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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上日動の「人事システム」です
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東京海上の人事システムについてです。

東京海上日動が長年にわたり、常に業界をリードしてきた原動力は、「お客様の信頼」
を原点におきながらあらゆる活動をしてきたことで生まれた「社会的な信用力」であり、
また、それを築き上げてきた「人材の厚み」にあると考えられています。


形のある製品を扱わず、製造設備等を持たない損害保険会社にとって損害保険事業に
あっては、「人材」こそが最も貴重な経営資源であるということは、各社共通ですが、
とりわけ一人ひとりの社員が、「情熱」と「責任」と「専門性」を持って仕事に取り
組み、顧客や保険代理店との良好なコミュニケーションを図る力、「人間力」がその
生命線なのではないでしょうか。

さて、その「人間力」を醸成するのは、人事評価方法であり、人事考課制度です。


東京海上日動の人事考課制度は、社員の人材育成を第一の目的とした「育成型人事考課
制度」といわれています。社員のコンピテンシーを客観的に観察・分析し、OJTや適性
に合った職場への配属などを通じて、人材育成に結び付けていくことを目的としている
そうです。

原則、年4回、直属の上司との面接を実施する「役割チャレンジ制度」を通じ、組織に
おいて期待される役割や仕事の目標・課題、コンピテンシーの向上、今後のキャリア
展望などについてじっくりと話し合い、またそれと同時に、異動希望についてのヒア
リングも行うとのことです。


前述のとおり、顧客の信頼をあらゆる事業活動の原点におき、『安心と安全』の提供
を通じて、豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献することを理念に掲げ、収益性・
成長性・健全性において、国際的にも高い実力を発揮する損保業界の雄的存在の東京
海上は、時代変化に対応した優れた人材を生み出すために、社員のポテンシャルの開花
を支援するために、日動との合併時に、ホストベースだった旧来の人事システムの
全面再構築に挑みました。


2003年1月、新人事システム構築のパートナー選びを進め、数社の提案を吟味した結果、
「PeopleSoft」をベースにした開発を提案したヒューレッドパッカード(HP)を指名した
とのことです。

当時のシステム戦略を主管した東京海上日動システムズの責任者は次のように語っています。


「人事業務のスケジュール上、新制度のスタートは2004年7月が最適でかつ必須でした。
 さらに同年10月には東京海上と日動火災の合併が控えていました。残された期間は1年強、
 人事システムのほとんど全てを抜本的に再構築するわけですから、まさに時間との戦い
 でした。その中で、HPはプレゼン段階から制度や業務の主旨をよく理解して実装経験豊かな
 エンジニアを動員していましたし、開発〜運用までをワンストップでフォローする体制が
 できていました」


東京海上日動では毎年5000人規模で行われる定期異動の場合、要員を次々と数珠繋ぎ状に
異動させるような「玉突き人事」ではなく、一人一人の希望や実績、適性やキャリアプラン等
と会社全体の戦略を摺り合わせ、1 to 1で配置していくそうです。


このようなきめ細かい対応を実現させるためには、データベースの徹底した正規化に基づいて、
自在な切り口で活用することができる柔軟なシステム構造が求められます。


さらには、東京海上と日動火災両社で過去別々に蓄積された形の異なる保有情報を新システム
に継承することも必要だったそうです。


会社組織やシステムが新しくなっても、社員の属性情報や異動履歴といったデータを移行投入
して初めてシステムが利用できる状態になります。いわば『データの引越し』ですが、新シス
テムに合わせて、プラットフォームを越え整合性を維持して過去のデータを引越す作業は、
新規アプリケーションの開発とは違った難しさがあります。

(損保ジャパンや日本興亜の合併も似たような苦しみが出てくるのでしょう)


このようなことにもHPは大きな力を発揮し、システムテスト段階でアプリケーションの不具合
と移行データの不具合が混在する中、入念な解析による切り分けと移行テストを繰り返しながら
アプリケーションと移行データの品質の両方を短期間で高めていき、本番移行を乗り切ることに
成功したそうです。


また、人事業務には、春の新規採用や定期異動、年末調整、人事考課など、年間数次にわたる
ピークが存在しますが、期ごとにパターンを分析し、全国の支店・支社からのトラフィック量
やシステムバックボーンのキャパシティを設定したそうです。

HPは、性能検証に専用のチームと環境を配置し、これらの各ピークに対応したシナリオで性能
テストを行い、アプリケーションも含めたチューニングを実施し、困難をすべて乗り越えたそう
です。


「人事」は、会社の目的を実現させるための「人事制度」とその制度を運用するための「イン
フラ」が要となりますが、後者は前述したとおり、「PeopleSoft」をベースにした開発を実施
しました。

前者の制度は、企業秘密の部分でありますので、世の中に広くアナウンスされることはありま
せんが、年次の若い社員を育成する制度として、SENPAI(せんぱい)制度、通称「SP制度」が
あります。


全国型従業員・地域型従業員に関わらず、同じ職場の先輩社員が職場指導員(SP)として、原則
1年間、新入社員の指導・相談にあたる制度です。社会人としてのビジネスマナーや仕事の進め方
について、先輩社員から直接支援を受けることができる制度です。

単に答えを教えるだけにとどまらず、時にはヒントを与えて新入社員が自ら考え、行動し、自分
自身で答えを見つけ出すことができるよう重点的に指導を行うようです。SPとして指導にあたる
のは1年間だけですが、2年目以降も良き先輩後輩として関係が続き、先輩の教えを後輩が受け
継いでいく、という良き文化として東京海上日動に定着している制度です。


「人材の厚み」の裏側には、やはり、地道な取り組みが存在するのでしょう・・・。


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  今日のテーマは 東京海上日動の「障がい者雇用」です
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東京海上の障がい者雇用についてです。

社会経済の進展に伴い、以下のような要素が出現し、障がい者雇用が企業にとって
極めて重要性を帯びたものになってきています。


企業に障がい者雇用の社会的責任が生じる理由としては、

‐子高齢化社会による障がい者の社会進出の必要性
⊂子高齢化による生産人口の減少 障がい者の生産活動への寄与
ノーマライゼーション(※)についての意識の高まり
ぅ好董璽ホルダー(株主、従業員、取引先など、企業の利害関係者)は、
 ノーマライゼーションの姿勢を評価するため


上記の「ノーマライゼーション」とは、自分らしく生き、したい仕事や活動が
できる社会を作ることであり、また、社会の一員として、障がい者の自己実現
を支援する態度を意味します。



また、障がい者雇用に関しては、社会的動向を鑑み、日本政府も強力に推進を
しています。そのために、各種の法令や行政指導により、障がい者雇用を促進
しているのが現状です。

障がい者雇用に関する法的規制は次のものです。


‐磴い者雇用率制度(法定雇用率)
 従業員数の1.8%以上の障がい者の雇用義務 (56人以上の企業、それ以下の
 企業も努力義務とされています)


⊂磴い者雇用納付制度
 法定雇用率未達の場合のペナルティとして、一定額を国に納付


障がい者の雇入れに関する計画
 計画達成できない場合の企業名の公表措置


このように国に外堀を埋められているわけですが、企業は「CSR」という観点
から、障がい者雇用の意義を見出しています。とりわけ、東京海上日動は、損保
の中でも群を抜いて、価値を見出しているようです(あくまで形式的なものを
相対評価した結果に過ぎませんが・・・)。


