにつきます。
儲かる商品を売るためには、商品性の強化と当該商品を販売する代理店チャネルの政策強化が必要となります。

前者で言えば、火災保険料の補償アップまたは保険料引き下げによる商品競争力の強化。後者で言えば、銀行窓販を主流の銀行代理店や不動産チャネルの取引拡大。

こんなことも見えてきます。

一個人の財布の中身(所得状況)からも、その人の生活レベルや生活するための工夫、そして、何を切り詰め、何に贅沢をしているのか。また、可処分所得を増やすための生活の知恵絞りをどの程度しているのかなどが分るように、企業においても決算書を見ていくことで、色々なことが推察できます。

ぜひ、損害保険会社の決算書の中身は毎年一回確認するようにしたいところです。

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  今日のテーマは、隅修三 語録(下) です
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隅修三氏の語録(考え方・思考)の続きです。
インターネット上に掲載されているコメントを集約し、転載したものです。
ご了承下さい。



★他の2メガについて

「規模の比較を重視するのは国内だけ。世界では銀行も保険会社も利益で評価されている」


★国内外事業について

「欧米亜3極体制の構築に踏み出し、今後も『規律あるM&A』を実行したい。国内損保事業の改革は「量から質」への転換を訴求する。」


★保険金不払問題後の意識変革について

「だから今まさにこれを全面的に根こそぎ変えようとしています。商品をいかにシンプルにするか、社員からも代理店からもその過程が見えるような仕組みをどう作るか。商品と同時に、ビジネスプロセスの流れがよく見えるようにする。われわれの業務革新プロジェクトというのは、まさにそのためにIT基盤を全面的に刷新したのです。」


★今後の統合の可能性について

「その会社と統合することによって、顧客により多くの価値が提供できる、より品質の高い価値が提供できるようになる、そういうものが成長だと考えています。統合には時間とコストがものすごくかかります。そういった困難を乗り越えてでも、なおかつ成長の基盤になりうるものがあるという判断はあるでしょう。」


★システム改革について

「『Tネット』という新代理店システムによって、保険の受け付けから事故処理対応まで、ほぼペーパーレスでできるようになりました。バックオフィス業務を合理化することで、考える時間と行動する時間が生み出せるわけです。また、本格的な顧客分析、データマイニングも可能となった。こうした武器を渡すことで、空いた時間に品質向上やサービス向上などの課題をこなせるようになったのです。」


★異業種とのコラボレーションの狙いについて

「保険業界だけの価値提供には限界があると考えたからです。安心と安全という観点から考えれば、保険業界は事故や災害が起きたとき、「事後」を経済的に補償するものです。しかし、災害や事故が起きる前に予防するノウハウを持った会社は、保険以外にたくさんある。そういう会社とコラボレーションを組むことで、保険に時間的、空間的な広がりを出せると考えたのです。」


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マガジンID     000675
マガジンタイトル  「東京海上」解体新書

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       「東京海上」解体新書 
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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは、隅修三 語録(上)です
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東京海上の社長の隅修三さんは、見た目とその実力ともに、経済界で随一という評価を得ています。キルンやフィラデルフィアなど欧米諸国の中堅損保の買収など、今後のグローバル化戦略を見据え、他社に先んじて、欧米文化でのブランド力強化を果たしています。

そんな隅修三氏の語録(考え方・思考)をご紹介します。
インターネット上に掲載されているコメントを集約し、転載したものです。
ご了承下さい。


★東京海上始まって以来の理科系出身であることについて

「理科系だからというわけではないが、IT部門の責任者を任されたことがある。ITは企業のビジネスプロセスの鍵を握る。これなくしてわれわれのビジネスはあり得ないと認識している」


★山口県の出身で、幕末の志士、高杉晋作の生き方について

「変化にチャレンジする姿勢。いまあるものは陳腐化していくが、変えることには皆、抵抗がある。それを打ち破って新しいものに挑戦するのは力がいるし、度胸もいる。それをやるのが自分の役割だと思っている」


★リーディングカンパニーとして、今後の展望について

「時代とともにリスクは複雑化し多岐に亘るなど、私たちのフィールドは変化を続けています。しかしながら、創業以来、リーディングカンパニーとして貫いてきた「世のため、人のため」という使命が変わることはありません。また、あらゆる事業活動がグローバル基準で動くこれからの時代においては、他社の模範となる「高い健全性」を維持しながらも、常に先頭を走る気概を持ち、日本の保険業界を世界と伍していける業界に牽引していかなければならないと思っています。」


★3メガ時代の勝ち残りの戦略について

「業界がどう変質していくのかまだ見えないが、これまで同様に激しい競争は続いていく。勝負はいかにお客さんに選んでいただける商品やサービスを提供できるかだ。これまでもシステム投資や社員、代理店の教育を進めてきた。奇をてらったことをやるわけではない」


★首位奪回について

「統合での規模拡大ではなく、自力で売り上げ1位を取っていきたい。MS&ADの3社が統合しても、金融情勢が厳しくても、ひたすら王道を行く。3社合算で当社を超えるからといって、契約が全部向こうに流れるわけではない。代理店の営業力強化に努めており、顧客との接点を増やして商品の品質を高め、成長にまい進したい。」


★海外事業の位置づけについて

「最大のテーマは国内ビジネスの強化。もう1つは海外だが、私はもともと地球全体を1つの市場としてとらえており、日本と海外を分けて考えていない。成長のチャンスがあれば地域によって差をつけることはしない」


★成長のカギを握る海外戦略について

「中東やBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの新興国の成長は間違いない。
 09年、インドでは生保事業に進出を決めた。インドでは8年以上前から現地の肥料公社と提携して損保事業を展開しており、この販売網を生かして生損保両方を扱うことも検討していきたい。生保事業も10年後には売上高で4000億円の規模感を目指し、じっくり地道にやっていく」 