東京海上日動は、障がい者雇用の一環で募集している職種は2つあります。
「損害サービス主任」と「事務担当補」です。


「損害サービス主任」は、障がい者手帳をお持ちの方だけでなく、健常者も中途採用
の対象としており、仕事内容も同じとしています。


「事務担当補」は、障がい者手帳をお持ちの方のみが対象ですが、いわゆる「事務」
の仕事に限らず、本人の能力・適性に応じてさまざまな仕事を担当させるようです。

いずれの職種も「特定社員」としての募集であり、この「特定社員」とは、当初の
契約更新は1年ごとですが、入社2年経過後(入社との関係で最長3年程度の場合
あり)に契約を更新する際に定年制に移行するというものです。

定年年齢は「損害サービス主任」が63歳、「事務担当補」は60歳であり、また、
福利厚生面は入社時から正社員と同様ということから、とても寛容な人事制度を
持っています。

東京海上日動の採用ホームページで、採用実績や採用者のコメントが載っています
ので、こちらで詳細を確認してください。

(採用された方のコメント)
http://www.marine-careers.com/challenged/interview/index.html
http://www.marine-careers.com/challenged/interview/per02.html
http://www.marine-careers.com/challenged/interview/per03.html


(グループでの採用事例)
http://www.marine-careers.com/challenged/case/index.html



そして、次に損保各社の募集状況を確認してください。


たとえば損保ジャパン
http://www.sompo-japan.co.jp/recruit/handicapped/index.html


たとえば三井住友海上
http://www.ms-ins.com/recruit/handi_recruit/index.html


たとえばあいおいニッセイ同和
http://recruit.aioinissaydowa.co.jp/normalization/index.html


たとえば日本興亜
http://www.nipponkoa.co.jp/recruit/shougai.html


上記4社のホームページを確認いただき、思うところは、障がい者雇用の
価値観や力の入れ具合などが異なるというものです。ホームページを充実
させることが目的ではありませんが、企業にとって重要な取り組みである
という認識があればあるほど、思いは言葉や行動として表れるはずです。

東京海上日動の場合、「やらされ感」ではなく、社会的意義を理解した上
での自主的な取り組みのように映ります。他の損保会社も見習うべき点で
はないでしょうか・・・。


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「日経4誌の損保関連ニュースをMBA的思考で斬る!」では、損保会社特集が終了したこととに伴い、今週から1週間分の業界ニュースをピックアップした「まるごと損保業界ニュース」をはじめました。
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  今日のテーマは 東京海上日動の「若手社員育成」です
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東京海上日動の若手社員育成についてです。

東京海上日動は2014年度から入社3年目の総合職全員を海外研修に送り出すという人材育成
をニュースリリースしていました。

約100人を米国や欧州、アジアのグループ会社や現地法人に2週間派遣し、このうち10人以上
はさらに1〜2年の海外研修を受けさせるというものです。東京海上日動は、2014年度に
利益の4割を海外事業で稼ぐ計画を立てていますが、2015年度以降も継続的に利益を確保する
ためには、将来の稼ぎ頭である若手社員に海外経験を積ませる必要があるのでしょう。

また、若手社員には入社後2年間に英語能力テスト「TOEIC」で700点相当の英会話技能
を身につけさせるそうです。そして、3年目に海外に派遣。現地の外国人社員の営業に同行し、
海外の商慣習を学ぶそうですが、若いうちの経験は将来ビジョンを明確に抱くための糧になる
のではないでしょうか。



経営環境を巡る変化やグローバル競争の中で、日本企業が効果的な対応を行うためには、製品・
商品面を含めた生産・マーケティングや財務面と並び国際事業の推進を支える人材面の対応、
つまり有能な人材の採用・育成・活用−が重要であるといわれています。

東京海上日動もグローバル化を進めている一社ですが、経営のグローバル化を進める上での課題
として多くの日系企業が、「海外要員、赴任者の育成」、「グローバルに通用する経営幹部の
育成」、「グローバルな人材マネジメント体制の構築」を挙げています。


上記の中でも特に「グローバル人材」の育成は最重要事項なのではないでしょうか。
そのため、東京海上日動もコスト度外視で若手育成に注力し始めるのではないでしょうか。


「グローバル人材」については、多くの識者や機関により、様々な定義や概念が提唱されて
いますが、政府の「グローバル人材育成推進会議」での定義や各方面の論議も参考にして
整理すると、(以前のメルマガでも取り上げたことがありますが)

●語学力・コミュニケーション能力
●主体性・積極性・チャレンジ精神・協調性・柔軟性・責任感・使命感
●海外動向や異文化への理解
●体力
●日本人としてのアイデンティティ
●教養・専門性
●リーダーシップ
●公共性・倫理観
●IT 活用力


といった素養を有し、グローバルな視点で考え・行動できる人材といえます。

(これらは日本でビジネスをする上でも重要なスキル・ウィルですからグローバル人材に
 限った物ではないと思いますが・・・)


「育成」という議論においては主に若手・中堅の日本人が念頭に置かれているようです。さらに、
企業のグローバルな展開において有用・必要な人材としては、


・外国人の高度人材、すなわち、日本企業が進出する国の人材(ローカル人材)
・第三国籍の人材(日本と進出国以外の国籍者)
・日本への留学(経験)者

が挙げられます。


現地で受け入れられる保険商品やサービスを提供するには、現地の文化・言語・商慣習等に
詳しいローカル人材の存在は不可欠ですし、グローバルな視点でのビジネスを成功させるには、
国籍を問わず優れた能力の人材を活用することが重要です。


ただ、ローカル人材を指導、マネジメントする、またはローカルに全権を委譲する場合でも
そのような態勢を企画・立案するのは、基本的には日本人になりますから、上記で挙げた能力
を有する人材の育成が必要になります。


人材育成、特に若手社員の育成の観点で、他業界・他社のホームページを調べてみると・・・


・三菱商事:
 若手海外派遣数を11 年から2割増の年155名前後とし、入社8年目までに全社員に海外経験を
 積ませる。


・三井物産:11 年から、既存制度に加え、若手120 名前後/年を実務研修として3 月〜1 年間
 派遣する制度新設。入社5 年目以内に全員に海外を経験させる。


・伊藤忠商事:(既に実施の若手総合職対象の4 カ月以上の海外英語研修に加え)中国等での
 語学研修も実施。


・丸紅:11 年から若手海外派遣を増やし入社8 年目までに全員に海外経験を積ませる(従来は約半数)。


・日立:事務系全員、技術系半数を海外経験を積ませるべく早期に派遣。


・アサヒビール:「海外武者修行」制度。若手社員10名を中国、タイ、オーストラリアなど7 カ国
 に半年間派遣。仕事の義務なし、語学力向上、現地人脈の構築、歴史・文化・風習の習得が目的。


・NTT コミュニケーションズ:入社1・2年目社員30〜50 名を海外現地法人に1 年間派遣(原則TOEIC
 730 点以上の人材を対象)。


また、英語力を強化する取り組みとして・・・


・楽天、ファーストリテイリング:英語の社内共通語化。


・武田薬品:13 年春入社の新卒採用についてTOEIC730点以上を応募の条件化。


・三井住友銀行:総合職全員にTOEIC800 点以上を努力目標化。


・京葉銀行:TOEIC で「730 点以上」「830 点以上」を取得すると人事評価に反映する仕組みを導入。



東京海上日動はじめ損保各社は、他業界の取り組みを参考に、更なるグローバル人材育成・能力強化
にむけた人事制度の確立・運用・定着が求められているのではないでしょうか。


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  今日のテーマは 東京海上日動の「社内カンパニー制度」です
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東京海上日動の「社内カンパニー制度」についてです。

東京海上日動は、2004年の東京海上と日動火災の合併時に、社内カンパニー
制度を創設しました。


社内カンパニーとは、企業内の事業部門を独立採算方式で一会社のように位置づけて
運営する事業部門のことであり、その仕組みを「社内カンパニー制」、あるいは「社内
分社制度」と呼んでいます。


社内カンパニー制は持株会社のような経営管理を、内部組織のままでおこなうための
仕組みです。形式的には事業部に類似していますが、その目的は子会社に近く、事業部制
の場合よりもさらに大きな権限委譲が行われるケースが多いようです。


企業は事業分野別に人材・資本などの経営資源を会社本体からそれぞれのカンパニーに
配分します。資本配分は管理会計の範囲で仮想的に行われ、各カンパニーの責任者は
「プレジデント」と呼ばれ、担当する領域内における全ての権限と責任を委譲されます。
東京海上日動の場合、「●●カンパニー総括担当」と呼ばれています。



また、このプレジデントは損益だけでなく資産効率についても責任を負うものとされています。
従来から取り入れられた事業部制(事業カテゴリー制度)を発展・移行して、社内カンパニー
制度を導入する場合は、損益計算書を改善することにとらわれがちな事業部に対し、それぞれ
のカンパニーがバランスシートを圧縮し、キャッシュフローを改善することにも目を向ける
ことで、全社内での各事業の位置づけを明確にでき、他事業部門との比較が可能となるからです。

子会社の連結決算のように事業部門ごとの垂直連結がおこなえ、マネジメントが個別の事業に
対して集中や撤退の決定もより容易となりますので、事業部門に独立性が生まれ、同じ会社内
であっても、明確な経営体質や企業カラーを打ち出せることがメリットです。

その一方で、独立性が強すぎるため全社的な統一が図りにくく、資産が分散されるため企業全体
の資本効率が損なわれやすいというデメリットについても言及されるケースがあります。


日本では、1994年にソニーが初めて社内カンパニーを導入しましたが、具体的には、責任の
明確化と市場対応の強化を目的に、製品ごとに細分化されていた9事業本部と8営業本部を、
商品群別に8つの組織に集約していました。

(しかしながら、そのソニーは社内カンパニー制度を組織のスリム化、意志決定の迅速化を
 目的に廃止しましたが・・・)


社内カンパニー制移行に伴い、人事制度や賃金設計なども、それぞれのカンパニーの事業内容に
即応した体系に改定するケースが多いようです。たとえば総合電機の東芝では、賃金・勤務に
関する処遇制度の見直しを行い、全社共通の処遇制度とカンパニー別の処遇制度の2階建て方式
を採用しています。資格制度や賃金の基礎部分、退職金手当などは全社共通(1階部分)ですが、
カンパニー別とする処遇制度(2階部分)は、そのカンパニーの職種に応じた水準や支給ランク
を設定し、インセンティブ手当などの仕組みも導入できるように改めたそうです。


しかし、カンパニーへの大幅な権限委譲の結果、本社の弱体化や機能低下などの弊害を指摘する
声が上がってきました。また、カンパニー個別の最適と企業全体の最適の双方を追求した結果、
利害対立が生じて、どちらも中途半端に終わるケースも目立っています。


東京海上日動は、「PCD別社内カンパニー制」を導入しています。

合併当初、合併による規模のメリットを活用し、事業効率を高めるとともに、各事業分野において、
東京海上および日動社のそれぞれの特色・強みを最大限発揮することを追求するため、次のとおり
3つの社内カンパニー制を採用しました。


「パーソナル(地域営業部門)・P」
 パ ー ソ ナ ル ・ P は、各地域の地場企業から個人の顧客に至るまで、当該地域に根ざした
 営業を行う体制をさしています。


「コマーシャル(企業営業部門)・C」
 コマーシャル・Cは、主として法人マーケットにおける個別かつ多様なお客様のニーズに対応
 する営業体制をさしています。


「ディーラー(自動車メーカー・ディーラー営業部門)・D」
 デ ィ ー ラ ー ・ Dは、主として自動車メーカーや系列の販売店(ディーラー)の顧客の
 ニーズに対応する営業体制をさしています。




各社内カンパニーには、総括責任者を配置し、その権限と責任の下、商品の開発から販売まで
一貫した体制を構築し、他社の追随を許さない専門性の向上を図り、それぞれのマーケット
ニーズに、きめ細かく対応していくことを予定していたようですが、社内カンパニー制導入から
8年以上経過した現在、当時企図した効果を発揮できてはいないように思えます。


各カンパニーの総括者は常務以上の役員が務めているようですが、他損保にはないであろう社内
カンパニー制の効果を追求することはできるのでしょうか。


ディスクロージャーでは、以下の4名が総括者として名を連ねていますが、2004年の日動社
との合併時に取り入れた制度だけに、後戻りは難しいのでしょう。。。

佐野常務 コマーシャルカンパニー総括
石原常務 ディーラーカンパニー総括
上月専務 パーソナルカンパニー総括
財部常務 副総括(日動社出身)



生みの苦しみはどんなことにも伴うものです。東京海上日動には、ぜひ、新しいことへの挑戦
と、失敗の経験を生かしたイノベーションの実現に向けて邁進してもらいたいですね。


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  今日のテーマは 東京海上日動の「Green Gift」プロジェクト です
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東京海上日動の「Green Gift」プロジェクト についてです。

http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/csr/greengift/index.html


東京海上日動は、紙使用量などの環境負荷を削減するため、2009年5月から
契約者の賛同のもと、「ご契約のしおり(約款)」を冊子(紙)ではなく、
ホームページによる閲覧(Web約款)方式にシフトし「Green Gift」プロジェクト
を開始しました。


同社は2010年6月末時点ですでに700万を超える契約で「Web約款」への選択が
賛同され、紙の使用量を年間で1,400トン削減したといわれてます。

また、東京海上日動は「Web約款」が選択された契約の件数に応じて、2本の
マングローブの苗木を植林する費用を寄付し、植林を推進しています。


このマングローブ植林プロジェクトは、生態系の回復とCO2の吸収・固定化を
目的として、アジア諸国・南太平洋フィジーの9ヶ国で7,543ヘクタール 
(東京ドーム約1,615個分)の植林を実施しています。


このマングローブの森は、CO2の吸収・固定効果が大きく地球温暖化防止に役立
つ上、津波等の自然災害から人々を守る防災効果を有します。また、「命のゆり
かご」とも言われ、魚やカニ、貝や鳥など豊かな生態系を育むと同時に、住民に
水産・森林資源を提供、植林地域の持続可能な発展にもつながっているとのこと
です。