★アジア戦略について

「アジアを含む新興国の成長には大きく期待している。しかし、国ごとの市場規模はまだ小さく、もう少し中長期的な姿勢で臨む必要がある。海外ポートフォリオに占めるアジアの割合は現行の10%から、15%、20%へと伸びていくだろう。『健全なマネジメント』『グローバルなビジネスモデル』『成長可能性』の3つに合致する企業があれば積極的にM&Aを実施する。日本企業にとしてはM&Aのチャンスだと考えている。」


★M&Aに関する考察
「M&A自体が目的ではない。単にボリュームを大きくするのではなく、その国の実情に合わせてオーガニックに発展させる方が効率的だ。ただ、M&Aを行った方がより成長につながるという機会があれば進めていきたい」


★インドの販売網戦略について

「生命保険会社によっては、すでに販売チャンネルを持っている銀行と組むところもあるが、販売網は銀行がコントロールすることになる。パートナーとは対等の関係で、商品もわれわれが作り上げ、販売網も一から育成していく。出資比率も規制緩和に合わせて49%まで引き上げることで同意している」


★日本型の保険ビジネスと海外の親和性について

「正直言って以前は自信がなかったが、すでにアジアでは通用し始めているし、欧米でもきめ細かな顧客サービスは非常によく受け入れられている。いまは自信を持って、これがわれわれの武器になると言える」


★規模のメリットについて

「過去は確かに、規模イコール収益でした。保護行政の下で、どの保険会社も同じ商品を、同じ保険料で売っていましたので、各社とも収益率も同じです。100売れば10儲かる、50売れば5しか儲からない。これがずっとリンクしていたので、みんな売り上げのマーケットシェアを追いかけていたのです。しかし、1998年以降、保険料が自由化されましたので、収益率は各社ごと、商品ごとに違ってきています。
 だから、売り上げで一番を争ってみたところで、あまり意味がなくなってきました。ただ当然ですが、利益の源泉は売上高にあるわけで、売り上げは追い求めていきます。どのような売り上げでもいいというわけではない。われわれ東京海上の質をキチッと評価してくれるお客様を増やしていくことが、収益も上げていけることにつながります。
 保険事業は売上高を増やそうと思えば、料率を下げ、悪い契約を増やせばいくらでも増やすことは可能なのです。しかし、それでは収益が伴いません。品質が高いということは決して安売りすることではないのです。品質の高い商品を選ぶお客様が増えることは、従来のマーケットシェア拡大路線とは別ものです。」


★国内市場ではオーガニックグロース(内部成長)で成長していくと言明していることについて。

「国内の損保市場は、かつてのようなモータリゼーションの時代と同じ勢いで成長することは期待できません。もちろん、自動車保険のウエートが小さくなり、ほかの新種保険が増えていく形で市場が成長することを期待したい。だけどその中でどうやって成長していくかというときに、確かにどこかの会社と一緒になれば、1に0・5を足してボリュームは1・5になるかもしれない。しかし、市場が拡大しない中で、それに見合う1・5以上の収益が展開できるような絵が描けるかどうか。
 むしろ今、われわれがやっているのは、自分自身だけでなく、代理店のスリム化、強靱化に取りかかっています。いわゆる「外向きのエネルギー」をどんどん使っているのです。
 それによってむしろマーケットシェアが増えてくる。どこかの会社と足し算をして、そこに内向きの膨大なエネルギーを使うより、よほど将来展望が描けると思っています。だからこそ今、内向きの膨大なエネルギーを使うのではなく、外向きに使い始めたエネルギーを拡大していく、そういう時期だと思っています。」


★少子高齢化で国内市場が縮小する中における新規事業について

「日本の将来を考えたときにセキュリティーや健康は大きなテーマ。自社で何もかもとはいかないので、専門性をもった企業(セコムなど)との提携を考えていくことになる」と


★2011年の東海日動の姿について
 
「今まで東京海上HDは業界のトップでしたが、仕事のやり方や代理店の仕組みは、他社と基本的にほとんど差がありません。今までの東京海上は、他社もそうかもしれませんが、やや精神論的に頑張ってきた、という面が少なからずあります。それをもっと科学で勝負していく。いろいろなデータを駆使し、相手に説得力のある企画書を作成し、相手の分析もできる。もっと科学で商売する会社に変わっていけると思います。
 システムはもともと単独では動きません。今までのシステムは、いわゆる「機械化」という言葉で表されるように、人間が行う作業を機械に置き換えただけのものでした。そういう意味の延長上にあったシステムからもっと人間の企画力をサポートできるような仕組みができつつあるのです。」


★企業経営の軸について

「会社というのは、世のため、人のために存在するというのが原点。最近は少し減りましたが、会社は株主のために存在するということから、ステークホルダーという概念に移ってきた。
 まったくそうだと思いますね。順番としては、お客様、社員、社会、そして株主、と思って経営している。その中の根本にあるのは、インテグリティ(誠実)。そういったものが軸にある経営をやっていこうと心掛けています。」


★今後の環境問題への取り組みについて

「植林活動は100年続けることを目指しています。10年継続して植林面積は5300ヘクタールと大きなスケールになり、年間3万トンの温室効果ガスを吸収します。あと2年もすれば、東京海上グループで年間に排出する7万トンを吸収するようになります。子供、孫の時代にどれだけいい環境を残せるかは重大な責務であり、地道な活動で貢献したいです。」


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マガジンID     000675
マガジンタイトル  「東京海上」解体新書
発行責任者     「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会

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