同社は、地球や人々の生活を守るマングローブを「地球の未来にかける保険」と
位置づけ、植林を100年継続することを目指して取り組んでいるわけですが、
この取り組みの背景にはゞ睛札機璽咼后↓▲螢好、生物多様性・生態系サー
ビス(BES)というものが密接に関わっている(関わってくる)ということに
いち早く気づいたことがあるのではないでしょうか。


上記の「生物多様性・生態系サービス(BES)」というキーワードは、日経新聞
やマスコミ各誌でよく取り上げられているので、意味は理解していなくても、
言葉を覚えている方は多いと思います。


この生物多様性・生態系サービス(BES)の考え方は、昨今とても重要になって
います。


海外の事例を挙げると、2010年、ユニリーバ、ネスレ、バーガーキング、クラフト
フーズといった多くの大手食品・飲料会社が、インドネシアのシナール・マス・
グループとその子会社との取引を停止しました。同社による不法森林伐採の疑いが
その理由といわれています。


また、米国においては、クレディ・スイス、モルガン・スタンレー、JPモルガン・
チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティバンクなど多くの銀行が、露天採掘
を行う企業への貸出審査を厳しくしたり、貸出を停止したりしていました。


記憶に新しい卑近な事例では、BP社が引き起こしたメキシコ湾原油流出事故が、
融資、株式、保険サービスを提供する企業や金融機関にとって生物多様性と生態系
サービス(BES)の重要性(マティリアリティ)が増していることを示したのでは
ないでしょうか。


これまで、金融サービス、リスク、生物多様性・生態系サービス(BES)の三者間の
関連性は低いと思われていました、資源が枯渇し、生物多様性が失われ、また、
きれいな水の供給といった生態系サービスが劣化することは、銀行、投資家や保険
会社にとって重要な金銭的リスクあるいは機会となり始めていることを物語っています。


そこで、先進的企業は、BESへの影響と依存についての理解を深め、それをうまく
管理するための措置を講じています。


金融機関の経営陣が、生物多様性の問題は、些末なことでも単なる慈善活動でもない
ということを認識すべき時期に来ているのかもしれません。


BESをビジネスモデルやコア戦略の中心に組み込むことは、長期的な成長と成功に
とって不可欠であり、それはBESに関わるリスク・機会の評価と管理を、金融商品
・サービスに直接組み込むことで実現されます。


たとえば、保険会社にとってBESリスクは、保険引受業務の収益性(例:森林伐採に
よる洪水が保険損失や非保険損失につながる)にも、投資収益にも、悪影響を及ぼす
ことがあります。アジアなどの新興国における洪水リスク(たとえば、タイの洪水も
一例)などが当てはまるでしょう。


保険会社は、保険商品を提供することでリスクを引き受けるだけでなく、損失回避や
損失軽減のサービスを通してリスク管理もしています。そして、先進的な保険会社には、
競合他社と差別化できる新商品開発の機会が生じるといわれています。


たとえば、HSBCインシュアランス(ブラジル)は、保険契約者が間接的に排出したCO2
排出量に対して、原生林木の植林により、CO2排出量を相殺する保険商品を開発しました。


そして東京海上日動は、上述のとおり、「Web約款の選択」により、生物多様性保護や
CO2吸収に寄与するマングローブ植林に顧客が間接的に参画できるサービスを開発しました。


「環境」の重要性が年々増していく状況下、慈善活動の延長という考えではなく、全社的に、
また、顧客を巻き込み、保険会社としてBESへの影響と依存についての理解を深め、それを
うまく管理するための措置を講じる必要性が出てきています。


そういう意味で、東京海上グループは他社の2歩3歩先を進んでいるかもしれません。


この分野の経験や知見が深まれば、BESなどの環境リスクを含む「新しいリスク」を対象に
した新商品の開発は慎重にすべきですが、とはいえ、ビジネスチャンスの萌芽は着実に現わ
れてきていますので、そのニーズを確保することも、保険会社が生き残る術として大切なの
ではないでしょうか。


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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の 経営理念 です
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東京海上の「経営理念」についてです。

東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におくこと」を
経営理念に掲げるとともに、「事業活動のあらゆる局面においてコンプライ
アンスを徹底する」ことを行動原則として、企業の社会的責任を果すことを
同社のHPなどで宣誓しています。

経済や社会の構造変化が急速に進展する中で、同社は、保険・金融・その他
事業の領域を大きく拡大していますが、グループ各事業会社が皆様にそれぞれ
の事業分野で最高品質の商品・サービスをご提供するための努力を惜しまない
ともしています。

継続的成長を遂げつつ、グループの企業価値の向上につとめ、「社会から必要
とされる企業グループ」になるための王道はありません。地道な活動が重要
になるのでしょう。


そこで、注目したいのが、最近話題になった「持続可能な社会の形成に向けた
金融行動原則(21 世紀金融行動原則)」への署名です。


東京海上ホールディングス傘下のグループ金融各社は、上記の「21 世紀金融
行動原則」の趣旨に賛同し、署名しました。


この原則は、環境省の中央環境審議会の提言に基づき、環境金融への取組み
の輪を広げていく目的で、多くの金融機関が参加した「日本版環境金融行動
原則起草委員会」によりとりまとめられているものです。


直面する環境・社会・ガバナンス等の様々な課題に対し、国内金融機関が
本業において最善の取組みを進めていくための行動原則と位置づけられて
います。

東京海上日動は、持続可能な社会の実現に向けて保険会社の役割・責任を
主体的に考えるために、起草委員会の委員となっていたようです。


そこで、このたび、東京海上日動、日新火災、イーデザイン損保、東京海上
ミレア少額短期、東京海上日動あんしん生命、東京海上日動フィナンシャル
東京海上アセットマネジメント、東京海上キャピタル、東京海上不動産投資
顧問が、同行動原則に署名するに至ったそうです。



東京海上グループは、以下の3点を掲げ、E(環境)・S(社会)・G(ガバ
ナンス)等の社会課題に対応していくために様々な取組みに注力しています。

「本業を通じた価値提供」
「気候変動への対応」
「地域社会との協働」


具体的な活動としては、以下が取り上げられています。

★東京海上日動
 「Green Gift」プロジェクトとして、Web約款の推進、マングローブ
 植林事業等、トータルアシスト自動車保険(エコマーク認定商品)の販売

★日新火災
  環境配慮型自動車保険「アサンテ」の販売

★東京海上日動あんしん生命
 顧客をがんから守る運動、引受基準緩和型医療保険「メディカルKit ラヴ」
 の販売

★東京海上アセットマネジメント投信
  大和マイクロファイナンス・ファンドの組成



東京海上グループの活動は、何に根ざしているのでしょうか。
やはり、冒頭にも上げた「経営理念」を原理原則として、何をすべきなのか、
他社の真似事ではなく、自社にとって何が有益で、何を実行すべきなのか、
それを考え抜くDNAがあるからこそ、軸のぶれない行動がとれるのでは
ないでしょうか。


MBAの「経営戦略」では、まず企業とは何か、企業の戦略を考える上で、
経営理念とは何か、を学びます。


「経営理念とは何か」という定義については様々な研究がなされており、
又各企業によって経営理念の考え方・捉え方は様々でです。

一般論として考えられている経営理念とは、以下のとおり定義されています。

「経営活動に関し企業が持つ経営哲学や世界観を端的にまとめたもので、
経営活動を推進していく上で、指導的原理及び経営組織の基本象や原点を示し、
指針と信念を明文化し、公表したもの」


つまり経営理念とは、経営ボードや創業者個人の社会的価値観を反映したもの
ではなく、企業団体に属する組織全員の信条・信念・価値観を表わすものと
されています。

したがって経営理念が組織に根付いておらずとも、経営者であれ未公表の
個人的な企業感や価値観・存在意義は「傲慢」であり「無」に等しいという
ことになります。


経営組織全体が切磋琢磨し、共に支え合い、互いを尊重し、応援し、想いを
共有し合う全ての企業活動の原点・原理は、正にこの経営理念が全ての方向
を位付け、経営組織全体の価値観・信条・信念となっていることが望ましい
と考えられます。

東京海上の経営理念が、同社社員にしっかり浸透しているからこそ、首尾一貫
した経営が執行できるのではないでしょうか・・・。


(参考)

「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則(21 世紀金融行動原則)」

1. 自らが果たすべき責任と役割を認識し、予防的アプローチの視点も踏まえ、
 それぞれの事業を通じ持続可能な社会の形成に向けた最善の取組みを推進する。

2. 環境産業に代表される「持続可能な社会の形成に寄与する産業」の発展と
 競争力の向上に資する金融商品・サービスの開発・提供を通じ、持続可能な
 グローバル社会の形成に貢献する。

3. 地域の振興と持続可能性の向上の視点に立ち、中小企業などの環境配慮や
 市民の環境意識の向上、災害への備えやコミュニティ活動をサポートする。

4. 持続可能な社会の形成には、多様なステークホルダーが連携することが
 重要と認識し、かかる取組みに自ら参画するだけでなく主体的な役割を
 担うよう努める。

5. 環境関連法規の遵守にとどまらず、省資源・省エネルギー等の環境負荷の
 軽減に積極的に取り組み、サプライヤーにも働き掛けるように努める。

6. 社会の持続可能性を高める活動が経営的な課題であると認識するとともに、
 取組みの情報開示に努める。

7. 上記の取組みを日常業務において積極的に実践するために、環境や社会の
 問題に対する自社の役職員の意識向上を図る。



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  今日のテーマは 東京海上の Tokio Marineの由来 です
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東京海上日動の「Tokio Marineの由来」についてです。



東京海上日動は、英文でTokio Marine & Nichido とあらわします。
これは、東京海上が1890年ごろから100年以上にわたって、Tokio Marine
という英文社名を使用してきたことに由来するものらしいです。


1879年に設立された東京海上は、創業後まもなくロンドンにおいて再保険
取引を始めていました。当時のイギリス人が「東京」のことを「Tokio」と
表記したり、「トキオ」と発音していたことにならって、東京海上も取引上、
Tokyo Marineではなく、Tokio Marineという表記を使用するようになったと
いわれています。


(参考:「保険王国 東京海上」坂井幸二郎著)


たしかに、その当時は、海上保険が主流で、海上保険といえば、英国。

つまり、明治時代の海上保険は、文字通り、七つの海にユニオン・ジャックの
旗をひるがえす「大英帝国」の自由主義貿易を中心に行われており、英国が
海上保険の世界の中心市場でもあったので、英国人ベースで、英文社名を
設定せざるをえなかったのでしょう。


東京海上は日本における小さな損害保険会社として発足しましたが、その後、
血のにじむ努力を積み重ねることで、世界を代表する保険会社まで成長しました。


その努力の過程では、「元受保険料の拡充」があります。
海上保険のニーズが高まり、海運会社や商社などからの引き合いが多数あっても
保険金支払い能力をオーバーするリスクの引き受けはできません。


そこで、「再保険」を活用することで、保険金支払いリスクを再保険会社に
流しつつ、元受保険料を伸ばし、シェアを高めると同時に、国内外からの信用や
ブランド力を高め、今の地位につくことになりました。

そういう意味で、東京海上を語るには「再保険」抜きでは語ることはできません。


しかしながら、日本の国内で損保営業をしていると、なかなか再保険に触れること
がありませんので、「さいほけん」という言葉は聴いたことがあっても「再保険」
がどのようなものであるかを個別具体的に理解している人は少ないのではない
でしょうか。


今回は、折角の機会ですから、再保険について概要を解説したいと思います。
(すでにご理解している人にとっては、おさらいだと思ってください)


再保険とは、教科書的にいえば、「ある保険者が危険(リスク)を分散したり、
収益を追求したりするために、自己の保有する保険責任の一部または全部を
他の保険者に移転し(出再保険)、当該他の保険者がそれを引き受ける(受再
保険)」する保険のことであり、「保険の保険」なので「再保険」という
呼ばれます。

そして、既述しましたが、再保険以外の保険のことを「元受保険」と呼んで
います。


再保険会社の填補責任は元受保険会社が顧客と締結する保険契約の内容と同じ
となることが多いのですが、様々に条件設定が行われることがあります。


この再保険を契約手続きの観点から分類すると次のようになります。


●任意再保険(Facultative Reinsurance)
 元受保険会社と再保険会社が個別に契約条件を定める方式。

●特約再保険(Treaty Reinsurance) 
 元受保険会社と再保険会社が予め取引条件を定め、一定の条件に合致する
 ものは再保険の対象とする方式で、更に次のとおり分類されます。

 □比例再保険特約(Quota Share Treaty;Q/S)
  対象となる全ての契約を一定割合(出再割合)で出再(受再)する契約方式。
  受再保険会社は保険料、保険金とも同じ一定の割合で分担します。

 □超過保有額再保険特約(Surplus Treaty)
  元受保険会社が引き受けた保険契約のうち、一定の保険金額を超える額を
  再保険とするもの。元受保険会社が保有する金額を1ラインとし、その何倍か
  をラインで数える(4倍なら4ライン)。

 □任意的義務的再保険特約(Facultative Obligatory Treaty;F/O)
  出再会社から見れば元受契約の何%を再保険とするかどうかは任意的ですが、
  受再会社から見れば義務的とする出再会社にとって有利な特約形式。

 □非比例再保険
  超過損害額担保特約(Excess of Loss Cover;ELC,XL)
  対象とする契約のいずれかに損害が発生し、元受保険会社が被った1危険、
  または1事故あたりの損害額の合計が一定額を超過したときに、その超過額
   を出再保険会社が再保険金として受け取るという形式。

 □ストップロス特約(Stop Loss Treaty)
  出再保険会社の対象とする契約集団の一定期間における累計損害率が、
  約定した一定損害率を超えた場合にその超過分を再保険金として受け取る
  という形式。


以上、普段聞きなれない言葉ではありますが、企業営業部門に配属になったり、
ブローカー、または再保険会社に転職した際は頻出する用語なので、簡単に概要
だけでも抑えておくとよいかもしれません。


また、厳密には再保険ではありませんが、近年では、伝統的な再保険の手法に加え、
「キャットボンド」によるリスク移転が損保各社で利用されるようになったことも
覚えておくと良いと思います。

これは、一定規模以上の地震や台風・ハリケーンなどあらかじめ定められた自然災害
が発生したときに、発行者が収入を得る代わり、投資家が損失を被るという債券を
発行することにより、自然災害リスクを発行者が投資家に移転するというもので、
厳密には再保険の定義に該当しませんが、実質的効果は再保険に類似するというもの
です。

大規模な自然災害が発生すると、伝統的な再保険市場では再保険料の高騰・再保険会社
の信用力低下・再保険取引規模の縮小等が起こることがあるため、リスク移転手法の
多様化の一手法として利用されています。

昨年発生した東日本大震災後、キャットボンドに関する新聞記事も目立つようになり
ました。


東京海上発展の礎を築いた「再保険」は、今後の業界内順位を占う上でも重要な保険
だと思います。再保険のキャパシティー(引き受け能力)を高めることで、元受保険
収入だけではなく、受再収入も得られることから、保険料および純利益を高めること
につながりますので・・・・。


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  今日のテーマは 東京海上の新規事業 です
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東京海上の「新規事業」についてです。


東京海上は、海外事業、再保険事業など保険事業の延長の新規事業から、損害保険に直接は
関係ない事業などを毎年展開しています。企業の収益源の新陳代謝のために、新規事業は
重要なことです。


損保市場が成長している時は、とにかくシェアを拡大するなど頑張れば何とかなりました。
『地道にコツコツ努力』、『とにかく頑張れ』....一生懸命行動することで、新しい
取引先を開拓し売上げを、拡大できた時代です。しかしながら、商品や事業(マーケット)
には必ず寿命があります。

一般的に言われているのが、 導入期 → 成長期 → 安定期 → 衰退期 という
サイクルです。

会社が、継続的に収益の確保して存続し続けるには、安定した収益の柱になる新商品や
新事業が必要となります。

新規事業を考える時、ニッチ戦略とか商品を特化するとか、いろいろ観点がありますが、
それらを整理してみると、経営学者アンゾフ氏が考案した「成長マトリクス」から考える
ことができます。

横軸には、製品・サービスが既存のものか新しいものかを取り、縦軸には顧客や市場が
既存か新規かを取り上げています。

事業の成長を「製品・サービス・技術」「市場・顧客」の二つから考えることで、成長
戦略を描くことが可能となります。


そこで、東京海上グループが企業の永続的成長のために実施してきた新規事業について
2000年からの歩みについてディスクロージャー誌で追ってみたいと思います。
(東京海上のディスクロージャー誌からの抜粋)


【1999年】
新規事業に関しては、個人向け証券業務への進出を目的として、米国チャールズ・シュワブ社
との合弁により、「シュワブ東京海上証券(株)」を設立しました。また、海外リスクの引受
けにより世界的に自然災害リスクを分散させ、当社の引受能力を高めることを目的として、
再保険子会社「トウキョウ・ミレニアム・リー・リミテッド」をバミューダに設立しました。
更に、当社グループとして確定拠出年金事業への参入を図るため、「確定拠出型年金推進室」
を設置し、準備を進めています。


【2000年】
海外保険事業に関しては、韓国の三星火災海上保険株式会社と業務・資本提携を行うとともに、
インドにおいて最大の国営肥料公社との合弁により保険会社を設立するなど、アジア地域に
おける保険事業の積極的展開のための基盤整備を行いました。

新規投資としては、ソフトバンク株式会社およびオリックス株式会社などとともに、預金保
険機構から株式会社日本債券信用銀行(現株式会社あおぞら銀行)の普通株式の一括譲渡を受
け、同行に資本参加しました。当社としては同行の中堅・中小企業や地域金融機関との良好な
関係を、当社の保険営業における顧客基盤の強化に活かしていきたいと考えています。

また、確定拠出年金事業への参入については、確定拠出年金法施行後のすみやかな事業の立ち
上げに向け、着実に準備を進めています。


【2001年】
当社は、2001年(平成13年)10月の確定拠出年金法の施行を受け、確定拠出年金事業を
スタートするとともに、確定拠出年金制度の中小企業への普及を図るため、複数の企業をひとつ
の規約で包括することにより、簡便な手続とコスト軽減を可能にする「総合型規約」を開発しま
した。また、自営業者を対象とした個人型の取り扱いも積極的に推進しています。

海外保険事業に関しては、タイの生命保険会社に出資し経営に参加するとともに、マレーシア
の中堅損害保険会社を買収するなど、アジア地域における保険事業の基盤をさらに整備しました。
なお、シュワブ東京海上証券株式会社につきましては、オンライン証券会社を巡る厳しい事業
環境等に鑑み、事業の選択と集中を図る観点から、清算することとしました。



【2002年】
確定拠出年金につきましては、期間10年以内の適格退職年金制度の廃止や退職給与引当金の
無税引当枠の撤廃といった環境変化を受けて、各企業における制度導入の検討が加速しました。
こうしたなか、当社は、中小企業のニーズに対応し、手続きが簡便でコスト軽減も可能な
「総合型規約」を中心に企業型確定拠出年金の受託を進めました。この結果、受託企業数は
全金融機関のなかで最大となっています。

一方、代理店による個人事業主や中小企業を対象とした個人型確定拠出年金の販売も、積極的
に推進しています。東京海上アセットマネジメント投信株式会社は、価格の下落リスクを元本
の一定割合に限定した投資信託商品「賢投資」・「賢投資供廖Α屮織奪船▲奪廖廚筺東海3県
に本社のある時価総額上位企業に限定して投資する投資信託商品「東海3県ファンド」などを
設定し、お客様の新しいニーズにも対応しています。



【2003年】
確定拠出年金につきましては、適格退職年金制度や退職給与引当金制度の改定といった環境変化
を受けて、各企業における制度導入のニーズが急速に高まっています。こうしたなか、当社は、
中小企業のニーズに対応し、手続きが簡便でコスト軽減も可能な「総合型規約」を中心に企業型
確定拠出年金の受託を進めました結果、運営管理機関中トップクラスである200社を超える
受託実績となっています。

高齢化社会の進展に伴い、介護サービスに対する需要は急速に高まっています。こうした社会的
要請を背景に、東京海上日動ベターライフサービス株式会社では、在宅介護拠点を大幅に増やす
など積極的に事業展開することとしました。

東京海上アセットマネジメント投信株式会社は、中国の経済成長により好影響を受ける企業を
投資対象とする投資信託商品「東京海上ベストチャイナオープン」や、信託報酬の一部を自然
環境保全に取り組むNPOに寄付する投資信託商品「しがぎんリスク限定型ファンド」を設定
するなど、お客様のニーズに対応した新商品開発に積極的に取り組んでいます。

また、昨年10月には、外国債券特化型運用の受託を目的として、豊富な経験と良好な運用実績
を有する英国の投資顧問会社ロゲー・グローバル・パートナーズと、合弁会社「トウキョウマリン
・ロゲー・アセットマネジメント・リミテッド」を設立しました。



【2004年】
確定拠出年金事業につきましては、当社は、2004年度も、手続きが簡便でコスト軽減も可能な
「なっとく401k総合型規約」を中心に企業型確定拠出年金の受託を進めるとともに、地域金融
機関との提携を積極的に推進し、31行と提携しました。この結果、運営管理機関中トップクラス
である800社を超える受託実績となっており、受託会社のうち半数以上が新規取引企業であるなど、
お客様の増加にもつながっています。

在宅介護サービス事業につきましては、東京海上日動ベターライフサービス株式会社が、1都3県に
約100か所の在宅介護事業拠点を展開する予定ですが、2004年度は、29か所の拠点をオープン
し、合計で31拠点となりました。

金融関連事業につきましては、2004年度も、グループを挙げて積極的な取り組みを行いました。
東京海上アセットマネジメント投信株式会社は、運用資産残高が2兆円を超え、東京海上キャピタル
株式会社は、新規バイアウトファンドの第一次募集を完了しました。また、東京海上フィナンシャル
ソリューションズ証券会社東京支店は、PFI事業(民間資金を活用した公共関連事業等)に関する
資金調達アレンジメント業務に参入しました。



【2006年】
ホンリョングループ(HLG)と共同で、元受タカフル事業会社である「ホンリョン東京海上タカフル社
(HLTMT)」を設立し、2006年11月30日に営業を開始しました。また開業に伴い、HLTMT
においてマレーシア市場初の生損融合タカフル商品を開発しました。タカフルとは、イスラム教義に
沿った保険であり、HLG傘下のイスラム銀行網を活用して販売していきます。
今後も、それぞれの地域特性に合った成長戦略と新規事業戦略を組み合わせて海外生損保事業戦略を
展開していきます。


東京海上は、新規事業として、確定拠出年金、海外事業(タカフル)、介護サービスなどに注力して
きています。これは保険会社の業務の延長にあり、かつ、将来性が高いと思われるものですので、
数年後に実を結ぶ結果になると思われます。

また、他の損害保険会社が投資しないような銀行業務への進出なども試行錯誤していました。
新規事業には失敗もつきものですが、リーディングカンパニーだけに、失敗を恐れずに会社の新たな
収益源の確保に向けた努力はすばらしいと思います。

今後も東京海上グループには、果敢に業界の常識を覆した新規事業に挑戦してもらいたいものです。


(ご参考)

新規事業は、どの業界、どの会社にも必ず必要なことです。この新規事業には、既存事業を踏まえた
新たな智恵が必要になります。儲かる仕組みづくりをいかに考えるか、またどのように実現させるか、
が肝要です。

そこで、ご紹介したいのが「アイデアのつくり方 (著 者:ジェームス W.ヤング)」です。

著者のヤングは広告代理店の仕事を続ける中で新しいアイデアを継続的に生産し続ける必要があった
そうです。その中で、培ったアイデアの生産方法を公式化して発表したのが本書です。

ヤングによればアイデア作成の基礎となる原理とは
 
●アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない
●既存の要素を新しい組み合わせに導く才能は、物事の関連性を見つけ出す才能に依存するところ
 が大きい

というふたつだと言うことです。そして、アイデアを生み出す過程を説明しています。


1.資料集め
  当面の課題となる資料と一般的知識の蓄積を豊富にする

2.情報の咀嚼
  収集した資料をあらゆる角度から検討する、手を加える

3.孵化段階
  想像力や感情を刺激するものに心を移して問題を完全に放棄する

4.ひらめきの瞬間
  アイデアの誕生、無意識の勝手な活動に任せて、ひらめきを待つ

5.アイデアの検証
  現実にあわせるための具体化、本当に問題の解消に役立つか

これからは、どんな仕事も独自のアイデアを求められます。仕事だけでなく、個人の実力として
評価される場面も多くなってくると思います。ぜひ、今後のキャリア構築のためにも一読してみて
はいかがでしょうか。


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  今日のテーマは 東京海上のERM経営 です
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東京海上の「ERM経営」についてです。

東京海上グループは、商品・サービスや業務プロセスに関する品質の向上
を起点とした持続的な成長の実現を目指し、期経営計画「変革と実行2011」
の達成に向けて積極的に事業を展開しています。

損害保険事業の成長性・収益性の回復ならびに国内生命保険事業および
海外保険事業の経営の主軸に置き、グローバルに競争力を発揮できる経営・
管理態勢を構築するため、資本とリスクのバランスを適切にコントロール
して財務の健全性を維持しつつ収益性を向上させる「リスクベース経営
(ERM)」の高度化に向けた取り組みの強化が同社の特徴のひとつだと
考えています。

このリスクベース経営は、他の損保会社も同様のコンセプトを取り入れた
経営をしているとは思われますが、経営戦略等で明記しているのは、同社
のみです。今回は、このリスクベース経営について着目してみます。


早速ですが、このERM経営のベネフィット、ならびに運用上の難度について
教科書的なものですが、お伝えいたします。


●ERM経営のベネフィットとは・・・

 ・組織横断的なリスクの理解・競争優位性に対する理解

 ・危機に対するセーフガード・低頻度重大リスク対応能力

 ・内部資源管理のコスト節約・より有効な資本配賦

 ・リスク集計・相殺を識別する能力

 ・ヘッジ・保険コスト節約

 ・より良い規制遵守・リスク調整リターンに基づく経営能力


●ERM採用における困難性とは・・・

 ・統合リスクを計測する困難

 ・リスクマネジメントと現行の企画プロセスの間の調整不足

 ・リスクを分析、監視、コントロールするシステムの不完全性

 ・明確に定義した役割、説明責任、情報フローの欠如

 ・文化的対立内部ベニフィットの認識不足

 ・操業的戦略的リスクを移転する市場の不足

 ・リスクサービスを完全な範囲で提供できる外部提供者の不足

 ・投資社会内でベネフィットの認識不足


MBAの授業では上記のベネフィットおよび採用難度を踏まえ、ケーススタディの
中で、ERM経営の是非が論じられます。

たとえば、東京海上ホールディングスを例にしてみると・・・こんな感じでしょうか。


同社は、中核業務である国内損害保険事業の成長性の限界を認識するなか、国内
保険事業においては業務革新プロジェクトをベースに生損保一体となった取り組み
などにより、販売基盤の強化や市場の開拓を進めつつあります。

今後の収益源である、東京海上日動あんしんは、主要チャネルで増収し、収益性の
改善に向けた商品改定を実施しつつも、足元の保険業績は好調。業務効率化の推進
により、収益性も改善に向かうことが期待されています。

また、買収した欧米損害保険会社の成長力・収益力を背景に、海外保険事業の利益
貢献が高まっているため、グループの収益多様化・リスク分散を図ってきています。
グローバル・スタンダードに合致したリスクベース経営管理体制の強化が図られ、
同社が志向しているリスクベースプライシングの実行に向けた施策が注目されて
います。

一方、東京海上日動などの収益力に裏づけられた良好なキャッシュフロー・バランス
に加え、十分な資本基盤、財務上の柔軟性を有していますが、震災による保険金支払
や株式市況の動向について、一定のストレスを含めたシナリオを勘案すると、従来の
グループ全体の信用力の維持が困難となる可能性があると考えられています。

東京海上日動は、保険持株会社の中核会社であり、同社の評価が持株会社の評価に
直結しています。直近の決算内容では、損害率や事業費率の高止まりにより抜本的
な収益性の改善には至っていないものの、料率改定の効果が一定程度見込まれ、
業務改革プロジェクトにかかわるシステム投資のピークは過ぎているため、当該
プロジェクトによるITインフラの強化などの成果が表れつつある傾向です。

今後の価格戦略のあり方に加え、コスト削減効果の顕現などを通じ、抜本的な収益性
の改善に結びつくか勝負の分かれ目だと考えられています。また、国内損害保険事業
の収益性が圧迫される中、海外事業の利益貢献が相応の水準となっています。

政策株式の売却を積極的に進めているようですが、依然として株式保有が多く、
株価の変動に収益や自己資本が影響を受けやすい状態になるのは否めません。
震災による保険金支払や株式市況の動向について、一定のストレスシナリオ下では、
リスク耐久力が一定程度低下することが想定されますので、資本政策について、
ERM経営の観点から、抜本的な舵取りが必要と考えられる・・・。


若干抽象的ではありますが、MBAのケーススタディでは、このような分析結果を
ベースに、あとは、上述した内容を定量的データで裏づけし、論拠を明示しながら、
第三者の納得感を醸成することになります。

国内の損保会社の中では、利益率、利益額などの収益性ではダントツのトップですから、
上記コメントは少し辛口かもしれませんが、参考程度に受け止めていただけると幸いです。


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「損保業界」と「発展途上国」を結ぶ会の事務局です。

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  今日のテーマは 東京海上の「海外戦略」です
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東京海上の「海外戦略」についてです。

東京海上グループにとって、海外保険事業はグループ全体の利益成長のドライバー
と位置づけています。

海外戦略のコンセプトは、

1.グローバルな成長機会の追求
  ⇒海外保険市場の高い成長性の取り込み
  (米国のフィラデルフィア社や欧州のキルン社の買収)

2.リスク分散効果による利益水準の安定化および資本効率の向上
  ⇒グローバルに地域分散の効いた事業ポートフォリオ構築

3.日系顧客の海外進出への対応
  ⇒生産、販売、投資それぞれで益々進展している日系企業のグローバル化に対応


世界のGDP規模は約6,300兆円と推計されていますが、その中でも損保市場は
約170兆円、生保市場は240兆円と試算されています。この生損保市場の410兆円の
シェアをどの程度狙うのか。1%でも約4兆円です。
東京海上ホールディングの保険料収入は約2.7兆円ですから、世界シェアの1%にも
満たしません。国内損保市場や生保市場は成熟し、少子高齢化のため、市場は縮小均衡
の傾向にありますが、拡大均衡を目指すためには、やはり世界に目を向けて、
世界シェア1%の4兆円をターゲットに、さらなる拡大を求めていく必要があるのでは
ないでしょうか。

東京海上の場合、成長の手段として、「内部成長」と「買収」の2つを挙げています。

「内部成長」は、新規参入が相対的に容易な事業である「再保険」を内部成長として
拡大させることを表明しています。


「買収(M&A)」は、欧米や新興国の元受保険事業において、一定の事業基盤確保が
必要であり、新規参入が困難な市場において、活用することを表明しています。
また、買収に当たっては経営権の確保(100%の株式保有)が基本方針としていますが、
一方、出資規制のある国・地域(例えば中国)においてはマイノリティ出資やJV形態も
選択肢としています。

※東京海上グループの買収における3条件とは・・・
 〃弍弔侶鯀汗、強固なビジネスモデル、9發だ長性


上記「内部成長」と「買収」を上手く組み合わせた成長戦略を策定・実行しているのが、
今の東京海上グループの海外戦略の特徴です。高成長の見込める新興国市場において、
重点地域を中心に損保・生保等への積極的な投資を行い、中長期的な収益機会を追求
していますが、反面、海外事業には課題もつきものです。

進出先における課題とは・・・現地市場での競争力と優秀な人材の確保が問題。

東京海上の海外事業は、海外進出を行っている日系企業に対する支援を中心に事業を
拡大してきた経緯があります。そのため、進出先におけるローカル企業や一般消費者
に対するブランドの浸透度が未だに低く、そのことが現地市場を開拓する際の大きな
課題となっているそうです。進出先における一般消費者に対するブランドの浸透度が
低いことから、現地での優秀な人材の確保が非常に難しいという課題も抱えています。

また、日本と進出先の規制や監督の内容も主たる課題として認識しています。
日本と進出先の規制内容や監督方針に大きな隔たりがあり、規制の遵守状況にもばら
つきが見られるケースがあるというのが具体的な事象です。

たとえば、中国では、次のような規制があります。

●営業地域制限および支店認可基準
 外国保険会社については、営業範囲が支店設置省内に限定されている(営業地域制
 限)。中国の国内保険会社と同レベルのサービスを提供するためには、各省で支店
 認可を取得する必要があるが、支店認可基準が十分に明確とは言えず、認可申請後、
 多大な時間を要するケースもあり、同国内でのサービス拡大の障害となっている。

●自動車賠償責任保険制度
 自動車賠償責任保険が外国保険会社に開放されておらず、自動車保険参入の障害と
 なっている。

●再保険取引規制
 保険会社は、監督官庁の認可がある場合を除き、自社の国外関連企業との再保険取
 引を禁じる規制が設けられている。また、認可基準が不明確でかつ全件事前認可制の
 ため、中国所在リスクに対する外国保険会社グループのキャパシティーやノウハウ
 が十分に提供出来ていない。



それでは、これらの課題を解決するために、日本の行政や保険会社は何をすべきなの
でしょうか。東京海上が考えるソリューションは以下のとおりです。


⇒進出先におけるブランドの浸透には多大な時間を要するため、これらの課題に迅速
 に対処するためにはM&Aが非常に有効な解決策。M&Aの際に、諸外国の保険会社に
 劣後することのないよう障害となっている日本の規制緩和を実施すべき。
 また、発展途上国における保険の普及促進に向けて、例えば以下のような官民合同
 の保険のインフラ整備も一考の余地があるとのこと。

 ・自動車賠償責任保険制度が未整備の国における同制度の整備に向けた取り組み
 ・国民の保険に対する意識の低さや損害査定網が未整備であること等により保険
  の普及が遅れている発展途上国において、インフラ整備策の一環としてのイン
  デックス型保険の普及促進に向けた取り組み。
 ・発展途上国における個人向け巨大災害保険制度(例:日本における地震保険制度
  や米国の洪水保険制度等)の設立に向けた取り組み。


⇒日本と進出先の規制や監督の内容については、世界的に規制や監督が統一化の流れ
 にある中で、日本が特に新興国市場における規制・監督の標準化に貢献することが
 出来れば、こうした問題の解決の一助になる。


中長期的な展開を視野に入れ、官民あげて、損保会社の海外展開を加速させる必要が
ありますが、足元の2011年度業績予想としては、

正味収保を5,770億円(前年増減+505億円、増減率+10%)と見込み、アジア等新興国
における順調な経済成長や欧米における景気回復を背景とした営業推進等により10%
の増収を見込んでいます。利益は、520億円(前年増減+272億円、増減率+110%)を
目標としています。

この目標を確実に達成し、利益を投資として、新興市場の保険会社の買収にあてる
正の循環を繰り返すことで、世界シェア1%達成にむけて活動していくものと思わ
れます。ぜひ、東京海上グループには、日本を代表する保険会社として、グローバル
プレーヤーとして活躍してもらいたいですね。


(参考とした資料)

東京海上グループの海外戦略「海外展開とその課題について」
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/w_group/siryou/20110629/04.pdf


(銀行や証券会社の戦略もぜひご参考ください)

三菱UFJグループの海外戦略「我が国における金融業の国際競争力の強化」
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/w_group/siryou/20110629/03.pdf

大和証券グループの海外戦略「我が国金融業の国際競争力の強化に向けて」
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/w_group/siryou/20110629/05.pdf


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